大鹿村全体を包み込む地芝居の「気」に酔う

大鹿歌舞伎

お昼に入った村の食堂では「今日は『大鹿村騒動記』で出てきたメニューしかありません」ということで、鹿肉カレーをいただきました。おいしかった~

大鹿村に行ってきました。
この先は行き止まりではないのか、と不安になりながら、伊那谷の山道をひたすら進むと、その先に開けた土地があり(といってもそんなに広くはないのですが)、そこが大鹿村です。駅もインターチェンジも村外のはるか彼方で、その代わりとても穏やかな空気に包まれた美しい土地でした。
映画好きの方には、原田芳雄さんや松たか子さんなどが出演した『大鹿村騒動記』で知られていますよね。

この日のお目当ては大鹿歌舞伎の春の公演です。大鹿歌舞伎は毎年5月3日と10月の第3日曜日の2回しか開かれないため、やっと実現した観劇なのです。
大鹿歌舞伎はここで代々受け継がれてきていて、今は大人が中学生に、中学生が小学生に伝えていくという流れがあり、小中学生も舞台に上がります。小学生の演目では演ずる人数がぎりぎりで、村外に転校していった子も参加していると聞きました。大人も子供も、この村で育った人はほぼ全員が歌舞伎の伝承者ということになるのでしょうか。ですから講演の日は村全体にハレの「気」が充満していました。お昼にカレーを食べた食堂でも「オーナーは今日舞台に上がるのでいません」とのこと。
歌舞伎を見るのは初めてなので、今日の舞台の良し悪しは語れませんが、この日のこの地域の雰囲気には酔えます。村を包み込む独特な空気には、私のようなヨソ者をも巻き込んでしまう何かがありました。
秋にも行きたいです!(つかはら)

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