元製薬会社勤務。ビールが大好きユーマです!
はじめまして! 信州、上田市の山奥で花農家を営んでいます齋藤由馬と申します。平成元(1989)年8月生まれ、おとめ座のB型です。今年で就農して5年目です。
就農する前は製薬会社に勤め、東京と静岡で医療用製剤を造っていました。やりがいのある仕事だったのですが、自宅のアパートと会社を往復するだけの毎日に「このまま定年まで勤めて、何が残るだろうか」と思い、自然が好きで農家の長男だった私は、故郷の信州で農業をしたい、という気持ちが日に日に大きくなっていきました。
あるとき実家の父に相談すると、「地域にはもうお前と同じくらいの若者はいないし、農業はこれから衰退していくからやめておけ!」と、とんでもない事を言われました。確かに今でこそ様々な場所で国内の農業が再び注目を集めていますが、帰農前の当時は3K(きつい、きたない、かせげない)産業と呼ばれるほど、農業の悲観的な将来を思い描く人が、父を含めて多かったのです。
しかし、この言葉を聴いた瞬間、私の中で「本当にそうだろうか。稼げない方法とは逆に、稼げる方法もあるんじゃなかろうか」。そんな考えがスパークしました。自分が生まれ育った地でずっと生活できるように、農業を生業にするためにできることがまだまだあるはずだ。絶対あるはずだ! 父に相談したその日その瞬間、私は就農を決めました。現在は父とともに、日本の真ん中、長野県上田市で花作りを行っています。
帰農してから、冬場は地元の酒蔵で蔵人として酒造りをしています。元々はビールが好きなのですが、ビールも日本酒も穀物が原料の醸造酒だ! という理論で、酒造りの現場を見ながら農産物の二次加工も勉強しています。
花農家なので食べ物の紹介は少ないかもしれませんが、自分なりに農業のこと、地域のこと、その他興味をそそられる様々なことを掲載していきたいと思います。農業をベースに毎月楽しい内容にしてお届けしたいと思いますので、よろしくお願いいたします!
桜吹雪も美しい「上田城千本桜まつり」へ、ぜひ!
さて、第1回目は、いま話題の大河ドラマ「真田丸」の話題から始めたいと思います。劇中の舞台のひとつ、上田城―上田城址公園にて、この時期に毎年行われるのが「上田城千本桜まつり」です。今年も4月17日までライトアップが行われ、時間にとらわれずに園内の桜を眺めることができます。現在(4月10日)は満開で、これからは丁度散り始めた花びらの桜吹雪を眺めながら、上田の地に息づいていたもののふに思いを馳せるのも風流なのではないでしょうか。上田を訪れた際はぜひ訪れてみてください。
「悲しんでいるあなたを愛する」
さて、なんの花言葉でしょう?
リンドウのビニールトンネル
そんな春の行事が行われている中、我が圃場ではリンドウ栽培が進んでいます。6月中旬から出荷が始まりますが、いまの時期ビニールトンネル内の草とり、苗の間引きに大忙しです。私の住んでいる上田市丸子地域は長野県で一番はじめに園芸用リンドウが栽培された地域のひとつで、むかしから広くリンドウが栽培されていました。現在は、生産者の減少により私の家も含めて2軒しか残っていませんが、今でも全国の市場から多くの注文をいただき、花の発色、ボリューム、花のもちの良さ、どれを取っても全国に通用する品質だと、手前みそですが実感しています。
リンドウの花言葉は「悲しんでいるあなたを愛する」「誠実」で、涼やかでどことなく憂いをおびたような表情を感じさせるこの花は、いま見ごろの桜と同様に日本人の心の琴線にふれるものです。夏はまだまだ先ですが、暑いときにこそリンドウを一輪、花瓶に飾ってみてはいかがでしょうか。きっとリンドウが原生している高原に吹くそよ風のような、涼やかな気持ちにさせてくれると思います。
次回はリンドウについてもう少し詳しくお話しいたします。