片桐さんの農事録
[片桐さんの農事録]

みなみ信州発☆羊と暮らすゆきさんの農事録 第64回

ゆきさん農事録

 

こんにちは!^^*
多くの方が何かしら「今まで」とは違った出会いと別れを迎えた春だと思います。新年度が始まって早半月、皆様いかがお過ごしですか?
我が家は今年地域の長なので、本当ならばこの4月からの農事録の話題にも組み込まれてきたはずなのですが、今のところ地域行事の中止の判断しかしていなくて、楽と言えば楽だけれど、何とも言えないスタートを切っています。そして、個人的には毎年恒例の観劇が4月末にあって妹と楽しみにしていたのですが、当然の流れで払い戻しのお知らせが来て、手続きのためにチケットを発券したらなんと! 最・前・列・・・!!
返金と共にあっさりと回収されたチケットに、もう泣いても泣ききれない、・・・コロナウィルス恨む・・・と言う心境です><。

 

コロナ禍の酪農家は・・・

ゆきさん農事録

 

とは言え、有り難いことに酪農の仕事はいつもと変わらず出来ています^^* 
いや、一部は予定通りといかず、実は牛もーの削蹄依頼を3月頭に出したのですが、4月の半ばになっても予定を組んで頂けず、先方の愛知県でも、私の住む飯田市でも新型肺炎感染者が出ているので仕方ないかなとは思いつつ、ヤキモキしながら待っている状態です。

また、皆さんもご存じの通り、現在和牛やF1(和牛×ホルスの子)の枝肉価格が下落している影響で、酪農家から出ていく子牛の価格も大分落ち込んでいるようです。我が家は先月からお産が何件もあって子牛価格に期待していた分残念な所ですが、BSEや口蹄疫の時のように、子牛を持っていってくれる所も無い・・・と言うような状況ではないだけ救いかな、と。

一方メインである牛乳は、先月話題に出した、飲用乳を加工乳として出荷した場合の差額は補填されると言うようなお知らせが届き、その点はちょっと安心です^^
定期的にチェックするのが楽しみになっている「Jミルク」Webサイトの「牛乳 販売本数の推移(900~1000ml)(週間)」でも、学校休校が続く影響もあってか、2020年度の開始地点が目を疑う高い位置からスタートしていて、消費者の皆さんには感謝ばかりです^^* 重ねて、ありがとうございます!

で、実際グラフの数値も伸びているし・・・と気楽に構えていたら、4月21日の農業新聞で、「緊急事態宣言が出された結果、飲食店など外食産業で使われていた生乳、生クリームやチーズなど業務用の牛乳・乳製品需要が減退」的なことを書かれていて、あぁぁ~今度はそっち!? ><; となりました・・・。
記事の中で「具体的には、18歳未満の子供が週1回コップ1杯分(200ml)牛乳を飲む量を増やすと、学校給食の1週間分(9500t)の約4割に相当する生乳が消費される試算」とあり、農林水産省では「もうあと1杯、もうあと1本、飲んでもらいたい」と、牛乳やヨーグルトを普段より1本多く消費することを推進する「プラスワンプロジェクト」を始めるそうです^^* 既に「いつもより多く消費してるよ!」って方も多いかと思いますが、それこそ、牛乳はお腹ゴロゴロしてちょっと><; となっていた方など、チーズやヨーグルトでプラスワンの消費に協力して頂ければ嬉しいです♪ よろしくお願いします!

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そんな中で、最近地味に心配なのは「牛もーの飼料」です。
随分昔に記事に書きましたが、我が家の牛もー達の餌は、その殆どを海外からの輸入に頼っています。関係者の方々と話す機会があってお聞きしていると、まだ数ヶ月分は国内に備蓄はあるし、流通も滞っていないけれど、問題は海外でも大規模経営の農家が「季節労働者」を雇っていると言う点です。コロナ禍の影響で大幅な人手不足が懸念され、フランスなどは政府が失業者へ農業従事への斡旋を行っていると言うニュースを見たばかりですが、コロナウィルスの性質上、人を大々的に大移動させるわけにもいかず・・・。
家畜だけでなく、人の食べるものに関しても、世界では自国を優先するために輸出量を制限・または禁止している国もあり、改めて、牛乳は100%国産と言いながらも、その牛乳を搾るための牛もーの餌は海外に頼り切っているという弱さを実感している所です。

 

おうちで和牛消費チャレンジ!

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今回のコロナ禍は食料自給率の問題もですが、工業製品についても国内に工場がない事の弊害が多々出てきて居ますよね。「無ければ輸入すれば良い」では解決しないと言うことを、今後はもっと実感を持って体験するかもしれません。・・・考えなければいけない事だけれど、考えすぎると何だか暗い気持ちになってしまいますね><;

狭い日本国内で安心と安全に気を配り、手間と人手を掛けられて作られたものは一様にして「高い」とは思います。でも、それを買うことが今は「応援」に繋がるんですよね。今までも意識して国産を選んできましたが、今後も可能な限り国産を選んで買いたいな、と思います。
そして、自分で料理をしてみるとわかるのですが、豚や鶏ってお値段安い上にとても使い易いんですよね。逆に牛肉って、和牛になると特に、何かに加工してしまうにはもったいなくて焼き肉ばかりになるのでついつい手に取る回数が減ってしまうのですが、お財布に余裕のある方は是非、おうちで和牛消費チャレンジ!(笑)もして頂けたら嬉しく思います。今こそ買って応援、食べて応援! ですね^▽^* 

