新信州暦 家庭菜園の苗の植えつけも最盛期

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長い連休のはじまる直前の4月27日月曜日の午後11時ごろから、南信の飯田市や高森町などで急に温度が下がって氷点下となり、翌日の午前5時頃までその低温が続き、JAみなみ信州管内では全域が霜害に遭遇し、「市田柿」の葉や新芽に被害が出ました。柿の新梢(しんしょう)が凍死したほか、摘果時期の桃や梨、リンゴが浮皮、裂傷、果実内部の黒変などの被害を受けたばかりか、同日は一転して午前9時頃には気温が20度前後まで上昇したために、被害がことのほか大きくなったようです。7日までに梨やリンゴ、柿、アスパラガス、茶など543ヘクタールで1億2500万円以上の被害が確認されています。ちょうどこの時期は、信州のようなマウンテンカントリーでは、農家は遅霜に悩まされます。

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季節の変わり目である長いGWも完全に終わり、今週から気を引き締めて仕事に取り組んでいる人も多いことでしょう。実にいい季節になりました。気持ちの良い気候−−と言っても、全国的に真夏日となった先週末は、県中部でも30度を超えて、あまりの暑さにクラクラしましたが−−周囲に咲いている木々や花々の光景など、まさに「風薫る5月」を実感します。しかし香るのは若葉というより、庭先にある薄紫色のテッセンや、アヤメにカキツバタ、また色とりどりのツツジや白やピンク色のシバザクラ等、気持ち良さそうに花びらを広げて咲き誇っている花々の香りが、風に運ばれて漂ってくるといった感じです。草花や木々はこんなにも気持ちを和らげるいい香りを放っていたことにちょっと驚き、この時期ならではの香りを胸いっぱいに吸い込みました。

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まさに今信州は全域が花の月。花の便りは県内各地から聞こえてきます。県南部の岡谷市にある鶴峰公園では30種類にものぼる3万本のツツジの花が咲き、夜間にはライトアップもおこなわれ、今月17日までツツジ祭りが行なわれています。中部の塩尻市にある常光寺では「シャクナゲ寺」としても知られていますが、約50アールの境内には2千株ものシャクナゲが見頃です。こちらのシャクナゲは20日頃まで楽しむことが出来るようです。mizubasyo.jpg北部では、木島平村にある雄大なロケーションが楽しめる露天風呂が人気の馬曲温泉付近一帯で、6万本ものヤマブキの黄色の花が色鮮やかに咲き、温泉に訪れた人の目を楽しませています。さらに県北部の長野市鬼無里にある奥裾花自然園は、日本一といわれるおよそ81万本のミズバショウの大群落があり、6月上旬頃まで水芭蕉を楽しめるということです。

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GWから今の時期にかけて、家庭菜園の苗の植えつけが最盛期となり、連休前は作物がまばらであった畑も、連休明けには支柱を立てて苗が倒れるのを防ぐ対策がしっかりと施されたトマトやキュウリ、ナスやピーマンなどの苗がきれいに植えつけられていました。そして早くもサヤエンドウはぐんぐんと丈を伸ばして白い花を咲かせ、まもなく収穫を予感させる勢いです。またこの時期は紫外線の量も一番多いということですので、紫外線には注意して作業を行って欲しいですね。

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この時期、県内の直売所では、大量のアスパラガスがいい位置を独占していますが、旬の山菜も、ワラビやセリにミツバ、ウドやコゴミ、ギョウジャニンニクにコシアブラなど売れ行きが良好でした。さらに長野県ではホウレンソウも今が時季。また夏場を代表するレタスも出始めて、ふかふかな葉っぱはとても美味しそうです。直売所では野菜類などの他にも長野の特産品である”おやき”などの加工品が置かれているところも多く、この時期だけしか作られない“のびろ”のおやきは特に人気が集まっていました。

top_090507_small.jpg*巻頭のカバー写真の入れ替えは、今週はありません。>連休中に訪れた北信州に位置する飯山市瑞穂(みずほ)の「菜の花公園」から眺めた景色です。悠々と流れる千曲川に赤い大関橋、後方に鍋倉山が広がります。


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今日13日はメイストームデー(5月の嵐の日)とされていて、「バレンタインデー」から数えて88日目、「八十八夜の別れ霜」ということなのか、別れ話を切り出すのに最適とされる荒れ狂う日なのだとか。お気をつけて。ただしこの嵐を無事に乗り切れば、6月12日には「恋人の日」がやってきますよ。

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17日は下弦の月。第3日曜日なので、佐久市臼田で恒例の小満祭(こまんさい)がおこなわれます。二十四節気のひとつ小満(しょうまん)の日に、臼田の稲荷神社でおこなわれる[今年は5月21日]養蚕と五穀豊穣の祭りでしたが、今では臼田にある東信の基幹病院であり農村医療の拠点である佐久病院の佐久病院祭も同じ日に開催され、さまざまなイベントに加えて、千曲川河川敷に約500店もの露店が並び、大きな植木市が開かれるなどして、関東全域からの大勢の客でにぎわい、佐久平で最大の祭りになっています。

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草の子どもの草太(左)、木のお姉さんの木子(右)が精霊として守る県中部の国営アルプスあづみの公園(安曇野市)では、7月18日の大町・松川地区の開園を前に、この5月末までの土、日曜日に森の自然と触れ合う様々なプレイベント「まるごと自然塾」を実施しています。

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高原植物の散策や北アルプスへのアプローチを助けるゴンドラやロープウェイなどの運行もいよいよはじまります。県中部の北安曇郡白馬村にある八方尾根自然研究路を巡る八方アルペンラインは今週16日から、また来週20日には中部山岳国立公園内の栂池(つがいけ)自然園の栂池パノラマウェイも。現在はまだ大雪原の景色ですが、来月からは高原植物を楽しめそうです。

ひと月前の県内の桜は、各地でやっと開花したと思ったら無残にも雨に当たり、あっという間にはかなく散ってしまい残念でしたが、入れ替わりで今の時期の様々な植物はもうしばらくゆっくりと楽しめそうです。koinobori.jpgまた大空でそよぐ鯉のぼりもとても気持ちが良さそうに見えました。

山道を車で通り抜けると、新緑のやわらかな色が目に眩しいほどで、細胞が生まれ変わるような感覚さえしますが、すこし離れて眺める山々は、針葉樹の深い緑色と新緑の黄緑色、そして山藤の淡い紫色のコントラストがなんともイイ感じ。県東部の軽井沢では、「軽井沢若葉まつり」と題して6月中旬までの期間中、芽吹きの軽井沢を歩く企画等、爽やかな軽井沢を楽しめるイベントが開催されています。

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さらにもっと自然を満喫したい方は、ブナ林の巨木をめぐるトレッキングはいかがですか。県北部の飯山市鍋倉高原では、今月下旬まで残雪の中を鳥の声を聞きながら新緑を楽しむことが出来ますよ。この体験型プログラムを提供するのは「なべくら高原・森の家」。トレッキング以外にも自然と触れ合える多彩なプログラムがそろってます。

indexarrow.gif 長野県の夏の特徴 長野地方気象台のウェブサイトより

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