果物

りんごの王様の出番がやってきました

bp0511-1-1.jpgりんごの王様「ふじ」の季節となりました。数あるりんごのなかでも、蜜がたっぷりと入ったみずみずしい「ふじ」ほど、美味しいりんごはありません。2005年の今年は、夏場の好天−−太陽さんありがとう!−−に恵まれて、味も良く、しかも大玉で、りっぱな「ふじ」がたくさん実り、最高の出来ばえです! 長野県産の美味しいふじを、どうぞ召しあがってください。来年の春まで信州のりんごのことをいつでも頭のどこかに記憶していてほしいから、またしても恒例となったりんご大特集です。

indexarrow1.gif 平成17年産リンゴの最新肥大調査(長野県果樹試験場)をチェック

津軽生まれで信州育ちのふじ
bp0511-1-4.jpgふじは「国光」と「デリシャス」の交配品種。青森県の藤崎町で昭和33年に誕生し(今でも藤崎町の役場の前にはふじの原木があります)、その後日本を代表するりんごになったのですが、世界的にも注目され、アメリカやヨーロッパでも現在では生産がはじまっています。貯蔵性にも富み、完熟すると蜜が入るのが特徴で、贈答用としても喜ばれるりんごです。

indexarrow1.gif 青森県藤崎町のふじ発祥の地(旧藤崎町のページ)

愛される長野県産ふじ
信州のふじの収穫は10月下旬からはじまり、雪が降るようになる12月上旬まで続きます。さて今年の初雪はいつでしょうね? 出荷は10月下旬よりはじまり、11月・12月にピークをむかえて、年明けの2月までは低温貯蔵したふじを出荷販売します。

bp0511-1-3.jpg「サンふじ」と「ふじ」
長野県のふじには2種類あります。ひとつは袋をかけて栽培(有袋栽培)する「ふじ」で、もうひとつが袋をかけないで栽培(無袋栽培)する「サンふじ」。高原の太陽(Sun)をたっぷり浴びた「サンふじ」の名称はJA全農長野の登録商標となっています。どちらも同じ品種ですが、栽培方法の違いにより区別しています。

有袋栽培はりんごの果実がまだ小さいうちに袋をかけ、収穫の1ヶ月前に袋をはずします。これは害虫や病気を防止したり、着色を良くしたり、果実の表面をきれいにするためです。収穫1ヶ月前に袋をはずすときれいな赤色に着色します。しかし外観を気にして見た目はきれいなりんごでも、やや甘味のすくないりんごになりやすいのです。

これに対して、太陽光をたっぷり当てて育てる無袋栽培では、見た目は荒削りですが、甘味と果汁は一段と増してりんご本来の濃厚な味わいが楽しめます。外観よりの味を重視するお客様からつよい支持をいただいています。

りんごの栄養はそこにある
りんごの皮の表面がベタベタするのは、りんご自身からでてくる「ロウ物質」です。決して、ワックスや農薬などを人工的に処理をしているわけではありません。特に気温の高い時に収穫する「つがる」や「ジョナゴールド」などの品種は熟するにつれ鮮度を保つため、果肉中にリノール酸やオレイン酸が増加して皮に含まれる物質を溶かし、油を塗った状態になります。つまり、熟度が高いほど、ベタベタしているのです。これらの物質は人体には全く無害で、リノール酸は成人病の予防で注目されているほどですから、あまり神経質にならずに、汚れを落とす程度に水洗いをして、皮ごと食べてください。皮をむくときにはできるだけ薄くむくこと。なんと言ってもりんごの一番の栄養は皮のすぐ内側にあるのですから。

たっぷりはいった蜜の正体
りんごにたっぷりとはいった蜜は、おいしさの証明ですが、これもりんごの生理現象です。蜜の正体は葉の光合成によって生成されたソルビトールという糖質アルコールが果肉のなかにたまったもので、ハチミツの色をしているので「蜜」と呼んでいます。ソルビトールには整腸作用もあります。

りんごに蜜があることは、そのりんごの育った木が、夏から秋にかけてよく太陽の光を浴びていたということのなによりの証明です。蜜は果心部と果肉部の境目あたりに発生し、次第に果肉全体に広がっていきます。蜜が増えてくるとりんごの果肉も柔らかく、なめらかになって、ちょうど食べ頃と言うわけです。

おいしいふじを見分けるTips
お店で見分ける方法としては、まずお尻の凹んだ部分を見ること。緑味が抜けてハチミツ色をしていれば完熟の印。持ってみてずっしり重く感じる果実ならまず蜜がはいってます。りんごの中にも蜜の入る品種とそうでない品種があり、信州りんごの代表選手といえる「ふじ」や「サンふじ」などが蜜のたくさんはいるりんごとして知られています。

bp0511-1-2.jpgつめたくして食べる理由と正しい保存法
蜜がたっぷりはいったふじは、なるべく早めのおいしいうちにめしあがってください。りんごの果糖は冷やすとアルファ型からベータ型に変化して甘味が増えることがわかっています。ベータ型果糖は、アルファ型果糖の3倍も甘いのです。ですからおいしいりんごはよく冷やしてから、食べましょう。

