油揚げ・こんにゃくの煮しめ
先日、安曇野市で神葬の葬儀に参列しました。仏教の葬儀しか経験したことがなかったので、初めてのことが多々あり、よい経験ができました。
長野県中信地区(松本市、安曇野市、塩尻市、大町市など)のお葬式は、告別式の後の「精進落とし(棚あげ)」に会葬者全員が出席するしきたりがあります。今回は、神葬でしたので、直会(神事の最後に、神事に参加した一同で神酒をいただき、神饌を食する行事)に出席させていただきました。その会場で地域独特のお料理を発見しました。
それは、「油揚げ・こんにゃくの煮しめ」「のりまん」です。昔から安曇野の多くの家庭では、お盆やお葬式などで必ず出されるものだそうです。「油揚げ・こんにゃくの煮しめ」は油揚げとこんにゃくを甘辛く煮付けたもの。「のりまん」は、複数の饅頭をまとめてのりで巻いた饅頭の太巻き。「油揚げ・こんにゃくの煮しめ」は、ごはんが進む味で、「のりまん」は、甘みが抑えられ、やさしい味でおいしかったです。
のりまん
地元の会葬者のみなさんは、「葬儀には必ず出されるから、どこでも出るものと思っていたよ」と話してくれました。また、昔は各家庭で手づくりしていたそうですが、最近は、セレモニーセンターなどでの葬儀が増え、家庭で作る機会が減っていることも教えてくれました。
改めて、冠婚葬祭は、食文化をはじめとした地域独特の文化が伝承される大切な場なのだと感じ、先祖から伝承されてきた地域や家の「しきたり」「ならわし」が、これからも親から子、孫へと伝わってほしいと思いました。(さくら)