地元のおいしいを集めた見本市
長野県の北西部、北アルプスの麓に位置するJA大北。管内の農畜産物とその加工品を集めた見本市(JA大北農畜産物・農産加工品見本市)が10月26日、開かれました。黒部立山ルートをはじめ山岳観光地として知られる同地域。訪れる方々に地元の食材を使った料理をもっと楽しんでもらおうと、宿泊関係者を対象に昨年初めて開きました。2回目となった今年は、一般にも開放するというのでのぞいてみました。
会場入口でトレーと小皿、箸を受け取って、いきなり試食モードです。JA大北管内に10支部ある女性部が、それぞれこの見本市のために知恵を絞った一品がずらりと並んでいました。
もちろん女性部の試食コーナーの先には、管内の直売所や加工品製造業者らの展示即売コーナーが並び、提携している静岡県のJAしみずのミカンやお茶、海産物などを並べたブースもありました。まさに「見本市」ですが、私が驚いたのは充実した女性部の試食コーナーでした。訪れた人々も、多彩な試食品に目を見張っていました。用意したテーブルが足りずに関係者があわてて追加のテーブルを出す場面もありました。メンバーは、地元の食材で作るのはもちろん、お互いにメニューがかぶらないように調整して当日を迎えたそうです。
にぎわう会場
試作品の中で、ういろうやすいとん、ナンは一般的な小麦粉の代わりに米粉を使っているのが自慢です。コメは同JAの主力産品で、米粉を使った麺も発売しています。グルテンアレルギーの子を持つ親御さんからは「初めて家族でラーメンを食べることができた」との声も寄せられています。
女性部長の平出志げ子さんは「地元の農畜産物をPRするいい機会なので、協力することにしました。メニューの考案から実際の調理まで、一緒に取り組むことで連帯感も生まれます。何より『おいしい』と言ってくれるお客さんの声が励みになります」と語っていました。平出さん自身もこの日のために、米粉を使った「ニラまんじゅう」の試作に参加。実際に焼いて振る舞いもしていました。当日間に合わなかった米粉を使ったギョーザを含め、レシピに磨きをかけ、商品化を考えているそうです。
見本市を企画した武井宏文専務は「地元の食材でこんなものもできるんだ、という例を示すため、女性部の皆さんには知恵を絞ってもらいました。各支部でメニューが重ならないように、しかも去年とも違う提案を、と気を使う点が多かったと思います。感謝しています。宿泊関係者からは参考になったという声も寄せられ、イベントがらみでコラボしたいとの申し出もいただいています。商品化を含めて新たな一歩を踏み出すきっかけにしたいです」と語っていました。(昭和人Ⅱ)
JA大北