岩垂さんの農事録
[岩垂さんの農事録]

オレさまの安曇野 風雲 農事録 連載第20回

連載※長野県安曇野市三郷(みさと)地区で、農家家業をついでリンゴを作りはじめて6年目の岩垂和明さん(41歳)が、幾多の押し寄せる誘惑や困難を乗り越えて時として風雲急を告げる月々の農事を綴ります。



ciao-hi.gif

ャオ!
(こんちは!@イタリア語)

しい残暑も収まりつつある今日この頃、
ようやく秋の気配を
感じられるようになりました。

fuuunroku_sept_1.jpg

りんごが色づく秋。(品種:サンつがる)


ところで、

「秋」と言えば、、、
スポーツの秋。

イタリア人監督
アルベルト・ザッケローニを迎えた
サッカー日本代表「ザックジャパン」。

いよいよ始動ですね!

ザッケローニによって
今後の日本代表がどう変わっていくか。
ザックジャパンの活躍に注目です。

そして「秋」と言えば、、、
やはり

食欲の秋

でしょう!

おいしい秋の味覚を食べた後のデザートには
ぜひ「安曇野のりんご」を、
よろしくお願い申し上げます。
m(__)m

fuuunroku_sept_2.jpg

シナノドルチェ、只今収穫中!
(「ドルチェ」とはイタリア語で「デザート」を意味します)


て、

9月になり、りんごもいよいよ収穫期を迎え、忙しくなる・・・はずでした。


・・・「はず」でした???    

harvest.jpg
(ほんとに収穫の秋なのか?)

いや、実際問題として8月末から始まった「サンつがる」の収穫は忙しかったのですよ。でも、その様子はいつもとちょっと違った感じなのです。

何が違うかと言うと、

いつもの時期になってもなかなか色が付いてこない。

当たり前です。

りんごというものは秋になり、朝晩が涼しくなってようやく色づき始めます。ところが今年は、8月末どころか9月頭になっても暑い日がつづき、まるで真夏のような気温。

fuuunroku_sept_3.jpg

暑かったねぇ

これじゃぁ、りんごだって秋が来たとは思いませんわ。

色づきが悪い中、それでもなんとかサンつがるの収穫は終了。

しかし、今度はそれに続く品種が色づいて来ません。なかなか思ったように仕事が進まないのですよ。(*_*)


月も後半に入り、季節がようやく秋らしくなってきました。そして、それにともない、つがるに続く品種も徐々に、色づいてきました。

昨年より1週間から10日ほど遅れただろうか・・・

今収穫しているのは、、、

冒頭でも紹介したシナノドルチェ。

fuuunroku_sept_4.jpg

このりんごは、最近の品種には珍しい「酸っぱさ」に特徴がある品種です。最近は甘いりんごばかりが多くなり、酸っぱいりんごは嫌われがち。シナノドルチェはそんな中、あえてその「さわやかな酸味」と濃厚な味を武器にがんばっています。

ただ、生産量がそれほど多くないので、残念ながら街で見かけることはまだ少ないかと思います。

そしてこの記事が出るころに収穫しているのは、、、

トキ。

fuuunroku_sept_5.jpg

これがトキ

こちらはシナノドルチェとは逆に「甘さ」に特徴がある品種。見た目はいまいちですが、一度味わうとそのうまさに皆驚きます。

こちらもまだまだ生産量が少ない新しい品種なので、街で出会うのは難しいかもしれません。


てさて、

10月に入ると、いよいよ大人気品種のシナノスイートの収穫が始まります。

fuuunroku_sept_6.jpg

Red Shinano Sweet!

このシナノスイート、今となっては「甘いりんご」の代表選手になりました。

みなさん大好きな味ですね。(^^)v

また、キレイな黄色のシナノゴールドも出てきます。

fuuunroku_sept_7.jpg

Yellow Shinano Gold!

甘さと酸っぱさのバランスが絶妙なシナノゴールドの濃厚な味は、ぜひ一度味わってもらいたいものです。

シナノスイートやシナノゴールド、そして、個性的な色と味の秋映(あきばえ)など、10月は個性的な品種が目白押しですよ!

fuuunroku_sept_8.jpg

秋映の色は赤を通り越して黒に近いのだ

みつけたらぜひぜひ食べてみてくださいな。



業は自然相手とは言え、この9月中盤までつづいた真夏のような暑さは、本当に体にこたえました。

こんなに暑い中で、りんごの収穫作業を行ったのは初めてです。

fuuunroku_sept_9.jpg

「こんな暑い日は葉っぱの影に隠れて・・・っと」

一方、りんごは、ここまでの品種はすべて、例年に比べ遅れ気味になっています。それでも、最近になって一気に涼しくなってきたので、これからの品種は徐々に例年に近付いてくるかもしれません。

そうなると、入りが遅れた分10月以降の後半戦は忙しくなるなるだろうなぁ。(*_*)

ま、、、しょうがないですね。(^_^;)

お天道様にはかないません。

自然相手ゆえ、行きつくところは、あるがまま、なるがまま。

ただその時のできる限りを尽くすのみです。

そうすれば、存外結果は着いてくるような、そんな気がしますね。

そう思って、いよいよ秋らしくなった10月を、がんばって走りぬけて行きたいと思います。


ということで、

今月はこの辺で。

信州は秋らしくなったと思えば、

すぐに、冬の声が聞こえ始めます。

急に寒くなりました。

みなさんもお体に気をつけて!


では、また来月に!      

ciao-bye.jpg

チャオ(^_^)/~
(バイバイ@イタリア語)



バックナンバー

● オレさまの安曇野 風雲 農事録 #19 - #1


あわせて読みたい

● I'm a farmer!(岩垂和明さんの個人ブログ)

この記事を書いた人

長野県安曇野市三郷(みさと)地区で、農家家業をついでリンゴを作りはじめて8年目となる岩垂和明さん(44歳)が、幾多の押し寄せる誘惑や困難を乗り越えて時として風雲急を告げる月々の農事を綴ります。

記事一覧へ
1285686000000

関連記事

オレさまの安曇野 風雲 農事録 連載第44回
岩垂さんの農事録

オレさまの安曇野 風雲 農事録 連載第44回

オレさまの安曇野 風雲 農事録 連載第32回
岩垂さんの農事録

オレさまの安曇野 風雲 農事録 連載第32回

オレさまの安曇野 風雲 農事録 連載第21回
岩垂さんの農事録

オレさまの安曇野 風雲 農事録 連載第21回

オレさまの安曇野 風雲 農事録 連載第10回
岩垂さんの農事録

オレさまの安曇野 風雲 農事録 連載第10回

新着記事