日光を浴びることが大事
4月中旬にやってきたのは、長野県北部の中野市にある永沢誠一(えいざわ・せいいち)さんのビニールハウス。JA中野市サクランボ部会長である永沢さんは、9aの農地で32本のサクランボを栽培しています。
サクランボはまだ緑色です。
「ハウスサクランボはハウスの加温の開始時期で収穫時期が変わります。うちの場合は(2021年)2月10日から加温を始めたので、5月5日ごろ収穫予定です」(永沢さん、以下同様)
しかし、このままただ待っているだけで真っ赤なサクランボができる...わけではありません!
「赤くするにはサクランボ全体に日光を当てることが大事です」
日光が当たりづらいサクランボの下部や葉に隠れている部分にも日光を当てるために、2つの作業をします。
1つ目は反射シートを敷くこと。
サクランボの下に反射シートを敷くことで下から日光が照り返り、サクランボ下部にも日光が当たります。
2つ目は葉上げです。
サクランボの実が緑色から黄色っぽくなってきたら、サクランボ周辺の葉を輪ゴムでしばって持ち上げます。
「葉は光合成により養分をつくる役目があり大事です。しかし、葉があることで日光が遮られるとサクランボが赤くならないので葉上げをします」
単純な作業ですが、果実の周りの葉をすべて上げていくのは大変です。
サクランボは目線くらいの高さにあるので、ずっと腕を上げていないといけませんし、木の上のほうになっている果実は脚立に乗らないと届きません。
「サクランボ栽培で最も苦労するのが葉上げです」
ルビーのような真っ赤なサクランボは農家の努力の賜物なのですね。
サクランボの様子を見る永沢さん