希少な赤ルバーブで公約実現!?「真っ赤な高原カレー」｜地域情報

学生時代といえば何を思い浮かべますか？
部活動からサークル活動、恋愛や文化祭まで、その思い出は十人十色。今でもふと青春時代の思い出が浮かんでくることもあることでしょう。
そんな中、今まさに青春時代を歩んでいる高校生たちが、「地元に元気を届けよう」と「目指せ！カレー家族」をスローガンに「真っ赤な高原カレー」と題したレトルトカレーを開発しました。

いまどき生徒会長の公約は、
なんと、ご当地カレーなんです！

やってきたのは、諏訪郡富士見町。標高が977mと、自然豊かな高冷地に位置しているこの町に、全校生徒およそ300人弱の富士見高校があります。
この「目指せ！カレー家族」とは、生徒会長である土田建太さんが、生徒会長選挙で公約として提案したもの。誰もが大好きなカレーに、地元の特産物であり、全国的にも珍しい赤いルバーブを使うことで、富士見町ならではのオリジナルレトルトカレーとして商品化を目指し、富士見町、JA、生産組合、商工会、観光協会等とも連携を取りながら町全体で取り組んでいるプロジェクトなんです。

完成した真っ赤な高原カレーと生徒会長の土田建太さん

「美人のもと」とも言われるルバーブパワーとは？

ルバーブを収穫する富士見高校の生徒たち

ルバーブは、シベリア原産の多年草のタデ科の植物。フキに似た形状をしており、茎の部分を食べます。食物繊維やカリウム、強力な抗酸化作用があるアントシアニンなどが豊富なことから、健康食品としても注目を集めている野菜で、首都圏のデパ地下でも販売されるなど注目されています。
甘酸っぱい酸味があるのが特徴で、ジャムやお菓子の材料などによく使われており、欧米などではお肉のソースとしても用いられています。

きれいな赤色は、富士見ならでは

ルバーブは、緑色が主流でありますが、富士見町では赤色なのが特徴。なんでも昔、町の特産品を目指すために、町全体でルバーブの品種を赤いものに統一したのが発端だとか。また、ルバーブはシベリア原産なだけに寒い環境に適しており、高冷地に位置している富士見町の冷涼な気温は栽培にぴったりなんです。

赤いルバーブ（富士見町ルバーブ生産組合）

レシピ開発の壁は、酸味を生かすこと

この「真っ赤な高原カレー」に入っている具材は、園芸科の生徒が栽培試験を行っている赤いルバーブはもちろんのこと、普通科の生徒たちが力を合わせて自ら栽培したジャガイモも。この他にも、商品名、パッケージ、イメージキャラクター、レシピ開発などもすべて生徒たちが主体となって考えたんです。

イメージキャラクターのルバービーくん（左）とパッケージ（右）
　

レシピ開発は銀座クレストンホテル総料理長（中央）と

富士見高校の宮澤正先生も、レシピ開発で苦労したと話してくれました。とにかく、「ルバーブの酸味をどう生かすか」に課題があったとか。
その後、試作・改良を重ね、最終的には、監修した銀座クレストンホテルの総料理長から「酸味が生きている」と評価してもらえるまでに仕上げることができました。

辛さ×酸味が旨いっ！「真っ赤な高原カレー」

そして、2014年10月11日に開催された文化祭「しらかば祭」で、一般向けに初めて発売。その前日の10日には、全校生徒での一斉試食会を実施しました。
口にした生徒の中からは「少し辛い」といった声も挙がりましたが、「ルバーブの酸味が効いている」「程よい辛さが逆においしい」と青空の下、持参したご飯と一緒においしそうに食べていました。