JAながの(ちくま)
「あんず」
「一目十万本」のあんずの里
2015年の農林水産省の統計では、長野県が青森県に次いで全国第2位の生産量を誇っています。長野県では、千曲市(ちくまし)森地区、長野市松代地区、長野市と千曲市にまたがる更級(さらしな)地区が産地になっています。中でも森地区は3地区の中で最も歴史があり、展望台に登れば「一目十万本」といわれるほどのあんずの里となっています。森地区であんず生産にたずさわり、あんず部会の部会長を務める西村芳春さんにお話を伺いました。
短期間で集中して収穫・出荷
取材の訪れた6月上旬では、実まだ青々としており収穫までにはもう少し時間がかかりそうです。年によって多少前後しますが、今年の出荷は6月16日からスタートします。あんずは色づいてから3~4日で収穫され、収穫期が短い果実です。どうして収穫期が短いかと言うと、あんずは熟しすぎてしまうと4日ほどで自分から落果してしまうからです。自家用ならば拾って洗って食べればよいですが、出荷用となると落ちたものを洗う手間であったり、異物混入などの心配があるため、だいたいは畑で処分されてしまい、その分収量が減ってしまいます。そのため、生産者はもちろんのこと、JA職員総出となって集中して収穫を行わないといけないのです。
そのまま食べておいしい人気品種
長野県で栽培されているあんずは16種類ほどあり、大きく分けて2つに分かれています。"古来の品種で酸味が強く加工に向いている品種"と"甘味が強く加工に不向きな生食用品種"です。今回のプレゼントの「ハーコット」という品種は生食用品種になります。
本来のあんずというものは甘酸っぱく、ジャムやシロップ漬け、果実酒などに加工して食べるのが一般的でしたが、品種改良を経てハーコットのような生食用の品種が誕生しました。近年では、生食用あんずの人気が高くハーコットの他に、「おひさまコット」「ニコニコット」という品種もあります。(かわいらしい名前ですね)
食べ頃は"頬っぺたぐらいのやわらかさ"
さて、店頭で買ってくる場合のおいしい見分け方ですが「触ってみて"石のように硬い"場合はもう少し熟して、"頬っぺたぐらいのやわらかさ"になったら食べ頃」と西村さんに教えてもらいました。そうは言っても、お店で触るわけにはいきませんので、色づきの良いものを選んでみてください。少し硬いかな、もう少し熟したいなという場合には、常温で保管して追熟させるのがオススメです。あんずは傷みやすいため、追熟させる場合はこまめにチェックしてください。色づきがよくなったら食べ頃のサインです。
食べ頃になったら、早めに召し上がることをオススメします。少しでも長く楽しみたい方は、冷蔵保存をしてくださいね。
今回お届けします「ハーコット」は加工不向きの生食用のあんずです。加工できないわけではありませんので、お好みでジャムにしてみるのもよいですが、ぜひそのままのあんずを味わってみてください。
詳しい保存情報、追熟方法、あんずレシピは、過去記事『初夏を感じる「あんず」旬の味覚を楽しもう』をご覧ください。
JAタウン「僕らはおいしい応援団」ではあんずの販売を行っています。
なくなり次第終了となりますので、ご注文の際はお早めに。