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安曇野のおひさまが育てたスイートコーン

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幾重にも重なる緑色のやわらかな皮を剥き進めば、そこには太陽の眩しさにも負けないほどに艶々と光り輝く黄金の粒――。そんな姿と出合えるトウモロコシのシーズンがいよいよ信州にもやってきました!

食欲のわかない暑い日だって、このトウモロコシがあれば大丈夫。まずはひとつ...、その美味しさにつられて、もうひとつ...と、気づいたら食欲も出ていたなんてことも。首を長くして待った茹で上がりを「むしゃり」と豪快にかぶりつけば、粒から弾け出す優しくやわらかな甘さ。どんな料理人が作りあげる料理にも叶わないと思ってしまうほどの格別な味わいです。

夏の食卓を彩る一品、おやつ、また行楽のお供として、そこにあるだけでテンションが上がるトウモロコシは、夏の記憶に美味しい1ページを刻んでくれることでしょう。 

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作り手の笑顔がこぼれるトウモロコシ
そんなトウモロコシを追って向かった先は、青々とした田園地帯が広がる米どころ・安曇野市。田に囲まれた畑のなかでも、ひと際高くワサワサと穂が風に揺れているのが、まさしくトウモロコシ。畑で作業を行っていたトウモロコシ栽培を始めて8年目になるという小澤忍さんに、まずは今年のトウモロコシの出来具合を聞きました。

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「夜間や明け方に雨が降る一方、日中は天気も良く暑い日が続いたから、みずみずしくて甘くて美味しいトウモロコシになっています」と思わずこぼれた小澤さんの笑顔を見れば、その出来栄えは一目瞭然です。暑い夏に収穫を迎えるトウモロコシは、もともと強い陽射しを好む作物。今年は、日照時間もたっぷりあったので、特に甘味の強いトウモロコシに仕上がっているようです。


「ヒゲ」に注目!
「水分たっぷり、みずみずしくて程よい硬さの収穫適期というのは、じつは2、3日しかないんです」と、小澤さんが教えてくれます。トウモロコシ収穫のタイミングとは、なんとも短いものです。ヒゲが出揃ってからおよそ20日というのを目安に、軽く握ってみて上まで粒がしっかりとできているのを確かめることが収穫のポイント。また、ヒゲが茶色くなっていることも収穫のサインです。

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正式には、「絹糸(けんし)」と呼ばれるヒゲは、受粉のため花粉を取りやすくするように進化を遂げて伸びたものだとか。茎の先端にあるススキの穂に似た雄花から出る花粉は風で運ばれ、その花粉をめしべにあたる絹糸が上手くキャッチすることでトウモロコシは受粉を可能にし、はちきれんばかりにパンパンとした、美しい粒が並ぶトウモロコシができるのだそうです。

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夜の間に甘みが凝縮。朝採りはやっぱり旨い!
とにかく鮮度が命のトウモロコシ。収穫したその瞬間から糖分はでんぷん質へと変化し、甘さが減少していきますから、収穫後すぐに食べることがなによりです。お店で選ぶ場合にもより新鮮なものを選び、時間をおかずに調理するようにしましょう。またトウモロコシの場合、日中の陽射しのなかで育った栄養は、夜間甘味へと変化し、次の日の日中にはその甘味がまた再び成長のために使われることになるのだそうです。つまり、栄養が甘味になりきった早朝に収穫したものが一番美味しいという事になります。

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私たちが食べているのはスイートコーン
トウモロコシは、加熱して食べるばかりでなく、加工して油やデンプンとするもの、飼料用やバイオ燃料、映画のお供ポップコーンになるものなど、じつに様々に利用されています。そういったすべての品種をひっくるめて「トウモロコシ」と呼びますが、なかでも甘味種の食用で、人に好んで食べられるものを「スイートコーン」と呼ぶそうです。現在耳にすることも多い「ハニーバンダム」「ピーターコーン」「味来」「グラビス」などは、スイートコーンの一種ということになります。ちなみに小澤さんが現在栽培しているのが「ゴールドラッシュ」という品種で、育てやすく食味が良いのが特徴だそうです。


食物繊維が豊富!現代人向けの優良野菜
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世界3大穀物のひとつにあげられるトウモロコシ。その栄養価はタンパク質や脂質、糖質が多いことはもちろんですが、血液や骨などの健康維持に役立つミネラルやビタミンもたっぷりと含んでいます。さらに、粒を覆う種皮に食物繊維が豊富に含まれているのも特徴で、セロリやフキなどと比べてもダントツに食物繊維量が多いのです。便秘の解消や大腸ガンの予防としても見逃すことはできませんね。


理にかなった「旬もの」をたっぷりどうぞ!
夏に採れる野菜は自然の夏バテ予防剤とも言われます。水分をたっぷりと多む夏野菜はほてった身体の熱を下げてくれるほか、数々のビタミンによって、体の調子を整える働きもしてくれます。スイートコーンをはじめ、キュウリにトマト、カボチャにナスなど、今や一年中食べられる夏野菜ですが、やはり食べどきは今。野菜本来の美味しさを味わえるのはもちろん、旬のものは栄養素が高く、お買い得でもあると、メリットがもりだくさんです。

「甘いけどしつこくない、自然な甘さ」と小澤さん。安曇野のおひさまをたっぷりと浴びた生産者自慢のスイートコーンをたくさん召し上がり、暑い夏に負けず元気に乗り切ってください!!

こちらは の記事です。
農畜産物や店舗・施設の状況は変わることもございますので、あらかじめご了承ください。

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