日本人の食文化にとって切っても切れない関係にあるのが漬け物です。
ここ長野県では、長時間にわたってお茶を飲みながらおしゃべりする「お茶飲み」の習慣があり、そのお茶請けとして漬け物を食べるというのが、ひとつの伝統文化となっています。
そこで今回は、家庭でできる「野沢菜漬け」を紹介します。ぜひ一度ごお試し下さい。
長野県を代表する県民食「野沢菜漬け」
日本三大菜漬けとして全国的でも有名な「野沢菜漬け」。ここ信州では「お菜漬け」とも呼ばれており、霜に当たるとお菜(野沢菜)がやわらかくなり、より美味しくなると言われています。したがって、例年11月〜12月になると、県民の方々の多くがいっせいにお菜漬けを始めます。自ら漬けるのはなにも生産者だけじゃないんですよ。
お菜は県内各地の直売所等で販売されており、時期になれば収穫体験ができる「お菜採りツアー」も開催されているので、生産者以外の方でも気軽に、かつ簡単にご購入いただけます。
お菜採りツアーの様子
誰でも簡単にできる「しょうゆ漬け」
お菜を手に入れたら、いよいよ「お菜漬け」の開始です。
まず始めにやらなければならないのが野沢菜洗い、通称「お菜洗い」です。
お菜洗いでは、ぬるま湯の中にお菜を入れ、付着している土や汚れを落とします。 枯れ葉や傷んでいる部分があれば、お菜洗いの前に取り除いておきましょう。
お菜洗いを終えたら、しっかりとお菜の水を切り、いよいよ漬け作業に入ります。
今回は「しょうゆ漬け」を、長野県のおいしい食べ方バージョンでご紹介します。
各家庭に様々な漬け方があり、使われる調味料等もそれぞれ異なりますので、数ある漬け方のひとつとしてご参考にしていただければ幸いです。
野沢菜のしょうゆ漬け
【材料】
・野沢菜 12kg
・漬け物用のだし(しょうゆ)1.8リットル
・漬け物用の酢 5合
・黒砂糖(三温糖) 400〜500g
・唐辛子 適量
・昆布 適量
【漬け方】
(1) まず、用意した樽の中に底が見えなくなるまでお菜を敷き詰める。
(2) 敷き詰めたお菜に唐辛子、昆布、黒砂糖(三温糖)をまんべんなくまぶす。
(3) 漬け物用のだしと酢を入れる。
一度に大量に出ないよう、指でふさぎながら入れるのがコツ
これで一段目が完成。
次は、一段目とは逆の向きでお菜を敷き詰め、一段目と同様の作業を行う。
(4) 12kg分のお菜を敷き詰めたら、蓋をし、
重石をのせる。
(5) 水がお菜の上まで上がってきたら重石を軽くする。
水がお菜の上まで上がってから5日程度経てば完成!
皆さんのご家庭でも、毎年の家族行事として信州の「お菜漬け」を始めてみませんか?