信州の北西部、小谷村の里山が連なる風景を見渡す場所に、そのカフェはあります。名前は「十三月(じゅうさんがつ)」。この地方に伝わる魔除けの風習から名付けました。
なにかいいことありそう。「十三月」
十三月と書いた胡桃の木の札を軒先に付けておくと、お正月を目指してやってきた鬼が「まだ1月じゃないのか」と帰っていくというのです。店主さんご夫婦は、この風習をカフェの名前にしました。里山の暮らしの魅力を発信する場所として、また、地域の人々の憩いの空間として、十三月は今年(2016年)6月にオープンしたのです。
古民家を改修したカフェは、広い土間を利用した玄関とカウンター席、そして座敷を利用したテーブル席がひとつの空間になっています。物件探しには苦労したとのことで「3回お願いしてOKをいただきました」という十三月は、この地、中谷郷(なかやごう)に点在する家々を見渡せる眺めの良い場所にあります。店主さんご夫婦の愛猫、ロシアンブルーのリコも、カフェを訪れる人たちをお出迎えしてくれます。
地元のおいしいもの、自家製のおいしいもの
十三月の珈琲は自家焙煎。ご主人がハンドピックで厳選した豆を、店内にある焙煎機で焙煎していて、香り高い珈琲をいただくことができます。そのほかのドリンクメニューは、自家製のソーダやジンジャーエール、隣の白馬村の地ビール「ハクバ・ブルーイング・カンパニー」などがあります。
ランチは、カレーのプレートランチ。数種類のカレーから1種類か2種類を選ぶと、ごはんやスープ、漬物などと一緒にプレートでいただくことができます。カレーも本格的で、十三月では「カリー」と表示しています。店主さんご夫婦は、畑や田んぼで野菜やお米を作っていて、カフェで出す食材は「できるだけ自分たちで作ったもの、地元で手に入るものを使うように心がけています」と奥様は話します。
デザートメニューは、玄米餅と黒米のぜんざい、カボチャのプリン、わらび餅、フランボワズ(木いちご)のジェラード。ぜんざいとプリンをいただきましたが、どちらも美味しく、付け合わせの漬物やクリームなどが主役の味を上手に引き立たせています。
四季折々の風景も楽しみ
店主さんご夫婦は、都会でライターやデザイナーの仕事をしていたそうで、5年前(2011年)に小谷村の地域おこし協力隊に参加したことがきっかけで移住。農のある暮らしをしながら、カフェを開業しました。谷の奥には小谷温泉があります。もうすぐ紅葉のシーズン。十三月で里山の風景を眺めて、のんびりと過ごしてみてはいかがでしょうか。
- 長野県北安曇郡小谷村中土11738
- TEL 0261-85-1781
- 営業時間 10:00〜18:00
- 定休日 火・水・木曜日
- ※11月下旬〜3月末まで冬期休業。4月より営業予定
詳しくはWebサイトで確認を
■公共交通機関でのアクセス
JR大糸線南小谷駅から小谷村村営バス
小谷線・雨飾り高原方面行「白岩」下車。徒歩15分