2015年4月5日から始まった善光寺御開帳もいよいよ終盤。5月31日の結願大法要、そして6月1日の前立本尊御還座式をもって7年に一度のすべての行事が終了です。
この機に合わせて、善光寺周辺の寺々でも回向柱が建立されており、回向柱めぐりをしてみました。合わせて、善光寺参拝と共に訪れたい、心身ともに癒される「門前の"農"の館」をご紹介します。
善光寺御開帳に合わせて
回向柱めぐりに行ってきました!
今回歩いた善光寺参道周辺の回向柱参拝ルートはこちらです。
連日行列の善光寺回向柱(本堂参拝)
涅槃釈迦像が安置されている世尊院釈迦堂の回向柱
西方寺の幸せを呼ぶ赤い回向柱チベット式(仏像中心部に入っているものと同じ柱)
西方寺のチベット式護摩
往生院の回向柱(権堂アーケード内)
往生院弁財天の回向柱
ご縁を結びながら回向柱をめぐる街歩きも趣深いもの。ご利益もたくさんあるかな?
ひんやりした土蔵でひと休みしませんか
さて、参拝や街歩きの後に立ち寄りたいのは、心も体もほっと満たされる場所ですよね。そこで今回は、信州の旬の山菜・野菜と農家のおかあちゃんの味を堪能できる「門前農館(もんぜんのやかた)さんやそう」をご紹介します。
お惣菜に五目いなり。どれも毎日早朝から手作り
作り手の顔が見える対面のお惣菜コーナー
長野市、善光寺表参道大門の信号横にある、昔の白壁土蔵をそのまま生かした建物が「門前農館 さんやそう」。この日は初夏の日差しがまぶしい夏日となりましたが、一歩店内に入ると、回向柱めぐりをして汗をかいた身体にひんやり心地いいんです♪ 雰囲気はもちろん、蔵ならではの機能性を実感!
農家の味満喫。季節限定の創作おやき
不動の人気。左から「なす」「野沢菜」「辛み大根」
まず、目をひくのが作りたてのおやきの数々。定番おやき「なす」「野沢菜」「辛み大根」をはじめ、「ニラ」「ポテト」など11種類ものおやきがホカホカのまま次々並べられていきます。「あんかぼ」とのネーミングも楽しい、あんことカボチャのおやきは女性に人気とか。男性には「辛み大根」。厚輪切りの茹で大根に辛味噌を挟んだもので、さっぱり感が人気だそうです。
今の季節のオススメは、地元の山で採れたてののびると青菜の味噌味おやき「のびる(のびろ)」。包む作業を見せてもらうと、小さな麺棒でくるりと皮を伸ばし、直径5~6cmのお団子状に丸めた具を包む一連の動作が、なんとたったの3~4秒!! 小気味良いリズムで繰り返される慣れた手つきにしばし見とれてしまう程でした。次に、セイロ(25個入)で約15分蒸し、表面に焼きこげを付けてできあがり♪ まず、その具のまぶしい緑と量に驚きです! 野菜など炒めたものを使うおやきが多い中、刻んだのびると青菜を生のまま味付けして包んでいるから、色鮮やか。さらに、やわらかな具と優しい味噌味がぴったりの逸品です。のびると青菜のコンビはその味だけでなく、具を丸める時にも大活躍。のびるだけではパラパラしてお団子にならないところ、青菜がつなぎの役をして相性抜群だそうです♪ 皮が薄く「ほぼ具っ!」。このおやきひとつで季節を丸ごといただいた気分になります。
地元の山から採ってきたばかりの「のびる」
今が旬、のびるおやきの具
手早く具を包む
蒸気の中、登場!
焦げ目がつく程度に焼く
のびるのおやき、できあがり
おかあさんたちとおしゃべりして楽しんで
中央の大机を囲み、おやきとお茶でほっと一息。会話も弾む
「昔ながらの作り方にこだわって無添加よ。ベーキングパウダーも使ってないの。皮を膨らませず具だくさんがうちの味。儲け度外視・・・」と笑いながら話してくれたのは、門前農館有限会社さんやそう社長の芳川智恵さん。常にお客様の間をまわりながらお店全体に心と目を配ります。
店内中央は土間をイメージした空間になっていて、存在感ある大机を囲んでお茶とおやきを頬張りながら「美味しいね~」「次は、なすができあがるよ」との会話も弾めば、その味わいはまた格別。山口県と千葉県から御開帳に訪れた姉妹(山口県出身)のお客様が芳川社長と「のびるって見たことある? これだよ。醤油漬けのごはんもオススメ」と、のびる談義に花を咲かせ、「いろんな野菜がおいしい。家族のお土産にしたい」と話してくれました。
「おいしいと言ってくれるお客さんがいるから毎日が楽しい」
「お客様との会話が楽しい」と話す芳川社長
来年15周年を迎える門前農館。JAながの女性部6名の仲間とJAながの・地域の協力で、「野菜の有効活用と門前に信州らしい拠点を」と、代々農家に受け継がれてきた郷土料理やおやき名人によるおやきの販売からスタートしました。以降、会員を15名ほどに増やし、週3~4日のローテーションでほぼ毎日休まず営業。オープン数年後にはJAから独立し、農村女性起業家として県知事賞も受賞しています。
毎朝5時からキッチンはフル回転。おやきづくりに4名(野菜の仕込み、おやきの皮作り〜皮のカットまで1名、具を包む2名、蒸し・焼き1名)、包装に1名、対面お惣菜コーナーとレジに2名で絶妙な連携です。御開帳期間は特に忙しく、毎日1500個ものおやきをつくり、お昼休憩が4時頃になる日も多いとか。「野菜の種類や季節によって蒸し時間を調整したり手間暇かけても、おいしいと言ってくれるお客さんがいるから毎日が楽しい」。体力的にはキツクなってきたと言いながらも、オープン以来ほぼ変わらないというメンバーの皆さんはパワー全開でした。若さの秘訣ココにあり!!
夏には、ここ信州でも珍しい「みょうが」のおやきが登場します。夏の暑さをみょうが味噌が吹き飛ばしてくれるでしょう。どうぞお楽しみに♪
他にも旬野菜や、滋味あふれるこごみのお浸し・山ぶきとしめじの煮物・厚ニラ焼きといったお惣菜に、人気商品「半生あんず・ドライあんず」など加工品の販売もあります。四季の味・地元の味・伝統の味を大切に、丁寧につくられた農家のお母ちゃん自慢の逸品を味わってみませんか?
- 長野県長野市大門町518
- TEL 026-235-0330