片桐さんの農事録
[片桐さんの農事録]

みなみ信州発☆羊と暮らすゆきさんの農事録 第10回

ゆきさん農事録

ハロウィンうりちゃん

こんにちは!
数日前に漸く、「雨が続いていて取りかかれない><;」と先月書いた共同作業が終了し、ほっとひと安心。ハロウィンもクリスマスもまだこれからなのに、もうおせちのCMが流れていてビックリした私は、やっと毎年恒例のいたずらを庭の柿の木に仕掛けた所ですが、皆さんいかがお過ごしですか?
なかなかPCから農事録を見られずに、折角頂いたコメントへのお返事がひと月遅れになって申し訳ないです。今後は頻繁に繋げると思うので、質問などあったらお気軽にどうぞ♪

 

トウモロコシの思い出

ゆきさん農事録

 

そんな訳で例年より一ヶ月以上遅くなってから漸く行えた、仲間内では「ハーベスタ」と呼んでいる飼料用トウモロコシの収穫。我が家は2本のタワーサイロが現役稼働中なので、刈り取ったトウモロコシはその中に貯蔵します。
タワーサイロの横に細長い煙突みたいな管が見えると思うのですが、トラクターの駆動を利用して細かく刈ったトウモロコシを下から吹き上げてこのタワーサイロの中に入れるのです^O^*
実際に吹き上げている様子を写真に撮れたらよかったのですが、このタワーサイロの高さはおよそ18メートル。とてもスマホのカメラでは撮影できませんでした><;

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実際の刈り取りの様子

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トラクターと刈り取り機

刈り取りは、トラクターとトラックが並走して行うのですが、背の高いトウモロコシ畑から赤い刈り取り機の先端だけが見えているので、なんだかそこに首の長い恐竜が居るみたいですよね(笑) 刈り取る時も、サイロの中へ吹き上げる時も、凄い音がしているので、子供の頃は余計にそんな風に感じていました^^

子供の頃の思い出をひとつ。
私はトウモロコシが大好きだったので、飼料用で背が高く身もぎっしり詰まった立派なトウモロコシを見て、「これを焼きもろこしにしたら、お祭りで買わなくても沢山食べられて幸せだろうなぁ」と思い、母に話したことがあるんです。母はにこりと笑って「やってみたらいいんじゃない?」と賛成してくれたので、いそいそと醤油のタレを用意してチャレンジしてみたのですが。・・・結果は、全く美味しくありませんでした@@;

どうしてか理由、わかります?(笑)

実は普段私たちが食べているスイートコーンと、飼料用のトウモロコシは品種が異なり、飼料用は実が熟れても甘くならないのです。母はそれを知っていたけれど、実際に体験させるのが一番と思って自由にやらせてくれた様ですが、心底ガッカリしたのを今でも覚えています(笑)

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この共同作業が終わると包まれる妙な開放感のついでに、また余談をひとつ。
皆さん「進撃の巨人」という漫画を知って居ますか? 最近映画にもなった様なのでご存じの方も多いかと思うのですが、我が家の2本のタワーサイロは約12メートルと18メートル。進撃のコミックを読んで、主人公達が対峙する巨人がそれくらいのサイズだと知ってから、このタワーサイロの下に立つ度に、・・・戦って生き残れる気がしない、とか思ってしまいます(笑) リアル巨人サイズを体感しつつ、毎日頑張っています^▽^b

 

「10年後、どうなっていたい?」

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さて、時間軸は少し戻って先月。県内の畜産に携わる女性農業者の集いに、酪農ヘルパーの友人と参加してきました^^*
最初そのお知らせを頂いたとき、「農事録の話題になるし行ってみよう」と言う軽い気持ちだったのですが、思いがけず、色々な立場の方の話や悩みを聞く機会となり、自分自身にとっても、重要なことを思い出させて貰いました。

日々TPPに関した情報が公開され、この日も研修の初っぱなに「酪農は10年以内にダメになる」だなんて言われ、派手な先制パンチを食らった気分になったのですが、実際問題、私が就農してからの十数年で酪農家数は様々な要因からどんどん数を減らしています。
TPPが国内の酪農業に及ぼす影響は、実際にそのときになってみないとわからなくて、それは、ずっと頭の中にあった事なので見事にパンチが効いていた私に、隣から友人が「最後まで残れたら、逆に大丈夫なんじゃないの?」と。
物事はそんなに単純ではないかもしれないけれど、この日、過去に私自身がある冊子に寄せた記事を読んで、昔はずっと思っていたことを最近忘れていた事に気付きました。

就農当時、「10年後、どうなっていたい?」と言う質問をよくされました。
私は牛が好きで、酪農という仕事が好きで、好きな仕事を出来るだけ長く続けていけたらいいな、と答えてきたし、今もそう思います。けれど時代には流れがあって、現状を維持することの難しさも実感し始めています。でも、そんな流れにぶつかったとき、自分の持つ選択肢を「廃業」のひとつにしないために、学んでいかなければならないな、と強く感じました。
今まで仲がいいのは異業種の友人ばかりだったけれど、やっぱりこう言うときは、同業者の友人の存在が心強いですね^///^* ありがとう。

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朝の空気も、日中の風も、夜見上げる星空にも、季節の移り変わりを感じるようになってきました。
季節の変わり目は体調を崩しやすいと言いますが、風邪なんて引いてたらもったいないですよね! 旬の果物も食材もいっぱいな食欲の秋には逆らわず、しっかり食べて適度に動いて(笑) 冬に備えましょ!^^*

では、また♪

ゆきさん農事録

 

この記事を書いた人

片桐由貴さん

伊那谷をまっすぐ南に向かって流れる天竜川流域の牛舎で、仕事と趣味、どちらも楽しむという片桐由貴さん。大学卒業後「やっぱり牛が好き!」と、家族の営む酪農に就農して12年。80頭ほどの牛たちと、ペットの羊2匹、猫5匹と過ごす日々を綴ります。

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