 

続 牛乳で簡単デザート^^

ゆきさん農事録

 

ちなみに、最近の私は牛乳を買うとき自分の家が出荷している製造会社「信州ミルクランド」の名前が表記されているものを買うようにしています^皿^ ありがたい事に物流はいつも通り動いているけれど、緊急事態宣言が全国に出され、今後どうなっていくか不透明なので、まずは地元を応援したいな、と(要するに、自分の家を応援したい/笑)

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そんな牛乳と「かんてんぱぱ」(伊那食品工業株式会社)の製品で簡単デザートを作った写真です^^
ポットのお湯と牛乳と、粉製品を混ぜるだけの簡単クッキング! 特に牛乳寒天は冷たい牛乳とまぜるとすぐに固まるので、2層にして見た目ゴージャスに果物を入れるのもオススメです。写真は入れた果物をわかりやすくするため「かんてんぱぱ クール」(透明な見た目ですがサイダー味)を使用していますが、果物が無ければストロベリー味や青リンゴ味なんかが色的に綺麗です♪ コーヒーゼリー味に関しては、お好みでガムシロップを加えると甘くて美味しいドリンクにもなって、大人だけでなく、お子さんも楽しめると思います^^
既製品は結構甘いので、もし甘さの調節を自分でしたい方は、寒天粉末を溶かす方法で作るのもいいかもしれません。寒天独特の食感がより楽しめ、腸内環境にも良さそうです^^b

まだまだ先の見えない状況が続きますが、そんな中でも食事だけは毎日必要です。在宅勤務や外出自粛で運動しなくてお腹空かないよ~って方! ラジオ体操を女性なら3回、男性なら5回、しっかり行うと効果的だそうです^O^ 定期的に体を動かしリフレッシュして、牛乳を使ったデザートプラスの食事で、少しでも健やかにお過ごし下さい♪

 

精一杯生きてくれました

ゆきさん農事録

 

最後の話題は、この写真です。
3月は新人さんのお産が4件続いていたのですが、そのうち最後の1頭が羊膜を被ったまま生まれてしまい、おそらく、発見が遅かったんですよね。もう十数秒・・・数秒でも早かったら結果は違って居たかもしれませんが、酸素吸入で命は助けることは出来たけれど、何か後遺症が残ったのか自力で立つこともミルクを吸うことも出来ず、写真の様に体を吊って支え歩く練習もさせたのですが、結局生後4日目に亡くなってしまいました。

先の3頭が新人さん特有の時間のかかるお産で、足が見え始めてから助産をし、実際に生まれるまでかなり差があったので、この4頭目の子の足が見え始めたときも、酸素や新聞、一輪車など必要な物を用意しに全員が一瞬その場を離れたのですが、本当に、その僅か数秒で生まれてしまっていて。多分。発見がもう数秒遅ければ、助けようとは思いませんでした。でも、助かると思って助けてしまったんですよね。3件続いて4件目もそうだろうという慢心の結果、生まれて4日間、自分で体を思うように動かすことも出来ず、本当に可哀想なことをしました。
死んでしまった子の写真を載せるのは迷ったのですが、私自身の戒めのために、失礼します。

 

「積ん読書」を減らそう

ゆきさん農事録

ゆずちゃんとうりちゃん

さて。
自粛自粛で何かと肩が凝りそうな毎日ですが、皆さんは何をして過ごされていますか? 私はと言えば、写真ではのんきに寝ているゆずちゃんですが、右の犬歯を根元から折ってしまい慌てて病院に連れて行ったり、黒ちゃんが去勢手術をしてエリザベスカラーを取れ、と猛抗議しているのをなだめすかしのお世話をしつつ、今年の目標「積ん読書を減らそう」を着実に進めています^v^b 根がインドア派なもので、有り難いことに出歩かない事が苦じゃないんですよね(笑)漫画に小説、図鑑にエッセイ、今のところ平均すると1日1冊程度を余裕でクリアしているので、今後も継続していきたいです。
ちなみに、本屋さんは「まとめ買い大歓迎!」だそうです^皿^ 皆さんもぜひ、外出自粛のお供に本を一冊、いかがですか?

ゆきさん農事録

 

今回のコロナ禍は祈って願ってどうこうなる物でもない、自分自身の行動が鍵です。新緑の気持ちの良い季節になってきてついつい出歩きたい気持ちにもなるかもしれませんが、遠くない将来の自分たちのために、まずは今の自分が、正しい行いをしましょう^^*

では、また♪

ゆきさん農事録

 

この記事を書いた人

片桐由貴さん

伊那谷をまっすぐ南に向かって流れる天竜川流域の牛舎で、仕事と趣味、どちらも楽しむという片桐由貴さん。大学卒業後「やっぱり牛が好き!」と、家族の営む酪農に就農して12年。80頭ほどの牛たちと、ペットの羊2匹、猫5匹と過ごす日々を綴ります。

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