岩垂さんの農事録
[岩垂さんの農事録]

オレさまの安曇野 風雲 農事録 連載第7回

連載※長野県安曇野市三郷(みさと)地区で、農家家業をついでリンゴを作りはじめて5年目になる岩垂和明さん(40歳)が、幾多の押し寄せる誘惑や困難を乗り越えて時として風雲急を告げる月々の農事を綴ります。



ってっと、
そろそろ農事録の時期なんだけど。。。

「今月なにやったんだっけなぁ」と
思いつつ

・・・(遠い目)・・・

なんて、ゆっくりと物思いに
ふけっている暇は、
もうなくなりました。(*_*)

mr_iwadare_sepia.jpg

というのも、
8月終盤のこの時期は、

代表的早生品種「つがる」の収穫時期!!!

tsugaru_top2.jpg

オレらりんご農家にとっては、
今が one of the busiest season.

早生品種は足が早いので、
仕事もスピード勝負。
他の品種の収穫より忙しいのです。

あぁ、急がなくっちゃ!!!


と、いうことで

今はこのように忙しくしていますが、こう忙しくなったのはお盆も後半ぐらいから。

それ以前は、なにをやっていたかって言うと・・・

nephew.jpg早めの帰省でやってきた甥っ子(1歳半)に泣かれ、

(知らない人にも愛想が良いのに、何故かオレを見たときだけ泣き出すのだ。っていうかオレが泣きたいよ。TT)


matsumotobonbon.jpg久しぶりに参加した松本ぼんぼんで踊りまくり、

(松本ぼんぼん:松本で開催される夏祭り。とてつもなくキャッチーで耳に残るオリジナルソングに合わせて、連を作った参加団体が松本市内を踊りまくるイベント。毎年8月第一土曜日開催)


soccer.jpgサッカーして、

(一応サッカーのチームに所属しているが、最近は仕事が忙しくてなかなか行けないんだよねぇ)


license.jpg船の免許の更新をして、

(オレは1級船舶免許を持っていたりするのだ。( ̄^ ̄) イザとなったら漁師に転向も可能???)



・・・なんてことをしておりました。

この7月から8月前半というのは、りんご農家にとっては、比較的暇な時期なのです。

もっとも、最近では8月前半に収穫できる「極早生品種」なるものもあり、そういう種類のりんごを作りはじめたら、そうゆっくりもしていられなくなりますがね。(^^ゞ

8月にやるべきこと
さて、お盆に入ると、仕事はにわかに忙しくなってきます。

というのも、最初に書いたとおり、8月終盤には早生品種の代表「つがる」の収穫が開始されるからです。

収穫の直前には「葉摘み」という作業を行います。

これは、りんごの周りにある葉っぱを摘んで、りんごの色づきを良くするための作業。ただし、葉摘みのし過ぎは味を落とすことになるので、気をつけねばなりません。

真っ赤なりんごを作ることは、とても手間がかかることなのです。

tsugaru_apple.jpg

以前は、そうまでして手間をかけ外見にこだわることに抵抗を感じたこともありました。食べ物なのに、味を落とす危険性を冒してまで外見にこだわる必要性があるのだろうかと。しかし今では、日本人って言うのは舌だけではなく、目でも味わうことができる、そんな繊細な感性を持っている民族なんだと思うのです。

それってむしろ素晴らしいことなんじゃないかと。。。

そしてプロとしては、その期待に答えていかなくてはいけないのでしょう。

ところが、

そうまでして作ったりんごなのに、収穫の直前に悲劇が・・・( ̄Д ̄;)

sun_burn.jpg

りんごの日焼け。

日焼けは、30℃以上の暑い日が続くとなりやすく、かつ、特に葉摘みをした後は気をつけねばなりません。

軽いもの(オレンジ色程度のもの)であればまだ販売可能ですが、ここまでひどくなると出荷できませんね。(:_;)

寒冷紗(かんれいしゃ)という布をかけ、特に強い西日をガード。

guarding.jpg

これから9月10月11月と、りんご農家は収穫の時期を迎えます。

ここまで来るにも色々なことがありましたが、収穫してしまうまでは、まだまだこれからも色々なことがあることでしょう。ひとつひとつのりんごには、色んなストーリーが詰まっているのですよ。

tsugaru_Photo.jpg

りんごはなにも言わないけれど

それでは、オレは明日もまた、
ストーリーの詰まったりんごの収穫に
精を出したいと思います。

ということで、今月はこの辺で。

Catch you later.(⌒ー⌒)ノ~~~


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● I'm a farmer!(岩垂和明さんの個人ブログ)

この記事を書いた人

長野県安曇野市三郷(みさと)地区で、農家家業をついでリンゴを作りはじめて8年目となる岩垂和明さん(44歳)が、幾多の押し寄せる誘惑や困難を乗り越えて時として風雲急を告げる月々の農事を綴ります。

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