昭和人のある日の出来事〜アンズ編〜

アンズ

信濃路に春の訪れを告げるアンズの花(千曲市・森)

長野県内の、ある日帰り温泉施設での出来事です。
長野県は道の駅と日帰り温泉施設が多いことで知られています。中には道の駅に日帰り温泉施設があったり、日帰り温泉施設に道の駅顔負けの物販コーナーがあるところもあります。
今回ご紹介するのは、そうした日帰り温泉施設の売店での体験です。

温泉にのんびりつかり、帰る際にいつも寄る売店を覗いてみました。何か季節のものはないかと思い店内を見回すと、「信州・森のアンズジャム」と表示があるのが目に留まりました。ジャムの手前には干しアンズのパックが積まれていたので手に取ってみましたが、産地表示がありません。そこでレジカウンターで尋ねました。

「これも森のアンズですか」
「いえ、違うんです」とレジの人。
「じゃ、中国産?」
「いえ、トルコ産です」
「ビミョーだなぁ」
「でも、お客さんはフツーに買っていきますよ。何かあったって話は聞かないし」

いや、別にトルコ産に問題があるって言っているのではなく、せっかく信州で、しかも森のアンズで作ったジャムと一緒に売るなら、仕入れが難しくても信州産にこだわってほしかったな、と思っただけで...。
結局1パックだけ買ってきました。味は好みの酸味が強いタイプではない、つまり甘みの強い大粒のアンズでした。ネットで調べると、トルコ産の干しアンズは中国産、米国産と並んでかなり輸入されていることがわかりました。
信州産の生食用のアンズとしてはハーコットや信州大実などが知られています。信州産アンズがどのくらい干しアンズになっているか勉強不足でわからないのですが、アンズの旬の時期は短いので、ジャム以外に干しアンズやグラッセに加工される分も結構多いのではないかと想像します。

アンズ

干しアンズ(これはトルコ産のアンズ)

話変わって...
自宅の庭にアンズの木があります。老木で樹齢は100年くらいだと思われます。かつては実がたくさんなったのですが、今ではなりません。子どものころは、この木のアンズを食べるのが楽しみでした。
小粒で、酸味の強いアンズでしたが、香りがよく、ほのかな甘みが口に広がり、今思うと上品な味だったなあ。

千曲市の森・倉科地区は「アンズの里」として全国的に知られています。この地でアンズ栽培が盛んになったのは、江戸時代に松代藩による奨励によるとされます。このほか、長野市の安茂里地区もかつてはアンズの里として有名でした。「善光寺の鐘の音が届く範囲にアンズが実る」という言葉があるように、信州とりわけ北信地域とアンズは縁があります。(昭和人)

この記事を書いた人

昭和人

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