自然の造形美、氷瀑を見に行こう！

ひえー、寒いですね！！今週の始めは少し寒さが緩みましたが、全国的に寒波に覆われているこの冬。できれば部屋の中でぬくぬくしたい・・・という誘惑もありながら、やっぱりこの時期にしか楽しめないことをしよう！！と思い立ちました。 それってスキー？スノボ？まあそれもいいですが、こんな寒い時期にしか見られないものを見に行くのはどうでしょう。ちょうど先週の記事で、氷の彫刻を紹介したばかり。人工の芸術の次は、冬にしか見られない自然の造形美を見に行こう！！というわけで、凍った滝"氷瀑"を見てきました！！

仰ぎ見る、巨大な氷のカーテン「不動滝」
まずやってきたのは小諸市。浅間山の南斜面に位置し、高峰高原や小諸城址懐古園などが有名です。今回のお目当ては「菱野温泉郷不動滝（不動の滝）」。小諸は雪が少ないので、車で近くまで行きやすいという話です。

上信越自動車道小諸ICを降りて、高峰高原アサマ2000パークスキー場に向かう途中に、菱野温泉という温泉があります。



2件の旅館、薬師館と常盤館の間から小さな看板を頼りに舗装された細い道に入って進んでいきます。
しばらく上って１台分ほどしかない駐車スペースに車を止めたら、そこから徒歩で滝を目指します。

5分も歩かないうちに見事に凍った滝が目の前に現れました！！
すごい！！滝口から滝つぼまでまっすぐ、まるで荘厳な氷のカーテンのようです。巨大なつららが下まで到達した形と言ったらよいでしょうか。足元に気をつけながら近づいてみると、その厚さにも驚かされました。
不動滝というだけあって、滝つぼの脇には不動明王も祀られています。

この不動滝では、駐車スペースからもう少し車道を登っていくと、滝口の上に出ることが出来るんです。上から覗き込んで滝の写真を撮るのはちょっと怖いです。もし滝口に近づいてみる場合は本当に気をつけてください。

自然が作り出した奇跡のオブジェ「八坂大滝」
続いて向かったのは、大町市八坂地区。ここで見られる「八坂大滝」では、小諸の不動滝とはまた違った形の氷瀑が見られるということです。

松本市と長野市を犀川に沿って結ぶ国道19号を、生坂村の観光名所"山清路"から県道55号に入り大町方面に向かいます。大町市に入って少しのところに、八坂大滝の入り口があります。この入り口表示看板も、少し見落としやすいので気をつけましょう。



国道から少し入った未舗装の道を進み、小さな沢にかかる橋から上流を眺めると、なにやら白い塊が木立の間から垣間見えます。はやる気持ちを抑え、雪が踏み固められた山道を気をつけて登っていくと、なんとも不思議で巨大な氷の塊が現れました！！





高さ10mほどでしょうか、青白い柱が地面から生えているように見えます。小諸の不動滝とは違って、落ちた水が地表から徐々に凍りつき、上へ上へと成長したようです。近づいてよく見ると氷柱の表面にはつららが出来ているのが分かります。これは滝が南向きのため、凍っては溶けるのが繰り返された結果、このような神秘的な自然のオブジェが作られたのだといいます。





八坂大滝は、滝の裏に回ることの出来る、いわゆる裏見の滝。崖の側面に沿って通路があり、氷柱をぐるりと回りこむことが出来ます。かなり近くまで行けるため、その迫力には圧倒されます。

地元の方でしょうか、ちょうど見に来ていたお爺さんが「今年は凍みたから、どんなもんかと見に来てみたけれど、昔に比べると小さいね。30年前は、滝口まで柱が届いたんだよ」と、驚くべき証言。滝口までということは50mも成長したんですか！！どれだけ寒かったのでしょう。そこまで大きくなった氷瀑を、ぜひ一度見てみたいものです。

今回紹介した以外にも、山国信州にはいくつも氷瀑があります。
信州の氷瀑一覧はこちら
なお、氷瀑の周辺部では足元が凍っている場合が多いため、滑りにくい靴を履いて行きましょう。危ないと思った所には入っていかないよう心がけてくださいね。