【直売所レポート! No.05】
松川インター直売所「もなりん」(松川町)
収穫の秋、味覚の秋。秋といえば美味しいものがいっぱいですね。直売所に並ぶ農産物もバラエティーに富んでいます。レポート第5弾の今回は、長野県下伊那郡松川町のJAみなみ信州直営の松川インター直売所「もなりん」を訪ねました。
梨やりんごの産地・松川町に
愛らしい名前の直売所がオープン!
中央自動車道の松川インターを降りて直進で約400m、右手に「もなりん」があります。今年8月14日にオープンしたばかりの新しい直売所です。
「もなりん」って、愛らしい名称だと思いませんか?
松川町は、中央アルプスと南アルプスの間を流れる天竜川が形成する扇状地と広い河岸段丘の町。水はけや日当たりが良く、さらに昼夜の寒暖差が大きいため、果物の栽培に適した地域です。なかでも桃と梨とりんごは、この地域の主要3品種です。 もう分かりましたよね?
そうです。
「もなりん」とは「もも・なし・りんご」の頭文字を取ったもので、公募により決められました。子どもからお年寄りまで親しみやすく、響きも良いので好評です。
色とりどりのフルーツ
甘い香りに包まれて
それでは、さっそく店内へ。
果物の町を掲げるだけあって、売り場の半分近くを果実が占めているような印象です。9月いっぱいは梨やブドウ、りんごが中心。梨は上品な甘さでジューシーな「二十世紀」や、甘くて少し酸味のある「豊水」、南信州生まれの甘くて日持ちのする「南水」などが並びます。また、ブドウは粒の大きい「巨峰」や、皮ごと食べられる「シャインマスカット」などが人気です。
これからはりんごの品種も増え、お菓子作りに人気の真っ赤な「紅玉」や、信州生まれの「シナノスイート」「シナノゴールド」、そして11月に入ると王様と呼ばれる「サンふじ」が登場して、店内は今以上に甘い香りに包まれます。
熟度や糖度を測る最新機器で
おいしさの"保証付き"
「もなりん」に並ぶ梨やりんごは「味自慢なんですよ」と所長の小木曽重信さん。その秘密は「もなりん」の斜向かいにある「JAみなみ信州選果場」の光センサーを通過した果実を扱っているからです。
光センサーとは果実の形や熟度、糖度を測定する機械のことで、ここで甘みが十分のっていることを判定された果実が市場へ出るほか、「もなりん」にも並びます。贈答用はもちろんのこと、少し形が悪かったり、大きさか揃っていなかったりする自家用も、おいしさの"保証付き"というわけです。
技術員の原田勇さんも「今年は一部地域で雹の被害はありましたが、大きな自然災害もなくおおむね順調でした。南水の糖度は14度と味も良いですよ」と話しています。
選果の様子
光センサー
9月の晴天で甘みも十分
お目当ては午前中に!
生産者のひとり、宮下光一さんの圃場を訪ねると、妻の美智子さんと「豊水」の収穫中でした。宮下さんの圃場は標高700m。「8月は日照時間が少なく雨が多い日が続きましたが、9月に入ってからは晴天が続き、甘みを挽回したようです。味は良いですよ」と良好の出来とのこと。伺った時は「豊水」の収穫中でしたが、今週からは「南水」が収穫期を迎えるそうです。ちなみに「南水」は長野県南信農業試験場で生まれた交配種で、1990年に品種登録されました。
宮下さんはりんごの栽培もしており、「つがる」「シナノスイート」「サンふじ」の順に収穫作業と、多忙な秋が続きます。
「もなりん」に農産物や加工品を持ちこむ生産者は約220軒。野菜や果物のほか、中には"きのこ名人"もいて、雑キノコやマツタケが並ぶこともあります。他の果実もそうですが、人気商品は午前中には売り切れということも多いので早めに出掛けることをおすすめします。
世界が認めた三つ星スイーツ
「りんご乙女」もどうぞ
また、今年「iTQi国際優秀味覚コンテスト」で6年連続三つ星を受賞しているお菓子「りんご乙女」も販売しています。
「iTQi~」は年に1回ベルギーで開催される味覚に特化した食品コンテスト。著名なシェフやソムリエが審査員となり、世界中から集まる食品の味や香り、見た目などを評価するものです。
「りんご乙女」は、JAみなみ信州管内のりんご生産者の圃場で摘果されたりんごなどを使った薄焼きのクッキーで、高森町の土産品製造卸会社「マツザワ」が販売しています。丸ごとスライスしたりんごと、すりおろしりんごを入れたクッキー生地が調和して、甘さの中にほのかな酸味とりんごの香りを感じるお菓子です。お土産にいかがでしょうか。
JAみなみ信州直営
松川インター直売所「もなりん」
- 下伊那郡松川町大島2181-1
- TEL 0265-34-1256
- 営業時間 9時〜18時
- 定休日 無休(年末年始、2・3月休業)
※変動する可能性がありますので、詳細についてはお問い合わせください。