皆さん、桃はお好きですか?
今回の農事録では、皆さんが大好きな"桃"をピックアップしていきたいと思います。
日本の盛夏を代表する果物の一つである桃は、古くから人々に喜ばれてきました。
食物繊維、カリウム、ビタミンC・Eが豊富で、暑さで疲れた胃腸を整えたり、日焼けなどでダメージをうけた肌に良い効果がある食品です。
桃の魅力、千差万別
三井農園では、7月末から9月半ばまでの約2カ月間、7種類の桃を収穫いたします。それぞれ、香り、果肉のかたさ、果汁の量など全て違います。
個人的には、ここに日本のフルーツの良さがあるなと考えていて、かたい桃が好きな方もいれば、やわらかな桃が好きな方もいらっしゃる。
限られた場所で、こうした細かなニーズに応えれる品種は世界ではあまりありません。
今年は白鳳に新しい袋をかけてみました
話が少しずれてしまいましたが、7月末に収穫になる「白鳳(はくほう)」は、「THE 日本の桃」とも言える、老若男女に愛される品種です。
口いっぱいに広がる甘い果汁は多くの人をとりこにしてしまいます。
その次に収穫になるのが、「あかつき」です。
白鳳とは異なる、もちもちとした独特の食感があり、日持ちもします。酸味が少なく、お子様に大人気の品種です。
上記の2品種は果肉が白い白桃になります。
実は桃には果肉の色が黄色になる品種もあります。生食ではあまり出回っておらず、缶詰めなどで見かける事が多いかもしれませんが、この黄桃は是非一度、生で食べていただきたい。
というのは、同じ桃ではあるのですが、違うフルーツに感じるぐらいのインパクトがあるからです。
美しい秘味黄桃...
三井農園では8月から収穫が始まる「秘味黄金(ひみおうごん)」から黄桃が始まります。
深みのある甘みと絶妙な酸味。そして、マンゴーのような舌触りともたとえられる、果肉の柔らかさが特徴です。
その次に収穫になるのが「滝ノ沢(たきのさわ)ゴールド」です。
こちらの品種は何といっても果汁です。甘酸っぱい果汁が溢れ出してきて、手が止まらなくなります。
ここまで書かせていただいて...よだれが止まらなくなりそうなくらい、私自身桃好きという事を再認識しました...
ちなみに、白鳳、あかつきは親子関係で、あかつきのほうが子供みたいになるんですが、「親子でこんなにも違うの! え、本当に親!?」となるレベルです。
このあたりの桃の品種改良の相関図は、広げていくとものすごく面白く、人気ドラマ「渡鬼」の相関図を彷彿させるような広がりをみせてくれます。
色づき始めた川中島白桃
お盆を過ぎると、三井農園の大本命「川中島白桃(かわなかじまはくとう)」が収穫になります。
大きさ、香り、甘さ、全てにおいて万人の高評価を得る、この品種はまさに桃のKINGです。
黄桃は収穫まで袋をかぶせておくので、赤くなりません!
同時期に収穫になるのが黄桃の「黄金桃(おうごんとう)」です。
滝ノ沢ゴールドの親にあたる品種なんですが、こちらも大きさ、果汁、甘さ、酸味がgoodで、本当にリピーターの方が多い品種です。
とまあ、ここまで品種について書いたのですが...。
収穫シーズンは朝4時から8時、夕方4時から6時までの時間帯しか収穫が出来ない為、かなり殺伐とした時間に追われる生活になります。
(果実温度が高くなる時間帯は、収穫後に熟すのが早くなってしまったり、また傷なども増えるので)
今年は7月の雨で土壌水分過多、梅雨明け後の高温で一気に生育が進み、例年以上にスピードを求められました。
また病気やみつ症という、急激に糖度が上がってしまい果肉変色を起こす症状がでるなど、品質コントロールも今後の課題になりました。
しかしながら、「やっぱりおいしいねー!」「桃が食べられて夏が来ました」というお言葉をいただけるとヨッシャー!となりますし、また育てようとなります。
収穫が終わるとすぐに肥料散布です!
そんな私、実は今病院のベッドの上でこの原稿を書いております。収穫をしながら、なんか脇腹痛ーな、なんて思っいたら、虫垂炎でした。
収穫のピークはなんとか終わっていたので、何とかなりましたが、ギリギリでした(笑)
次回の農事録はしっかり畑から書きたいと思いますので、是非次回もよろしくお願いします。