7月7・8日、松本市などで「国際フラワーフォーラム2016」が開かれました。長野県産はじめ、国産の優れた花きを世界にアピールしようというのが開催の狙い。ちょっとのぞかせてもらった感想は「日本人が花の品種改良にかける熱意はすごい」です。
塩尻市にある長野県野菜花き試験場で、同フォーラムの一環として行われたリシアンサス(トルコギキョウ)の展示公開では、3つのハウスに早生種、中生種、晩生種に分けられ、183種が切り花でなく植えられた状態で満開に。最新あるいは注目の品種展示公開とあって、それこそ全国から(海外からも)見学者が訪れました。
「育成条件が微妙に異なる品種を同じ場所で、同じ時期に咲かせるのは結構大変なんです」(同試験場関係者)。いや、結構大変なんてもんじゃありません。安曇野市から来たという生産者は、「すごい。びっくりした」。
ところで「トルコギキョウっていう名前があるのに、気取ってリシアンサスなんて言うな」と思われる方もいるのでは。実は私も今回が初耳で。ただ、トルコギキョウっていう名前もあまり根拠がないみたいなのですね。まず、キキョウの一族ではないし、原産地もトルコではなく北米で、花の形がたまたまトルコ人のターバンのようだから、という、はなはだ心許ない理由からのようなのです。
そんなトルコギキョウ、いやリシアンサスですが、日本には1930年代に伝わったとか。しかし、北米やヨーロッパなどでは、第2次大戦の影響で、品種としてほぼ絶えてしまった一方で、日本では60年代以降品種改良が盛んに行われ、今やほとんどが日本産とのことです。中でも長野県は、リシアンサスの生産量が全国一。うれしいです。
リシアンサスの花言葉は......。白が「良い語らい」「希望」「思いやり」「すがすがしい美しさ」、濃い紫が「希望」、ピンクは「優美」。色や形のバリエーションが増えるにつれて、今後、花言葉もますます増えるかも。(昭和人)