食欲の秋がやってきました。
今回は、シャインマスカットのように皮ごと食べられる種なしの赤系ブドウで、 “赤いシャインマスカット”と称されるブドウ「クイーンルージュⓇ」の紹介です。
長野県に期待の新星ぶどうが現れました
「クイーンルージュⓇ」は、黄緑色の「シャインマスカット」と紫赤色の「ユニコーン」を交配してできた長野県オリジナル品種です。マスカットのような爽やかな香りがあり、甘味が強く、皮が薄くてパリパリとした食感が楽しめます。
2021年に市場出荷が始まったばかりで、まだ生産量が少ない希少なブドウです。
JA全農長野は「りんご3兄弟」に続き、種なしで皮ごと食べられるブドウ3品種「ナガノパープル」(黒系)、「シャインマスカット」(緑系)と「クイーンルージュⓇ」(赤系)を合わせて「ぶどう三姉妹Ⓡ」と銘打ち、売り込みを始めています。
「ぶどう三姉妹Ⓡ」左からナガノパープル、クイーンルージュⓇ、シャインマスカット
ぶどう三姉妹のロゴ
今年(2022年)ぶどう三姉妹のキャラクターが誕生しました
写真提供:JA全農長野
赤色にするために必要なこと
JA中野市ぶどう部会役員である岩下裕樹(いわした・ゆうき)さんの、中野市にある農園を訪ねました。
岩下さんは家族3人と1.3haの農園でシャインマスカットなどのブドウをおもに栽培しています。そして全体の5%程度の農地でクイーンルージュⓇを栽培しています。
「新しい品種なので、栽培してみて、どんなものか様子を見ています。去年の栽培はなかなかうまくいかず苦戦しましたが、今年の出来は今のところいいですね」(岩下さん、以下同)
クイーンルージュⓇ栽培でほかのブドウと比べて気を付けるべきことは、果実にしっかりと日光を当てること。
「日光に当たると赤色になるので、ブドウ全体に満遍なく日を当てるように工夫しています」
日光が園内に入るように枝を管理したり、反射資材を敷いたり、ブドウに透明な袋をかけるようにしています。
日光をたっぷり浴びると緑色から赤色に着色します
「シャインマスカットの出荷が始まったばかりの頃は、ブドウといえば巨峰で、今のように人気になるとは正直、思っていませんでした。生産されるブドウを決めるのは消費者だなと感じますね」
クイーンルージュⓇもこれから多くの人に親しまれるようになってほしいですね。