野菜

ピリ辛の青い唐辛子「ハラペーニョ」

Jalapeno-1.jpg

ハラペーニョってご存じですか?
ハラペコではありませんよ、ハラペーニョです。このユニークな名前の野菜は、メキシコ原産の青い唐辛子。メキシコ料理にはもちろんサルサなどにも欠かせないピリ辛の香辛料です。そのハラペーニョの収穫が上伊那郡飯島町で始まりました。唐辛子は食欲増進作用や免疫力の活性化などにも効果があるとされていますから、夏バテ予防にもおすすめです。

Jalapeno-3.jpg

80cmまで成長するハラペーニョの木
長野県の南部、伊那谷の中ほどにある飯島町は西に中央アルプス、東にも3000m級の峰が連なる南アルプスと2つのアルプスを望む人口約1万人の町です。ハラペーニョが栽培されているのは町の東部エリアにあたる田切(たぎり)地区。おじゃましたのは遊休荒廃地を生かして栗の栽培も行っている月誉平の畑です。約15aに約2000本のハラペーニョの木が整然と並ぶ圃場では生産者のみなさんが黙々と収穫を行っていました。


Jalapeno-4.jpg

Jalapeno-6.jpg

木の高さは60cmほど。薄く緑がかったかわいらしい花が咲き、木には成長段階を経るように大小さまざまな実が実っていました。収穫期を迎えたハラペーニョはピーマンの先端を少し尖らせたような角の丸い逆三角形で、果肉の感触はピーマンに比べると固めです。
今後、木の高さは70〜80cm程度まで成長し、これから9月中旬まで収穫期が続くそうです。田切地区にある80aの畑からは約12tのハラペーニョが収穫される予定です。


Jalapeno-2.jpg

めざすのは「永続できる農業」
田切地区でハラペーニョの栽培が始まったのは2010年のことです。もともと稲作を中心とした農業の地域でしたが、高齢化に伴う遊休荒廃地の増加が問題となっていました。
そんな中で7年前、土地利用型の農業法人「株式会社 田切農産」を立ち上げたのが紫芝勉(ししば・つとむ)さんです。地域の営農組合を母体に、地元生産者266戸が100%出資して株式会社として設立させるという全国的にも先駆的な取り組みでした。「昔から営々と続いてきた農業を『永続できる農業』としていくために、皆が協力しながら出来る事をしていきたいですね」と紫芝さん。


Jalapeno-8.jpg

田切農産では地域の生産者から農地の提供を受け、苗や資材は提供して農作業を共同で行うという効率的な営農を行っています。現在約90haの圃場のうち水稲50ha、大豆とそば各15haのほか野菜を生産し、収穫された農産物は直売所「キッチンガーデンたぎり」での販売のほか、大豆を利用した豆腐の加工などもしています。


Jalapeno-5.jpg

こうした地域を挙げての農業への取り組みが認められ、昨年は「全国優良経営体表彰」の集落営農部門で農林水産大臣賞を受賞しました。紫芝さんは「会社は営農組合の引き継ぎをした形。先輩方の積み重ねが今につながっているだけです。地域を維持するために利益を生み出し、地域に還元することが地域を守ることだと考えています」と話し、ハラペーニョなど唐辛子の特産化にも力を入れています。


Jalapeno-9.jpg

唐辛子の栽培は水稲や野菜よりも収穫時の重量が軽いことから、生産者の負担が軽減される農産物のひとつとして、2009年に町や県、信州大学農学部との連携で始めた特産化事業の一環です。第一弾として取り組んだアメリカ原産のチェリーボム(赤い唐辛子)は、生産から加工、販売までを地元で行う"第6次産業"の商品として地元の醸造会社の加工による「すっぱ辛(から)の素(もと)」という名前で販売されています。


Jalapeno-7.jpg

ハラペーニョでも、これを原料とした3つの加工品が生まれました。10年熟成味噌と国産えごま、国産黒大豆きなこを使った「唐辛子味噌」と、酢漬けの「ハラペーニョのピクルス」、肉料理や魚料理にも合う「寒天スイートチリソース」(各550円)です。ちなみに、ハラペーニョの辛さは「ハバネロほど辛くはありませんが、鷹の爪よりは辛いですよ」とのこと。
ハラペーニョは夏場になるとファーストフードやコンビニなどのメニューにも登場する素材です。今後は飯島産のハラペーニョが使われることが出てくるかもしれません。


キッチンガーデンたぎり

関連記事

ねずみ大根で「あまもっくら」を味わおう
野菜

ねずみ大根で「あまもっくら」を味わおう

あまもっくらなねずみ大根が輝いて見えた日
野菜

あまもっくらなねずみ大根が輝いて見えた日

信州には地大根が数多くあるじゃないか
野菜

信州には地大根が数多くあるじゃないか

育て、調理し、食べる!秋から大活躍の我が家の唐辛子

育て、調理し、食べる!秋から大活躍の我が家の唐辛子

新着記事