片桐さんの農事録
[片桐さんの農事録]

みなみ信州発☆羊と暮らすゆきさんの農事録 第49回

ゆきさん農事録

 

こんにちは!^^*
2年連続の喪中。長期予報通りの暖冬も相まって、お正月の年中行事を忘れそうになるくらいのんびりと過ごした我が家ですが、皆様いかがお過ごしですか?
暖冬と言いつつ結局は寒いんでしょ! とか思っていましたが、今シーズンは本当に暖かくて練炭の出番がまだ3回! 昨年終わりのない寒さにおののいていたのは2月の記事でなので、もしかしたら...と油断はしていませんが(笑) でも、年明けと同時に紅梅が咲き、日中の日差しも本当に暖かいので、なんだかもう春に片足をつっこんだ気分です^w^

 

酪農家の新年といえばコレ!

ゆきさん農事録

 

のんびりは過ごしましたが、酪農家の常で12/31仕事終わり、1/1仕事始めは例年通り。それプラス、新年最初の仕事は「授精台帳」を仕上げることです。
牛もーの個体識別番号と生年月日、今まで何産して、最後のお産後に何回人工授精をし、次の出産予定はいつか、が一目でわかるようになっています。早めに仕上げていればいいのですが、31日まで使うこともあるので、どうしても新年になってからお正月番組を見つつの制作になってしまうんですよね(笑)

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さて、新年と言えば1年の目標を決めたりする方も多いかと思います。個人的には、行ったことのない場所へ旅行してみたいなと思っていますが、仕事的にはやはり、夏場の乳質安定をあげたいです。
一昨年の乳質では東海酪連で1位を頂くことが出来ましたが、昨年はとにかく夏場の乳質が維持できずに随分苦しみました。1年分のデータをプリントアウトしてみたら一目瞭然ですよね。

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年明けから、なんとなく「体細胞数」が安定しないな(我が家では5or6がベスト)と思っていたのですが、明らかな乳房炎症状の牛もーが居ないにも関わらず8月1日、13日と二桁が続き、PLテスターという簡易キットを使って全頭検査をしてみました。(正常なお乳には無反応ですが、乳房炎のお乳ではどろっとした粘りが出る試薬です)

何頭かあやしい子がいたのでサンプルを送って正確な検査をしましたが、平均の数値を押し上げる程の汚いお乳ではなかったんです。でも、結局全体的な乳質が改善しない。暑さのせいで皆が悪いのかも...と思っていたところへ10/2の、我が家としては恐怖にも近い22という数値に、2度目の全頭検査を行いました。結果をもとに、可哀そうではありましたが、思い切って該当の牛もー達を淘汰(廃用牛としてお肉出荷)したところ、それから先はベストの5or6を維持でき、漸く安心して毎日の搾乳が出来るようになりました^^

乳質が悪くて罰金を払うことになるかも...と思うことも、体調の悪い牛もーが居て牛舎へ行くことが億劫になるのも、毎日の仕事だからこそ積み重ねると過分なストレスになります。人間がストレスフリーでいるためには、まずは牛もーに元気でいて貰わないとなんですよね(笑) 去年の乳質では東海酪連上位入賞無理かな~><; と残念なんですが(笑) また1年、こつこつと頑張っていきたいです^^*

 

ホルスタインのオス子牛にも良い結果が

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所で。乳質維持には苦しみましたが、去年初めて、我が家が1番になったことがあるんです。
それは、ホルスタインのオス子牛出荷のお値段!

ここでトップ写真です。
先日出荷の際、組合で授精師の後輩君に写真を撮っておいてもらったのですが...おチビ達がわらわらと可愛いですよね^^*
写真の子たちは全部ホルスタインのオスで、長野県と群馬県で大型トラック1車にだいたい60頭程一緒に積み込まれます。その後、北海道にある全酪連と契約している育成肥育一貫農家さんや、育成農家さんへと行きます。 ちなみに、肥育後は北海道内でお肉になったり、東京都の芝浦でお肉になったりと色々なのですが、後輩君に聞いたところ、ホルスタインと和牛とではお肉になるまでの育成肥育期間が異なるようなので、その辺はまた改めて記事にしてみたいと思います。

そんなこんなで我が家のおチビ達は北海道まで行くわけですが(私自身は北海道は未踏の地(笑)) 6月に出荷した1頭が年間を通じて管内で一番いい値段で売れていたみたいで! 特別予算を組んで水仕事をするときの防水エプロンをプレゼントしてくださいました^///^(これが毎日2回必ず使う物としたら安いのですが、でも何となく高くて自分では滅多に買わない物なので、絶妙なプレゼントですね)

ホルスタインのオスやF1(和牛とホルスの掛け合わせ)の場合、市場価格は出回り頭数での変動が大きいので(例えば、夏場は人工授精の受胎率が落ちるので夏種付け生まれの子牛は少なく、それらの子が出荷される時期の子牛値は高騰するなど)、同じ健康状態・体重のおチビを通年出荷出来ても値段に差がついてしまうことになります。故に、多少ラッキーな面もありましたが(笑)、何年か前に初めて子牛を肺炎で死なせてしまってから、特に母が子牛の健康状態に気を付け、良さそうなことはなんでも試しながら育ててきたので、漸く結果が出始めたのかなぁと思っています^^ どうせなら、同じ1頭を丈夫で大きく育てて高く売りたいし、買ってくれた人にも元気で健康な子牛だって思ってほしいですもんね!^▽^

 

人にも、自分にも優しくなれる1年に

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啓蟄を前に、すでに虫がちょろちょろしているのを見かけるくらい暖かいのはいいのですが、雪はおろか雨もろくに降らないせいか乾燥が酷くて、飯田市は今インフルエンザが大流行中!><; 他の地域でははしかも流行っているとか。
はしかは特に妊婦さんや予防接種前の子供の命にもかかわる危険なものです。しかしインフルと違い予防接種をし抗体を持っていれば防ぐことも可能です。私ははしかの予防接種を1回しか打っていない世代だったので昨年2度目の予防接種をしてきました。自分が媒介者になってしまわないように、そういう所からも、気を付けていきたいですね^^

昨年はとにかく災害の多い1年でした。
毎日を平穏に過ごせるよう、そして、人にも、自分にも優しくなれる1年であるといいなと願いつつ、どうぞ皆様、今年もよろしくお願いします^▽^*

では、また♪

ゆきさん農事録

 

 

この記事を書いた人

片桐由貴さん

伊那谷をまっすぐ南に向かって流れる天竜川流域の牛舎で、仕事と趣味、どちらも楽しむという片桐由貴さん。大学卒業後「やっぱり牛が好き!」と、家族の営む酪農に就農して12年。80頭ほどの牛たちと、ペットの羊2匹、猫5匹と過ごす日々を綴ります。

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