果実のプロに聞いた!桃のキレイな剥き方
桃は大きく分けると果肉の白い白桃、果肉の黄色い黄金桃に分けることができます
【切り方・剥き方】
(1) 切れる包丁を使うべし
最も大切なのは包丁の切れ味です。
トマトを切った時に潰れてしまうような包丁では、よく熟した桃も潰れてしまいます。砥石やシャープナーを使って包丁を研いでください。
包丁が切れると果物の皮剥きや料理も楽しくなることでしょう。
(2) 桃は丁寧に洗うべし
桃の産毛は、サッと洗っただけではしっかりと洗い落とせません。
手のひら全体で優しく洗い、窪んでいる部分は指の腹を軽く当てて丁寧に洗うことが肝心です。
(3) 洗った桃の水気を取るべし
桃や手、包丁に水がついていると、味が水っぽくなってしまうことがあります。
キッチンペーパー等でしっかりと水気を拭き取ることが大切です。
(4) 切らずに皮を剥くべし
桃はりんごと同様に、果肉が空気に触れて時間が経つと茶色くなります。
空気に触れる面積・時間を短くするためにも切り分けずに丸ごと剥きます。
包丁が切れない場合、柔らかい桃は剥き始めの部分の果肉が潰れてしまうので、包丁の刃元で剥き始める部分に小さな切れ込みを入れてください。
剥き始めはヘタ側の枝で窪んでいる部分がオススメです。桃と包丁両方を内向きに動かしながら剥くと良いでしょう。包丁が切れない場合は、ノコギリを引く要領で包丁を上下に動かします。
(5) 縫合線から切るべし
縫合線(皮のつなぎ目のように見える線)に沿って包丁を当て、縦にグルッと一周させます。その際、種にあたるまで深く包丁を入れることがコツです。
(6) 桃の頭から十字に包丁をいれるべし
桃の頭から、(5)の切れ込みと合わせて十字となるようにヘタまで一周するように包丁を入れ、(6)で入れた切込みの最深部をめがけて8等分するように切れ込みを入れます。同じ要領で種を外してカットすると8等分することが出来ます。応用すると4等分6等分も可能です。
川中島で発見された黄金桃は種離れが良いので4等分も可能です
(7) 桃の湯剥き
氷水を用意してから、浅い切り込みを入れた桃を沸騰した湯の中に入れて10秒程経ったら直ぐに氷水に入れます。しっかり冷えたら手で皮を剥くことができます。包丁を使い慣れていない方にもオススメですが、桃の熟度や品種により剥き難い場合があります。(果肉の黄色い黄金桃は、ほとんどの品種で湯剥きが可能です)
湯剥きする場合は、10秒程で引き上げてください
湯煎した桃は氷水でなるべく早めに冷やしてください
品種によっては皮がペロッと剥けます
ただし、湯剥きを行なうと桃本来の食感・舌ざわり・風味等が若干失われますので本物志向の方はご注意ください。また、包丁で剥くよりも湯剥きした方が果肉の変色が早いように感じます。
【番外編】
硬い桃や種離れの良い品種の桃は、皮を剥かずに(5)の切れ込みを入れ、手のひら全体で包み込んで互い違いに捻ると種から簡単に切り離すことができます。
種が残った側は、スプーンで種を抉り取るか、断面の種の周りをグルッと包丁でなぞるように浅い切込みを入れ、もう一度残った果肉の中央に縦に切り込みを入れて捻ると良いでしょう。後は、8等分してください。
また、桃の中で一番甘い部分は皮の直下です。皮が気にならない方は、皮を剥かずに食べることをお勧めいたします。
一番美味しい部分を逃さないためには皮付きでお召し上がりください
【変色防止】
りんごと同様に、桃も剥いてから時間が経つと茶色く変色します。これは果物に含まれるポリフェノールが酸化することによって起こります。これを防ぐためには、リンゴで定番の塩水・酢水やレモン果汁を桃に塗る(桃を浸す)と良いのでしょう。また、ケーキ等に乗った果物はほとんどの場合シロップでコーティングされています。同様に専用のシロップでコーティングしていただくか、砂糖と水同量でシロップを作って潜らせても良いでしょう。
こういった方法では、変色を若干防ぐことはできますが、何らかの味がついてしまうのは避けられません。果物は、剥いたら早めに食べきるのがベストです。
皆さんも一度、チャレンジしてみてはいかがでしょうか?
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桃(晩生種)は9月下旬頃まで収穫が続きます。