長野県の北部に位置するJA須高とJA中野市は、もともと日本有数のブドウ産地ですが、管内では全国的にも珍しい「巨峰」の2期作も行われていて、現在は「実りの冬」を迎えています。えー、冬にブドウ!? そうなんですね。それでは冬においしい巨峰が食べられるそのわけを、特別にお教えいたしましょう。2期作の巨峰は、毎年4月〜5月の初夏にまず1度目の収穫期を迎えます。収穫を終えるとすぐに剪定作業をはじめます。これが2度目の収穫に向けた最初の作業になります。本格的な夏になって花が咲き9月下旬〜10月ころになると、気温が下がってくるために、ハウスをかぶせ、さらに加温機を使ってハウスの温度を高く保ちます。そして12月の今の季節に2度目の収穫をおこなうわけです。もちろん収穫が終わるとすぐにまた剪定を始め、5月の収穫に備えます。
限られた生産者にしか作れない
普通ですとブドウは秋冬季には休眠という状態になります。休眠とは発芽のための条件が整っていない状態のことで、休眠が終わらないと発芽がはじまりません。巨峰の2期作ではシアナミドという休眠打破剤を年に1回使用して、休眠期間を短くしています。これにより2期作が可能になったといえます。しかし2期作栽培では果粒をいかに大きくするかが難しくて、誰にでもできる栽培方法ではありません。経験を積んだ、限られた生産者の皆さんの確かな技術があって初めてできるものです。また、2期作では1回あたりの収量が通常の栽培方法よりも落ちてしまい、生産者や関係者の皆さんは、収量をいかに上げるかに日々努力をしています。
JA須高自慢の「巨峰冬物語」は5年ほど前から栽培を開始しました。今年は農家4戸で75aを栽培しています。JA中野市の「ウインター巨峰」は平成3年から取り組みを始め、今年で13年目。こちらは3人の生産者で約40aを栽培しています。今年は例年より少し早く、11月28日から出荷が始まり、12月下旬ころまでJA須高は約6800kg、JA中野市は約3200kgの出荷を予定しています。
こちらは 2004.12.14 の記事です。農畜産物や店舗・施設の状況は変わることもございますので、あらかじめご了承ください。
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