そのカフェは、北アルプスや戸隠連峰を望む絶好のロケーションが自慢です。お店の名前は「のらcafe」。オープンから3回目のシーズンに入ります。
自然農法で野菜を育てる農園の一角に
長野市大岡地区(旧大岡村)は、長野市街から南西に位置する山間の集落です。標高1447mの聖山(ひじりやま)の西の麓、アルプスを望む日当たりの良い山肌に沿って、集落が点在します。
この地に店主さんが移住してきたのが2004年。まず、自然農法による農業や農家民宿をする「農楽里(のらり)ファーム」
を始め、2015年7月から「のらcafe」をオープンしました。カフェの建物は、集落内の牛小屋を壊すと聞き、解体して移築。壁塗りなど改修作業をして、1階をキッチン、2階を食事スペースにしました。
身体にやさしくて美味しい穀物菜食
カフェは予約制。店主さんに電話で相談してメニューを選びます。
食事メニューは、採れたての新鮮な野菜や山菜、摘み草などで作る、オーガニックの穀物菜食料理。おむすび、サラダ、ベジグリンカレー、パスタ、しっかりごはんなど、それぞれセットメニューになっています。一番のおすすめは、旬の野菜や山菜、フルーツなどをふんだんに使ったお任せの「のらコース」ですが、今シーズンはまだ自家菜園の野菜が始まっていないため、去年採れたトマトで作ったトマトソースのパスタセットをいただきました。野菜だけのパスタでも、みじん切りしたシイタケなどを入れ、ミートソース風の仕上がりに。味に深みを出すことで満足感が得られるように工夫がされています。
添えられた純胡椒
やキュウリのピクルスも良いアクセントになっています。同じ大岡地区の「まめパン」
で作られたパンは、農楽里ファームの玄米や古代米が入っていて、もっちりとした食感の美味しいパンです。
聖山の湧き水とオーガニックのもので
のらcafeの珈琲は、オリジナルブレンドです。オーガニック・フェアトレードの珈琲豆を使ったブレンドを千葉県の焙煎人に特注し、店主さんのイメージを形にしたもの。聖山ブレンドとのらブレンドの2種類があり、聖山の湧き水を使いネルドリップで淹れます。「珈琲が好きで、自分が毎日のみたい珈琲をブレントしてもらいました」と店主さんは笑います。
スイーツメニューは、卵、牛乳、バター、白砂糖などを使わない植物性原材料のみのものや、加熱をしないロースイーツがあり、季節によって変ります。写真はゴールデンオレンジと清見オレンジのゼリーと、カシューナッツの塩バニラアイスのミニパフェ。さっぱりとしたゼリーや、こくのあるアイス、乾燥させたゴールデンオレンジの甘味とほのかな苦味が印象的です。
心と身体にやさしい山里の時間
初めて予約をする時には、カフェのWebサイトを見ながら相談すると良いでしょう。また、Webサイトに使われているイラストは、店主さんの娘さんのもの。中学卒業までの幼少時代を大岡地区で過ごしたそうで、カフェにも作品が展示・販売されています。
もう少し暖かい季節になれば、オープンテラスで風景を楽しみながら食事をいただくことができるそうです。春先には、店主さんがここへ移住する決め手となったという福寿草が一面に咲いています。「大岡の美しさを多くの人に知ってもらいたいですね」と店主さんは話してくれました。近くには、大岡温泉もあります。のんびりと信州の山里を訪れてみてはいかがでしょうか。
のらcafe ホームページより
- 長野県長野市大岡甲1791
- TEL 090-9669-6954
- 営業日・営業時間
予約時に相談(カフェ営業期間は3月下旬〜11月末)
■公共交通機関でのアクセス
JR篠ノ井駅から長野市営バス 大岡篠ノ井線「慶師入口」下車。徒歩10分