当然ですが、りんごは収穫された後も生きています。果実の中に蓄えられた糖や酸をエネルギー源として呼吸作用によって消費し、水分も発散させてしまいます。水分の量が減るに連れて蜜も減ってしまいます。果肉が粉っぽく、シャキッとした歯ごたえのなくなったりんごを、長野では「ボケリンゴ」と呼んでいます。

そこでりんごの上手な保存法ですが、呼吸作用を抑えるために0℃〜10℃の低温で保存してください。ポリエチレンの袋にいれて密封し、冷蔵庫にしまうのが一般的ですが、はいりきらない場合は、置く場所を北側の廊下など、温度が低く、温度変化の少ない場所を選んでください。いたんできたりんごを一緒にしたまま放置すると、残りのりんごたちも急速にわるくなりますから、注意が必要です。

長期保存する場合にはポリ袋の中に新聞紙をいれます。これはリンゴの呼吸作用で発生する炭酸ガスや水滴を新聞紙に吸着させるためのものです。半分に切った食べかけのリンゴには、切り口にレモン汁をたらした水で湿らせたティッシュペーパーを貼って、ラップでくるんでおくと、しばらく風味が落ちません。

なお、一般に「つがる」などの早生種はボケやすく、「ふじ」などの晩生種は日持ちのいいリンゴです。

りんごは奇跡の果実
一日一個のりんごは医者を遠ざけるといいます。1929年にドイツの科学者によって擦りおろしりんごが赤ん坊の腸の機能を改善することが発見されていらい、世界中でりんごの擦りおろしたものを食べて赤ん坊が育っています。日本の幼児の死亡率も、その発見を境に激減していることが分かっています。赤ちゃんによいものは、大人にもいいものなのですね。

りんごは生で食べても、サラダにしても、サンドウイッチの具にしても、パイにしても、擦りおろしてカレーに入れても、りんごのジャム(「アップル・バター」といいます)にしても、おいしく食べられることうけあいです。

200g.gif果物の健康機能性を普及啓発して消費拡大につなげていく「毎日くだもの200グラム運動」が進められていますが、ご存じですか? りんごが手に入る間は、毎日りんご1個程度を目安に食べるといいでしょう。特に、「朝のくだものは金」といわれるように、くだものの糖質は、すぐに吸収されるエネルギー源。睡眠中に失われたエネルギー源を効率よく摂取できるのもくだものならではの働きです。朝のくだもので、頭も体もすっきり目覚めて、さわやかな一日を始めてください! サラダにするのもいいですよ。

新鮮で美味しい長野県産のりんごを食べて、健康的な生活をおくりましょう。

indexarrow1.gif 「毎日くだもの200グラム運動」のホームページ

bp0511-1-5.jpg信州リンゴの産地へ行こう!
りんご農家はどこも収穫の追い込みにはいり、JAの果実共選所はフル稼働です。みなさんは果実共選所に行ったことがありますか? 最高級品から少々キズありのアウトレットまで、ギフト用からハウス用まで、もう選び放題です。当ブログのアーカイブページを参考に、秋深い信州のリンゴ産地へGO!!

indexarrow1.gif 保存版 信州のリンゴ産地へ行こう!

長野県のりんごと60年後の地球環境
bp0511-1-7.jpg地球環境と長野県のりんごの間にどんな関係があるのかと、いぶかしく思われるかもしれませんが、実はおおありなのです。地球温暖化という言葉を最近よく耳にしますが、じつはこの温暖化は遠い未来の話などではなく、今年生まれた赤ちゃんが60歳になるころには、その影響がかなり深刻なものとなるからです。農業技術研究機構果樹研究所の杉浦俊彦先生が、先ごろ「温暖化が果樹生産環境に及ぼす影響」という研究を発表し、「現在、リンゴは東北各県および長野県で生産量の90%以上を占めているが、このリンゴ栽培地域は年平均気温の分布で8〜13℃の温度帯とよく一致している。この温度帯は30年後には北海道に広がり、一方、東北中南部の平野部は現在の関東平野の気温と同じになる。60年後にはこの温度帯は主に北海道だけになり、本州では青森県においても平野部は暖地リンゴの温度域に入る」と予測されたのです。もちろん果樹の栽培適地は年平均気温のみで決まるわけではないのですが、今のようなりんごに適した長野県の気候が、地球の温暖化によって1世代で失われてしまう可能性は否定できません。わたしたちが地球の温暖化の速度を遅くするために、いまどんなことをするかに、長野県のりんごの命運もかかっているといってもおかしくはないのですから。

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農畜産物や店舗・施設の状況は変わることもございますので、あらかじめご了承ください。

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