初夏の信濃あじさい寺 散策す

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梅雨まっただ中。雨は降るし、じめじめするし・・・なんだかテンションを上げにくい季節と思われがちです。しかし、雨の中傘を差して歩いている時、ふと目に入った民家の庭先に咲くあじさいに、心を癒された経験はありませんか?梅雨時ならではの、しっとりとしてちょっと嬉しい瞬間です。
さて、あじさいは町中でも見ることができますが、今回は「信濃あじさい寺」の別名を持つ松本市の弘長寺(こうちょうじ)まで足を運んでみました。視界一面に咲くあじさいの美しさに圧倒されながらも、ひとつひとつ見ることで「あじさいって、こんなに種類があるんだ」と感心してしまったしだいです。

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70種1000株のあじさいに囲まれる
松本市南部、塩尻市との境界近くの寿地区に弘長寺はあります。本堂の横から裏山にかけて広がる1500坪ものあじさい庭園には、現在70種類以上、1000株ほどのあじさいが咲き誇っています。文字通りあじさいに囲まれることができます。
これだけ囲まれると、ひとつひとつじっくりと見てみたくもなります。普段は「あじさい」としか認識していなかったのですが、改めて見てみると、花の色はもちろん、大きさや形も様々なんですね。

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あじさいの花は、たくさんの花びらが集まってできていると思われがちですが、実はこの花びらのように見えているのは"萼(がく)"なんです(装飾花と呼ばれます)。この装飾花は雄しべも雌しべも退化してしまっているため、生殖能力を持ちません。ですから、あじさいは主に株分けで増やすのだそうです。

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小さな花(両性花と呼ばれます)の周りを装飾花が囲んでいる種類は、ガクアジサイです。周りの装飾花につい目を奪われがちですが、中央部の小さな花がたくさん集まっている両性花の様子はとてもかわいらしいですね。一般的に"アジサイ"というと、装飾花だけでできている手まり状の種類を指しますが、実はあじさいの仲間の基本形はガクアジサイだそうですよ。



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可憐に咲く様々な山アジサイ
山アジサイという種類もあり、こちらはガクアジサイを少し小振りにしたような印象です。なんだか線香花火みたいに見えませんか。山アジサイは地域により色や形が異なるため、たくさんの種類があるそうです。

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そうそう、あじさいの色といえば、土の酸度により色が変化し、酸性なら青、アルカリ性なら赤に変わるとよく聞きます。しかしそれは要因のひとつに過ぎず、実際にはもっと様々な要因により色が変化するということです。

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弘長寺のあじさい園では、あじさいの種類が一目で分かるように名札がついています。その花にぴったりの名前や、どうしてこんな名前が付いたのだろう?と不思議に思ってしまうものもあり、花の見た目と名前を比べて楽しむこともできますよ。

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弘長寺
長野県松本市寿小赤 2004
アクセス:
[車]塩尻北ICから3km 5分
[鉄道]JR中央本線 村井駅下車 タクシー5分

地図

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<参考リンク>
さわやか信州旅.net

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