信州のぶどうの代表格は全国一の生産量を誇る巨峰（「巨砲」ではありません！ 大いなる山の峰で「巨峰」と書きます）。その巨峰の今年の生育と品質調査によると、玉の肥大や着色・糖度とも「平年よりも良い」との調査結果が出ています。つまり、みなさん、それはとりもなおさず「今年の巨峰は大粒で甘い！」ということであります。長野県の巨峰は、長期出荷の体系が整っていますが、なかでも旬と言えば、露地ものが出回るこれから１０月まで。疲労回復効果などもありますので、暑かった今年の夏の疲れを癒す、宝石のようなおいしいぶどうをほおばり、心行くまで至福の時を楽しんでください。
これから１ヶ月が露地ものの季節
長野県における巨峰の栽培は、昭和２５年に山形県から苗木が導入されたのがはじまりでした。その後、花振い防止対策技術が確立されるとともに、大粒ブドウ消費時代の到来を先取りして、昭和４０年代前半には県の基幹品種として位置づけられ、以降順調に生産も拡大します。
生産量は長野県が日本一
昭和４０年代なかばからは施設化も進み、出荷期の拡大（前進と遅出し）と品質向上が図られました。現在では、４〜８月はハウス栽培のもの、９月になると雨よけ栽培のもの、９〜１０月は露地栽培のもの、１１〜１２月は冷蔵品と、長期出荷体系が整っています。長野県の栽培は、成木での栽培面積１,８２０ｈａ、生産量２５,１００トン（平成１７年産の最新データ）。この生産量は日本一を誇ります。主な産地は、中野市、須坂市、長野市、東御市、小布施町、山ノ内町などです。
健康機能性に優れる巨峰
巨峰に多く含まれるポリフェノール（普通のポリフェノールではなく「レスベラトロール」という構造が若干異なるのポリフェノール）は、悪玉コレステロールの酸化を抑制して動脈硬化を予防したり、心臓病をはじめとする活性酸素が関与する疾病の予防、発ガン抑制効果、抗アレルギー作用など健康機能性に優れているという研究発表があります。また一般的にブドウには、ブドウ糖や果糖が多くふくまれます。ブドウ糖液が点滴などに使われることからわかるように、人の体の中ですばやくエネルギー源となるので、疲労回復や病中病後の栄養補給には、もってこいの果実なのです。
ぶどうの来歴や品種、栽培の仕方について、詳しくはホームページ「毎日くだもの２００グラム！」の果物紹介のぶどうのページでどうぞ。
巨峰のプロからのアドバイス
巨峰を選ぶときのポイントは、巨峰の「軸」をチェックすること。その軸が緑色で弾力性があり、水気があるものを選ぶようにしたいものです。果皮が黒々としていて、果粒そのものがずっしりと充実していれば、まず大丈夫。逆に果皮が褐色になり、果粒がポロポロとすぐに落ちてしまうものは、残念ながら鮮度が落ちている証拠です。フレッシュな巨峰を冷蔵庫でよく冷やして、おいしくお召しあがりください。
長野県の巨峰にまつわる最新情報
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