先週辺りから、これまで雨を降らし続けていた灰色の雲が消え、いかにも暑い夏の太陽といった感じの陽射しが降り注いでいます。お盆を過ぎたとはいえ、日中の陽射しはまだ相当強いものですから日焼け対策などご用心ください。暦のうえでは秋となり、子どもたちの新学期もすでにはじまろうとする信州では、大きな夏と小さな秋がせめぎ合っているようです。灰色の雲が居座っていた空は高く真っ青になり、山際から立ち上る白い雲は、いかにも厳しい残暑を感じさせます。長野市辺りでは夜でもまだ半そでTシャツで十分過ごせる日が続いていますが、ここ2〜3日は深夜から朝方にかけて涼しくなる日が続き、風邪を引かないようにと窓を閉めて眠りについた人も多いかもしれません。気象庁のデータでは一昨日の朝は野辺山高原で最低温度が日本でいちばん寒い9℃を記録しました。ここ数日の長野市は最高気温が30度前後、最低気温が20度前後で推移しています。一方、飯綱町など標高の高いところでは、夕暮れの草むらから秋の虫たちの声も聞こえはじめてきたようです。
さて、お盆休みを皆さんはいかが過ごされたでしょうか? 長野県内にも県外ナンバーの車が多数見受けられました。帰省や観光で訪れた人たちでしょう。かなりの渋滞にもめげずに長野県で楽しい思い出を作ってもらえたのなら嬉しいのですが。お盆期間中、県内では盆踊りや地区の小さなお祭りがあちこちで開かれました。盆前の12日には各地のJAで盆市が開かれ、盆花や果物を買い求める姿が見られました。
長野県の子どもたちは都会の子どもたちと比べて夏休みが短いのはご存知でしたか? 明日には2学期がはじまる学校が多いようです。おそらく今ごろは、宿題が片付かずに悩んでいる子どもも多いかもしれませんねえ。そんな子どもたちは、8月いっぱい休みのある都会の学校をきっとうらやましく思っているはずです。長野県の県の公式ホームページの目安箱などに、ときどき小中学生からの「夏休みを長くしてください」との真剣な直訴メールや親御さんからの問い合わせメールが掲載されることがあります。
今週の農産物の動きに目を向けますと南信のJAみなみ信州では梨の「幸水」の出荷が本格化しています。今年は例年より少し早く、お盆前の10日頃から出荷がはじまったそうです。さらにりんごの早生(わせ)種の出荷情報もあちこちから届きはじめました。北信のJA須高では13日に「サンつがる」と「さんさ」の目ぞろえ会が開かれました。目ぞろえ会とは本格的な出荷が始まる前に生産者が集まるもので、見本のりんごを見ながら収穫適期の状況を確認したり、色や形、大きさによってどのような出荷規格になるかの説明が行われたりします。JA須高ではそれぞれ16日から出荷がはじまり、「サンつがる」の出荷は9月中旬まで行われ、今月末ごろから最盛期となります。
中信のJAあづみでは「シナノレッド」の選果がスタート。甘味と酸味のバランスがよいシャリっとした食感が特徴の品種です。同じく中信のJA松本ハイランドでも「サンつがる」の目ぞろえ会が17日に開かれ、りんご農家が集まり出荷規格の統一が徹底されました。県内の「サンつがる」の出荷は8月下旬から本格化。本格的な出荷時期に向けて、現在、農家は葉摘み作業に追われています。
本格的な暑さの帰還に合わせて、生き残りをかけたセミの合唱もいよいよ大音量となってきました。夜間にも鳴きながら飛び回り、木々や家々の壁や窓にぶつかって気絶したりするセミも珍しくありません。とはいえ、これもひとつの夏の風物詩。往く夏を惜しむ蝉時雨(せみしぐれ)も楽しんでしまいましょう。
*巻頭のカバー写真を入れ替えました。今にも落ちそうな大きな実をつけた、長野市川中島のプルーンの木です。木の下から見上げると、昼過ぎの青空を背景に、風船でも浮かべたようにプルーンの実がいくつもなっていました。今が旬、太陽をいっぱいにあびた栄養たっぷりのプルーンを生でめしあがれ。
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●明日20日は新月。明後日からはまた新しい月の旅がはじまります。これから大きくなっていく月のことを、北米大陸の先住民の中に、「狩人の月」と呼ぶ人たちがいます。また自然界において最も有能な狩人がオオカミであったことから、「オオカミの月」とも呼ばれることがあります。これは狩猟の季節を意味するだけでなく、家事などに必要なものを集めるための期間と考えられたようです。つぎに満月がくるのは9月5日。(写真は東京の国立科学博物館に展示されているすでに絶滅した本州オオカミのはく製)
22日は、明治の文豪・島崎藤村の命日。藤村はかつては長野県で現在は岐阜県になった中津川市(信州木曾の馬籠)で誕生。小諸市の懐古園にある藤村記念館前では彼の文学を愛する人たちが集いその遺徳を偲ぶ会が開かれます。
23日は二十四節気のひとつ「処暑(しょしょ)」。暦便覧には「陽気とどまりて、初めて退きやまんとすれば也」と記されています。「処暑」は「暑さが止むと言う意味」。その言葉通り、わたしたちはこのころになると夏を離れて秋のはじまりの中へと入っていきます。朝に夕に心地よい涼風が吹く頃、子どもたちの声が嘘のように消えた高原では、収穫の季節を目前にして、このころには朝夕1枚はおるものが必要に。
涼やかな北アルプスで可憐な花々と出会うイベントの「白馬Alps花三昧2009」も今月31日で終了します。白馬山麓植物園では現在レンゲショウマが今見ごろを迎えています。ようやく青い空が広がった雄大な白馬の田園風景をゆっくりと心に焼きつけるには、静けさが戻って来つつある8月の終わりがうってつけなのです。
せっかく夏の太陽が戻ってきたのだから、自分の育てている菜園からもたくさんの種類の野菜が穫れたり、スーパーマーケットや直売所や農家の庭先などにもさまざまな色の野菜や果物が並んでいるのを見つけることができるなら、分けてもらったり買いそろえたりして、お皿のうえにできるだけそれぞれ異なる色の野菜や果物をのせて食べてみることをしてみませんか。赤い野菜、紫の野菜、黄色の野菜、緑の野菜、白い野菜、オレンジ色の野菜、黒い野菜、色の違いは当然それぞれの野菜の栄養分の違いとも重なることが多いのです。そうやって出来るだけ異なる色の野菜を少しずつ一度に食べることで、わたしたちの体の隅々にまで栄養が届けられるのです。これは料理と言うより、滋養強壮のための野菜や果物の摂取の仕方で、赤い色は心臓に、黄色やオレンジは目に、青や紫や黒は脳の働き具合に、緑色は骨を丈夫にすると、大雑把にわける栄養学者もいます。今のようにさまざまな色の野菜が豊富に出回る季節だからこそ、1枚のお皿を虹色にする野菜の組み合わせを食べ続けることをはじめるのにふさわしいときはありません。いろいろな色の野菜や果物をうまく組み合わせて食べることで体をいたわりましょう。
8月も中ごろを過ぎて、諏訪地方でも夜の明ける時間が午前5時頃になりました。日没は夕方6時半過ぎ。夜明けがだいたい日に1分ずつ遅れ、太陽が沈むのが日に1分ずつ早まっています。鳴きはじめるのが遅れたセミたちが、ここにきて必死に大騒ぎをするのも理解できます。25日は今年がはじまって237日目。今年の残りはもうあと129日です。
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