片桐さんの農事録
[片桐さんの農事録]

みなみ信州発☆羊と暮らすゆきさんの農事録 第44回

ゆきさん農事録

 

こんにちは!^^*
夏は暑いものと分かっていますが、今年は随分と暑すぎる夏でしたね><; 過去形にするにはまだ残暑が控えていて早すぎるでしょうか。連日の35℃超えに牛もーだけでなく人間もダウン寸前! というこのひと月、皆様いかがお過ごしでしたか?
母が漬けた梅酒が飲み頃になってきたものの、もともとお酒はあまり得意でない上に、暑さのあまり、がぶがぶ飲むのは麦茶か牛乳かスポーツドリンクか、で全然味わえていません><;

 

東海4県でトップの乳質でした!!

ゆきさん農事録

 

所で私、大分恥ずかしい勘違いをして居たのですが!(笑)
6月の農事録の段階で、「今年は東海酪連の乳質成績トップ10には入れなかった」的な事を書いたのですが、実はその選定があったのは7月の半ばで、今年も無事に入賞出来ていました~!! ・・・それどころか、なんと!! トップだったんです! 東海4県の酪農家の中でトップの乳質だったってことですよ!(しつこい/笑)

と、今でこそ喜びを噛みしめていますが、連絡を頂いたときは「優秀賞」の表記に今年も10位以内に入れてよかったな~位の感覚で(笑)
表彰式まで2週間を切っていてヘルパーさんは取れないだろうし、名古屋は40℃近いっていうし、去年も行ったから今年はいいや...とスルーしていたら、組合の後輩君から「東海トップおめでとうございます」と連絡が入り、初めて1位だと気付いたわけです。しかも、満点で!(2位以下は優良賞で、確認したら去年の賞状にもちゃんと優良賞って書いてありました 笑)

ゆきさん農事録

 

そんなこんなで急なことではありましたが、去年は一緒に行ってくれた酪農ヘルパーの友人が急遽ヘルパーに入ってくれたので、たまたま仕事が休みだった妹に付き合ってもらって、東海酪連の総会の中で行われる表彰式に参加し、人生初の「謝辞を述べる」を経験してきました^▽^!
農業者が様々なことを発表する若人のつどいで何年か司会をさせて頂いたり、高校生の前でちょっとした授業をしたりと、仕事に関してはそれなりに人前で色々やってきているので、もう緊張することはないだろうと思っていたのですが、意外にも開始前に2度、緊張でトイレに行った自分が新鮮でした(笑)
写真は、そんな緊張で地味に顔が強張っている私です(笑) 日本農業新聞でも写真入りで記事になっていて、見た人から連絡を頂き嬉し恥ずかしといった所で...。

ゆきさん農事録

 

ちなみに、謝辞の内容は2017年6月の農事録「きれいで安心な牛乳」のために。の部分をメインにまとめてみました。私の拙い謝辞を聞いているつもりで、もう一度読んでいただけたら嬉しく思います^^* 
長野県からは我が家を含め7戸の酪農家が入賞していたのですが、長野県内の乳質成績上位表彰は3位までなので、東海酪連の10位に入るよりも、長野県で表彰してもらう方が難しいんですね(笑)レベルの高さは誇らしいです^^*

 

「現状維持は退化の始まり」?

ところで。
一昨年は765戸あった酪農家数、昨年は725戸まで減っておりました。
偉い方のスピーチの中で、飼料高や後継者不足、そして豪雨や猛暑という異常気象に酪農経営は常に厳しい状態にあり、せめて、本当にせめてでも「現状維持を」という言葉がありました。(猛暑で乳量減というニュースを今年は何度も目にしているので、皆さんにも多少危機感を持っていただけているかもしれませんね)

「現状維持は退化の始まり」という言葉を以前見たことがあり、大学生の頃に牛海綿状脳症(BSE)、就農してからも口蹄疫などで現状維持をするのがやっとだった経営を自分で経験しているので(むしろその頃は一年間懸命に働いても赤字で)、その一言が本当に苦痛だったのですが、最近になってでもやっぱり、現状維持が出来れば、一歩の後退と同じだけ、一歩を踏み出すチャンスだってあるのだから「退化の始まり」ではないんじゃないかなぁ...と思ってしまうのです。

酪農家以外の農家さんとも話をさせて頂いて、日本の農業を支えている「家族経営」という枠には限界がきていると感じることが多いのですが、今回表彰式後の懇親会で、酪農に関しては「ロボット搾乳推進派」という観点から色々お話を伺ってきました。ですが、先だった機関が今のような「きれいな乳質」に重きを置き、一定以下では罰金を払わなければならない現状では、その乳質にある程度の妥協がある搾乳ロボットによる効率化をメリットに挙げられても、乳代(稼ぎ)に対する投資の大きさもあり普及しないのでは。というのが正直な感想でした。
(これが先入観であれば打開したい所ですが、搾乳に関してはロボット派とミルカー派(人の手)との意見が割と平行線に感じるので、今はまだ決定的なメリット・デメリットが存在しないのかもしれません)

