リンゴのシーズンも終盤を迎え、長くリンゴの王様として不動の地位を築いている"ふじ"をよく目にするようになりました。みなさんはもう食べましたか?
ふじの中でも、信州の主力品種となっているのが"サンふじ"です。袋をかけずに育てた"ふじ"を"サンふじ"といい、区別しています。。。って、「美味しい食べ方」の読者の皆様には常識でしたでしょうか(^_^;)。
そして、人気種であるからこそ店頭に並ぶ期間も量も多いというサンふじならではの悩みが――「たくさんのサンふじのなかから、美味しいものを選ぶにはどうすればいいの!?」というのが、私たちサンふじファンの永遠の課題なのです。
今回は信州産サンふじの美味しさの秘密に加え、美味しいふじを選ぶヒントを生産者の方に聞いてきました。「知りたい!」と思ったみなさん、それではこれから、ふじの産地・安曇野にご案内いたします♪
サンふじのトンネルが並ぶ松本市梓川地区へ
やってきましたのは松本市梓川(あずさがわ)地区のリンゴ畑。リンゴ作りの盛んなこの地区で、リンゴ部会の副部会長を務めているのが二村馨(にむらかおる)さんです。およそ2.5haの果樹園でリンゴを栽培しています。作っているのはサンふじのほか、つがる、シナノスイート、シナノゴールド。これらはもう収穫が終了していて、サンふじが最後のリンゴになるんですね。
10月末のこの日、出荷を約1週間後に控えた果樹園には、真っ赤な実がたくさん。。。これ、全部サンふじですよ!!20年以上になるというリンゴの木が並ぶ果樹園は、まるでサンふじのトンネルのよう。リンゴ好きにはたまらない光景です!o(*^▽^*)o
手間暇かけて育てた自慢のサンふじ
そんな収穫間近の果樹園で二村さんが行っているのが、「葉摘み」と「玉回し」という作業です。これはサンふじの見た目を大きく左右する作業なんですが、何のための作業か分かりますか?正解は、色づきをよくするための作業。葉っぱに隠れて日光が当たらない部分や玉の反対側は赤くなりにくく、放っておくと収穫期を迎えても色が薄い部分が残ってしまいます。果実にまんべんなく日光を当てるため、周りの葉っぱを適度に摘み、玉の影になっていた部分を太陽に向けてあげるんです。
多品種の収穫と時期が重なる忙しい時期ですが、このように一つひとつ手作業で、生産者さんが手間暇かけて育てています。「味はもちろん美味しく、見た目も美味しそうなリンゴ」を作るためには欠かせない作業だといいます。
玉回し、葉摘みをした後
「サンふじは比較的作るのが難しいリンゴだよ。最後に収穫するリンゴだから、木に実っている期間が長いでしょ。だから傷がついたり鳥につつかれたりする確率が高くてね。それでもやっぱり人気のある美味しいリンゴだから、手を抜かずに作ってる。味も形も色も、思い描いたリンゴができた時が一番うれしいね」と、二村さんがサンふじへの想いを話してくれました。
美味しいサンふじを見つけよう
さて、ここで二村さんに、美味しいサンふじの見分け方を伝授していただきました。まずは、サンふじのお尻の部分に注目。お尻の色が青・緑色のものよりも、黄色・橙色(別名「飴色」とも言われます)のものを選びましょう。流通の関係で早取りされてしまうことも多いですが、よく熟した食べごろのサンふじはお尻が飴色に近づきます。
もう一点が、リンゴの表面を触った感触とのこと。「つるんと丸いリンゴよりも、さわるとゴツゴツ、でこぼこ感があるリンゴのほうが美味しい気がする」と、二村さんは話してくれました。スーパーなどに並んでいるサンふじを選ぶときの参考にしてみてください。
。。。とは言っても、食べてみるまで分からないのが本当のところ。思ったより味に差がないこともあります(^▽^;)
もうひとつ、美味しいリンゴを選ぶ重要なポイントが、何といっても産地です。リンゴの味や、完熟の証と言われる"蜜"の入り具合などは、気候に最も影響を受けます。一日の気温差が大きく、日照時間が長い土地、空気や水のきれいな土地など、美味しいリンゴが育つ条件はいくつか挙げられます。
さらにそこにその年の気候が影響を与えます。どこの産地のリンゴかという点は、ひとつひとつのリンゴを見て判断する以前の、美味しいリンゴの条件であると言えます。
まとめると、リンゴが育つのに適した土地で、美味しくできたという年に収穫されたリンゴならば、高確率で美味しいリンゴであると言えそうです(単純な結論で申し訳ない<(_ _)>)。
というわけで、一度食べて美味しかったリンゴ産地は、都道府県だけでなく地域までチェックしておいてください。長野県内のリンゴなら大抵美味しいと、当ブログスタッフは自負しておりますが(  ̄ー ̄)、自分の好みの産地を見つけてみてくださいね。スーパーでは「長野県産」としか表示していない場合もありますが、ダンボールの表示を見てみたり、店員さんに聞いてみるなど、リンゴファンだからこそ、産地にこだわってみてください。産地が明確でないサンふじの中から、お尻の色づきやデコボコ感で判断するよりは確実な方法ではないでしょうか。
そして、安曇野をはじめ信州のリンゴ産地の多くは、美味しいリンゴが育つ条件にぴったり。しかも今年は「玉も大きく糖度の高いリンゴができた」と、生産者さんやJAの担当者が口をそろえて言います。そんなサンふじは、これからまさに旬を迎えます。夏の暑さのおかげで、少し見た目が悪くなってしまった(強い陽射しに当たりすぎて日焼けしてしまった)実もあるようですが、こういったリンゴでも「味に影響はない」とのこと。
美味しいサンふじへの道はもうお分かりですね?(^_^)
リンゴの名産地安曇野で、二村さんたち生産者さんが丹精込めて作ったサンふじは、「JAあづみ」のサンふじ。購入時の目安にしてみてください。以下の直売所でも手に入ります。発送も行っているので、お気軽にお問い合わせくださいね♪(o^∇^o)ノ
※もちろん、信州のリンゴの名産地は安曇野だけではありません。お気に入りの産地を探してみるのも信州リンゴファンの楽しみではないでしょうか。
◆松本市梓川地区のリンゴが買える場所
・あづみ野ふる里市
住所:安曇野市三郷温2030-1
電話:0263-77-7530
営業時間:9:00〜16:00
定休日:水曜日
・JAファームみどりの店直売所
住所:安曇野市堀金烏川2633
電話:0263-73-7667
営業時間:8:30〜17:00
定休日:水曜日
◆参考リンク
・JAあづみ
・いいJAん!信州 農畜産物情報ピックアップ「リンゴ」