古田さんの農事録
[古田さんの農事録]

農業が好き!地域が好き!古田さんちの安曇野LIFE:9

古田さん農事録

 

11月、ついに最後のりんご、サンふじの収穫の時期でございます。
サンふじは言わずと知れたりんごの王様であり、俺もシーズン中に様々なりんごを食べてそれぞれ美味しいと感じるのでございますけれど、最終的にサンふじを食べて「やっぱこいつはすごいな」と思ってしまう、一年の締めにふさわしいりんごなのでございます。
しかし反面一筋縄ではいきません。
晩生種のふじも早生種中生種とほぼ同時に開花し、実が育ち始めます。
つまり、ほかのりんごが順番に収穫されていく中、ふじはずっと木にぶら下がっているのでございます。
そりゃあ、じっくりと時間をかけておいしくなってくれているのでございましょう。
しかし、あんなところに半年以上ぶら下がって風雨に晒されているわけですから、リスクもそれだけ大きいのでございます。

スペシャルなりんごたちが...

台風のことは、先々月でしたでしょうか、しつこいほど書きましたので触れません。
2つほど心配な台風をやり過ごし、今年は被害が無くて良かった〜と安心しておりました11月10日。
なんでかわかりませんが、ものすごい強風でございました。
ええ、サンふじはほとんど落ちはしませんでしたが、かなりやられてしまいました。
枝や隣のりんごにぶつかって、スレや傷がついてしまったのでございます。
ここまで順調だったのに、最後の最後に、やられてしまいました。
風が吹かなければ、贈答用のスペシャルなりんごになれたはずの子たちも、加工用やハネだし品に変わってしまいます。残念!

古田さん農事録

 

古田さん農事録

 

まあ起きてしまったことはしょうがないので、できることをやるしかありません。
獲らないことには、始まらないのでございます。

なにが祟った!?

早めに赤く色づいた子たちを選びながらちょろちょろと獲っておりますと、日に日に収穫適期を迎えるりんごも増えてまいります。
さあて、ここから気合い入れてバコバコ収穫するぞー!!と気合いを入れ直した矢先、11月14日のことでございます。
高所作業車に乗って上の方で赤く色づいたりんごを獲っておりました。
そのうち、だんだん頭痛がしてきて、ひどくなり、ついには頭をあげることができないくらいになってしまいました。
この感覚は二日酔いみたいだな。というより、二日酔いが風邪に似てるのか。などとどうでもいいことも頭に浮かびましたが、とにかくこの時期に風邪はヤバいということで、医者に行ってしっかりと休むことにしました。
毎晩夜中までガレージで選果していたのが祟ったのでしょうか。
数日前から体調はおかしかったのでございますが、無理やり何とかし。。。きれませんでした。

そこから5日間、ほぼ寝込んでおりました。
途中、少し調子が良くなって、ガレージで選果したり、仲間との共同作業に行ったりしたのもいけなかったかもしれません。
毎年参加していた埼玉県三郷市(安曇野市の姉妹都市)にりんごを7tほど売りに行くのも不参加。そのついでにと楽しみにしていた、大好きなギタリスト、Robben Fordの東京公演もキャンセル。
畑に復帰してみれば、先輩農家から「楽しく獲る段階は終わったよ」と言われ、改めて焦りだす始末。
朝は氷点下となる日もあり、りんごはひどく凍みると組織が壊れやすくなるため、悪くなってしまわないうちに獲り入れる必要があるのでございます。

荷造りは家の中

古田さん農事録

 

もう、お手伝いさんやバイトの方に頼んで、バコバコと獲ってもらいました。
ふじはいろいろな状態があるりんごでございますから、どんなりんごかによって売り先・売り方・出荷方法が変わってまいります。
そのために必要なのが、選果。
どんどん収穫されるりんごを、分けていきます。
妻も坊を連れて連日手助けに来てくれました。本当に頭が上がりません。

古田さん農事録

 

明るいうちにりんごを収穫し、夜帰って選果するのも手ではありますが、とにかくうちにはりんごを置いておくスペースがありませんので、畑で選果し、夜は在庫を減らすためにどんどんと荷造りをし、発送なり出荷なりをするようにしました。
荷造りスペースを家の中に作ったので、夜中まで仕事をしていてもそこまで寒くならないのもポイントでございます。

古田さん農事録

 

古田さん農事録

 

古田さん農事録

 

やはり早めに作業場と倉庫を用意したいな、と強く強く感じております。

ギフトづくりは楽しい

古田さん農事録

贈答用

ふじは昔からお歳暮に使われるりんごでございますが、最近は贈答の文化自体が廃れてきているといいます。年齢の問題もありますけれど、俺たちの世代は10キロのりんごを人に送る、なんてことはあまりいたしません。
ですが、俺は贈答が結構好きなのでございます。
贈り物ってなんかいいじゃないですか。喜んでもらえると幸せになります。
りんごって、贈り物として絵になるので、商品作りはなかなか楽しいと思っております。
今はあまりネタはありませんけれど、今後は喜んでもらえるギフトとしての商品づくりもできたらと思っています。
5キロ10キロの規格だけでなく、ジュースとのセットや、小さな箱でのギフトボックス、帽子をかぶせてかわいい感じのギフトなど。夢は広がります。

古田さん農事録

 

さて、そんなサンふじの収穫も、今週で終わります。なんとか間に合いそう。
そのあとは、贈答品の対応やら直売所で売る分の荷造りなど。
そして12月1月の弐七農園は、約250m分のりんごの木の伐採、抜根という大仕事が待っております。
来月の農事録で、どこまで進んでいるでしょうか。。。

まずは、最後の一玉売り切るまで、がんばります。

日々の畑・りんごの様子やもろもろは、ブログ「りんご屋さん 弐七農園」もご覧ください。
(最近更新できない日が多くてすみません。)

ではまた来月、お会いいたしましょう。

この記事を書いた人

古田然さん

北アルプスのふもと安曇野市三郷小倉で3年間の研修を経て、2017年にりんご農家として独立した古田然さん。
農業が好き! 人が好き! 地域が好き! な古田さんが、安曇野の暮らしをつづります。

記事一覧へ
1511881200000

関連記事

農業が好き!地域が好き!古田さんちの安曇野LIFE:21
古田さんの農事録

農業が好き!地域が好き!古田さんちの安曇野LIFE:21

農業が好き!地域が好き!古田さんちの安曇野LIFE:10
古田さんの農事録

農業が好き!地域が好き!古田さんちの安曇野LIFE:10

オレさまの安曇野 風雲 農事録 連載第33回
岩垂さんの農事録

オレさまの安曇野 風雲 農事録 連載第33回

農業が好き!地域が好き!古田さんちの安曇野LIFE:7
古田さんの農事録

農業が好き!地域が好き!古田さんちの安曇野LIFE:7

新着記事