飯島さんの農事録
[飯島さんの農事録]

仲間と楽しく、農業を。飯島さんの農事録 第9回

明けましておめでとうございます。

昨年末から再びコロナウイルスが私たちの生活を脅かすようになってしまい、年末年始の帰省はもちろん、初詣も自粛をしなくてはならないような、今までにない年明けとなってしまいました。
でも、ご自宅でご家族とともに楽しく2021年を迎えられた方も多かったのではないでしょうか。もちろんそこには美味しい食事も。
そんな皆さんに、今年もJA信州うえだの美味しい野菜とお米を食べていただけるよう、努めていこうと思いますので、よろしくお願いいたします。

さて、この「農事録」に何年も書き続けていた方数名が、それぞれの事情で卒業なさるようですね。私の場合は編集の方から「もう書かなくていいです!」と今のところ言われていないので、もう少し続けさせていただこうと思います。
内容については未だ手探りなところがありますが、「農事録」と言うことですので、今まで通り私の身の周りで起こったこと、今やっている農作業、そして地域での出来事をそのままお伝えすることにしたいと思います。もちろん何か知りたいことがあればコメントしてください。できる範囲でお答えしようと思います。

 

2021年の元旦に

飯島さん農事録

 

大晦日と三が日くらいは、仕事をしなくても罰は当たらないであろう、とのんびりしていると、近所の仲間から電話が...。それは「スキーに行くぞ!」という内容でした。初日の出ならぬ初スキーに行ってきました。
なんと、ここ上田市武石地域には「番所ヶ原スキー場」があるのです。農事録を思い出して急遽リフトから写真を撮ってみたのですが、見ての通り滑走面も狭くリフトも2本しかない小さなスキー場であるため、初めて名前を聞く方も多いと思われます。
そのうえ昨年は台風19号の被害に遭いお休みだったこともあり「元旦だし、知名度の低いスキー場だから人も少ないであろう」と思っていたのですが、家族で来られていたり、県外からのお客様がたくさん遊びに来ていてビックリしました。
ちゃんと滑れたかって!? 二日後くらいから筋肉痛でした...。

 

地道な作業

飯島さん農事録

 

さすがに大寒のこの時期ともなると青々とした作物の姿は全く見られないのですが、作業は行っているのですよ。
枯れたアスパラの茎葉を燃やし切った12月頃から「武石ふれあい」のいつもの皆さんにオガクズを入れてもらっています。オガクズは、ブナシメジなどのキノコの菌床として使われていた物を運んでもらっています。その数はあおり付きの2t車で80台。これを一輪車を使って畝の両脇に運んでもらっています。量が多く単調で地道な作業なのですが、寒い中でも一生懸命やっていただいています。

これを投入することで良いことは、

・雑草が出にくい
・泥が跳ねることが少なくなることで病気が軽減される
・有機物として蓄積し、後の肥料分となったり、土壌の物理性が良くなる
カブトムシがたくさん採れる(笑)

といったことですが、逆に気を付けなければならないこととしては、

・C/N比(炭素率)が高いためたくさんの肥料が必要となる
・オガクズの酸度が高いため、酸度矯正が必要となる
・ネズミやモグラが多くなる

などが挙げられます。
あっ、「C/N比って何ぞや?」って思う方もいらっしゃいますよね。
「C/N比」は農業用語で、有機物などに含まれている炭素(C)とチッソ(N)の比率のこと。20を境に大きい小さいを区別するようであり、畑の土は12くらいなんだそうです。この数字が小さい土壌改良資材や肥料は、微生物が有機物を分解するときに窒素が放出され、肥料などになります。逆に大きいと土の中の窒素が微生物に使われてしまうので、そもそも畑にあった窒素肥料分がなくなってしまうことになります。
参考までに、もみ殻は75くらい、コメ糠は20くらい、何も処理されていないオガクズは600くらいが真ん中で、状態や物によって違いが大きく、私の使っているオガクズはキノコを栽培した後の物なので33くらいです。

 

ハウスを建てる

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以前からアスパラには「病気は大敵!」であることをお伝えしているわけですが、この病気を少なくする方法の1つとして、雨に当たらないようにするというのは大事なことです。そのためビニールハウスでアスパラを覆うことは非常に効果的です。毎年この時期に数棟ずつ建て続けています。

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3年前くらいに、使わなくなったビニールハウスを解体させてもらうことで、その部材をいただくことができたので、昨年からその中古資材を使って建設をしています。今は建設のための下準備。錆ついて腐食している箇所もあるので、それらの手直しをしているところです。この原稿を出す頃には建て始められるかなぁ...。

 

先輩方とともに

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こちらは先月お伝えし忘れたのですが、毎年12月も中旬ごろになると、地域の農家の先輩方が集まって「ハム作り」をされており、私も参加させていただきました。
数か月前から塩漬けにしておいたものを慣れた手つきで適当な大きさに切り分けてくれます。この後が私の出番となるのですが、サラシを巻きタコ糸でグルグルと締めるのです。それが終わると一晩かけて燻煙します。

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この作業にはここ3年ほど参加させてもらっているのですが、作業中は雑談で笑いにあふれていてとても楽しいのです。そして何よりお店に売られているものよりもずっと燻製の香りがよく美味しいですよ。

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お正月明けの人間ドッグは...

年末には感染症予防対策をしながら上田市消防団の恒例の年末夜警がありました。この時から暴飲暴食が始まってしまい、年始にはもちろん呑んで食べて寝るになるわけであり、ただでさえ多い体重が一段と多くなったわけです。しかし、この時期にしか行けないからと昨年から予約していた人間ドックに行ってきました。「おっ、これはいい数字!」と言うのと「あぁ、これは完全に体重減らさないと...」という数字がはっきり出てしまいました。
コロナウイルスが入ってこないよう感染症予防をキッチリ行わなければならないとともに、そもそもの健康状態にも気を付けたいものです。そのためにはやっぱりバランスのとれた食事が大事ですよね。そこには長野県の、特にJA信州うえだの作物を使っていただきたいなぁ。
今年もよろしくお願いいたします。

 

この記事を書いた人

飯島正行さん

農業を行っている会社や農業に携わる組織で仕事をしていた飯島正行さん。そこで培った経験から「自分で農業がしたい!」と、上田市武石で就農して5年目になります。武石は水も気候も農業に適しているし、何より若手が多くにぎやかなのがいい!青年部の仲間とともに楽しい農業を目指します。

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