機械化に成功している部分も確かに目にします。それでも、農業の多くは最終的には、知識や経験を積み重ねた人の手によるものが大きいと感じています。実際我が家も、今の経済力でロボットを導入するために施設設備を新しく整えるよりは、使っていない家があるので、そこを利用してもらい従業員さんを雇った方が早いのでは...? と思っているのですが、大型動物相手の仕事は相性もあるし、金銭や休日の問題など個人ではなかなか実現化は難しく足踏みしています。あ、我こそは! とか立候補してくれる人が居たら言ってくださいね(笑)

謝辞でも、その後の懇親会でも(あと、過去の農事録でも)お話ししましたが、今回乳質成績トップを頂いてはいますが、我が家はこれといって特別なことをしているわけではありません。
搾乳手順は大学時代実習で教わったような教科書通りの基本的なもの。そんな毎日普通に行っている仕事で思いがけず賞を頂いたりして、役員にならない限り縁のなさそうな総会に行ってみたり、ついでにグリコさんの副賞が嬉しいです! なんてメーカーさんご本人に直接お礼も言えたりして(笑)。そして、当日が過ぎれば終ってしまいそうなことを思い返しながら記事にし、皆さんに報告できる場所があって。そうしたときに、毎日のあれこれで置いてけぼりになってしまいそうな事柄を拾い上げて考える時間が持てるというのは、今月何書こうと悩む煩わしさと同時に、ある意味ありがたいことなんだなぁと気付く次第です。

4年目も半ばを超えた農事録ですが、変わらずに読んでコメントを下さる方の存在にも感謝しております^^* 内容どころかお返事までもいつもマイペースですが、今後もよろしくお願いします♪

ゆきさん農事録

 

今回の名古屋行きでは暑さのあまり駅ビルから出る気になれず、しかも頂いた二つの額入り賞状が重たすぎて(あと、今年も別組合の組合長さんが名古屋土産を持たせてくださったので)、妹がフィギュアスケートのファンということもあり、羽生結弦展だけを見て早々に帰ってきました^^* 羽生選手の軌跡は素晴らしくて、過去の演技を思い出しては感動しまくりでしたが、それにしても、暑すぎるのも寒すぎるのも困りものですね><;

 

「いいだ人形劇フェスタ」へ行ってきました!

ゆきさん農事録

 

さて、今月はとりとめもなくダラダラと書いてしまって長いのですが、先月書いた人形劇フェスタの事を少しだけ^^*
飯田は20日間近く35℃以上の日が続き、我が家の辺りでは台風の雨も全く影響なく、ひと月近く通り雨もなかったので、本当の本当によく牛もー元気に生きててくれるなぁ;;という状態だったのですが(それらの奮闘は来月暑さも収まっていると思うのでまとめて記事にしますね!)、人間の方は牛乳を飲んでも根性なく、空調の効いた有料公演だけを観に行くという金にものを言わせた(笑)人形劇の楽しみ方をしてしまいました。(人形劇フェスタの殆どの公演は700円の共通ワッペンをつけていれば見られるので)
お盆を挟んで待望の雨が降り、朝晩の気温が20℃を切り始めた今なら、晴天に恵まれすぎて中止になった野外公演など「あ~...もったいないなぁ」とも思えるのですが(笑)

写真は人形劇団むすび座のピノキオのキャストさんたちです。客席を巻き込んだパワフルな人形劇でとても楽しかったです♪ 今回私の見た中では、人形劇団ひとみ座の等身大の人形を使った2時間20分という大作リア王が圧巻でした。仕事の都合で演者さんと人形のお見送り前に出てきてしまったのですが(残念!)、長期間のフェスタを盛り上げ支えて下さった演者さん、実行委員、ボランティアの方々に感謝すると同時に、来年も素敵な人形劇に出会えるのを楽しみにしたいです♪

 

食欲の秋も健やかにお過ごしくださいね

ゆきさん農事録

 

「長野県のおいしい食べ方」でも散々紹介されていますね。松本ハイランドのスイカは本当に美味しいんです^///^* 皆さん、食べられたことありますか?
私はもう何年も前からスイカを買うときは松本ハイランド! って決めているのですが、...一番暑くてスイカが食べたいときに他県産ばかりで、今年は全然売っていませんでした;; 表彰式でお会いした別組合の会長さんに嘆いたら、今年も地元のスイカを送って下さって、美味しくてほんっと生き返ったのですが、松本ハイランドのスイカがあまり食べられなかった事だけが心残りです...なんて、ちょっと恨みがましいけど、食べ物の恨みは怖いっていうし、仕方ないですね(笑)

暑さ寒さも彼岸まで。
今年はまだ寒かったころからずっと、昔からの言葉通りにはならない気候が続いていますが、人間も牛もーも、一番の暑い時期を乗り切ったこれからが夏バテシーズンです。もう暫く体調管理には気を抜かず、元気よく食欲の秋を迎えたいですね! ^皿^b

では、また♪

ゆきさん農事録

 

 

この記事を書いた人

片桐由貴さん

伊那谷をまっすぐ南に向かって流れる天竜川流域の牛舎で、仕事と趣味、どちらも楽しむという片桐由貴さん。大学卒業後「やっぱり牛が好き!」と、家族の営む酪農に就農して12年。80頭ほどの牛たちと、ペットの羊2匹、猫5匹と過ごす日々を綴ります。

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