新信州暦 新月とともに収穫の季節は訪れて

kyuuri.jpg暑くなってきたわりにに聞こえなかったセミの声もようやく聞こえるようになり、夏らしい信州となっています。全国的に節電に取組んでいる昨今、少しバテ気味の方は、21日の土用の丑には、うなぎを食べてスタミナをつけたかたもいたのではないでしょうか。ことしはもういっぺん土用の丑の日がありますね。台風が通り過ぎて少し涼しくなり、「台風が秋を運んできた」なんて冗談を言う人も。湿度が下がったせいなのか、少しだけ過ごしやすい日々が続いています。これからはまだまだ暑くなるのかと思うとうんざりですが、日本の屋根に近い信州には高地に行けば涼しいところが沢山あります。healthy.jpg畑では、キュウリやナス、トマトなどがとってもとっても、収穫されるのを待っている、そんな嬉しい状況です。県内は、夜寝るときには暑くて、戸を空けて寝ると風邪をひいてしまうような朝晩涼しくなる日が多いので、健康管理には十分注意したいもの。

rescuepict.png25日(月)から27日(水)の3日間県北部地震で被災しました栄村の復興支援として、もともと田んぼだったところにそばを植えるための草刈作業が行われました。田んぼの被害は、地震によってひび割れてしまったり、水路が使用できない状況となってしまっていますが、今年はそばを播き、将来的にはまた田んぼに戻していくそうです。草刈作業は、国や県、JAグループの職員などが草刈機を各自持ち寄り、そばが栽培できるように準備をしています。8月上旬には種まきを予定していますが、米作りができない分、おいしいそばが実ることを祈ります。

県内の学校も夏休みになっています。夏休みといえば、ラジオ体操やプールなど恒例行事がありますが、都会の親戚はまだ夏休みなのに、自分らはなぜ学校に行くのか? と疑問に思っていた長野県出身の方もいらっしゃるはず。東京都などの都市部の学校では40日以上もあるのに対して、県内の学校の夏休みの平均は23日前後だそうです。以前なら、田植え休みや寒中休みがあったからという正解があったものの現在は様変わりしています。summercamp.jpg学力を着実に身につけるために年間授業日を他県より多くとっていることや、行事(遠足や登山、運動会など)を大切に考えている学校が多いために、夏休みが少ないらしいのです。親世代は、毎日昼食を準備するのが大変だとか、子どもの思い出作りにどこかへ連れて行かなきゃ! と愚痴をこぼしています。田舎で子どもするのも楽ではありません。子どもも大人も、短くて暑い夏の自然を体験したり、各地のお祭りに参加したりと、夏を楽しみたいところです。

fireworks.jpg先週末も、県内各地でお祭りが行われました。土曜日には、須坂市の百々川(どどがわ)緑地で、「須坂みんなの花火大会」が開かれました。東日本大震災や県北部地震の被災者追悼の意味を込めた花火からスタートし、約1500発が打ち上げられ、約3万人が楽しみました。日曜日には、中野市で「中野ションション祭り」が開かれ、「ションションばやし」に合わせて約500名が踊りました。同日須坂市でも「須坂カッタカタ祭り」も開かれ、製紙工場で使われていた糸を巻き取る木枠の音にちなんだ「カッタカタ」のはやしに合わせて約3100名が踊りを楽しみました。諏訪市でも市民祭りの「諏訪よいてこ」が、岡谷市では「きつね祭り」が開催されました。東日本大震災や長野県北部地震、そしてあの日以来進行している東京電力福島原子力発電所で進行中の大事故、このような国全体が暗くなってしまいそうな時こそ、人びとのつながりを確認するためにもお祭りを元気に楽しむことが大切かもしれませんね。

shinshucow.jpg7月8日に福島県南相馬市の肥育農家より出荷された肉牛から放射性セシウムが検出され、国産牛肉の安全性が問題となっています。国などの調査によると、原発事故以降収穫された稲わらが原因であること、11県で2600頭余りが汚染の疑いがあり、45都道府県で流通していることがわかりました。それを受けて長野県でも3検体の検査を実施したところ、県農政部の発表では、放射性物質が不検出[註によれば『定量下限値は、おおむね3 Bq/kg です。これより低い場合は、精度が十分でないため「不検出」とされます』]と。さらに流通や使用状況を確認したところ原発事故以降に東北・関東域から収集された稲わら等の使用実態がないことが確認されています。JA長野県グループでは、安全性を最優先に考え、検査を長野県と連携協力し引き続き取り組みます。また、県内産から放射性セシウムが検出されていないことや、radiation_safety.gif原発事故以降、該当域からの稲わらの流通がないことから、信州肉牛の安定販売に向けた対応を行って参ります。もとより牛肉だけではありませんが、安全でおいしい農畜産物の提供に引き続き注力していきます。

disaster_prevention.jpg7月19日には、岡谷市周辺で13名の死者・行方不明者を出した豪雨災害のあった2006年から5年が経ち、岡谷市や辰野町では犠牲者を悼む催しが開かれました。8名が土石流で亡くなった岡谷市では、同日を「岡谷市防災の日」として定め、各地区ごとの避難体制など地域内で防災に取組むことが確認され、備えの大切さが伝えられました。緊急時の持ち出し袋を準備しておいたり、非難経路を確認したりと災害に対する心構えが取り上げられていますが、地震があったら、火事があったらなどさまざまな「まさか」の場面を想定することが大切です。

bondance.jpgいよいよ来週から8月になります。月遅れのお盆で人が集まったり、出かけたり、遠くから親戚や友人が訪ねてきたりの機会が増える季節ですが、家の中の方が熱中症になりやすいとの話もありますので、注意が必要です。夏バテにならないために、水分をよくとり、よく食べ、よく眠り、冷房の効きすぎに注意することが大切です。節電の今夏は冷房の効きすぎはあまりないかもしれませんが、健康的に夏を乗り切って、ハーベストムーンの味覚の秋へ突入しましょう。

11727cover_small.png*巻頭のカバー写真。きれいな黄色の野菜を見つけました。聞いてみると、マクワウリだと教えられました。昔食べた、懐かしいという声が多いのですが、栽培が比較的簡単な瓜で、今でも家庭菜園では人気とのこと。高級なメロンの代替品イメージが強いようで、お店ではあまり見かけません。しかしさわやかな甘さは、日本の暑い季節にぴったり。


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watermelonboy.jpg27日の今日は「スイカの日」です。すいかの特徴となっている縦の縞模様を綱(つな)に例え、7・27を7(な)2(つのつ)7(な)つまり「夏の綱」と語呂合わせで決められました。語呂合わせとはいえ、今こそがスイカの季節。産地は色々ありますが、これを読んだのもなにかの縁、どうか長野県産のすいかも試してください。わたしたちが幾度となくおいしいと言い続けている信州のスイカの味を、ぜひ試してみてください。きっと自然の甘さに喉が鳴ります。

climbing.gif28日は二十四節気・雑節等七十二候のひとつ「土潤(うるお)って蒸し暑」い日。また明治11年、1878年の7月28日には、ウィリアム・ゴーランドという英国人が槍ヶ岳の山頂まではじめて登りました。ゴーランドは「日本アルプス」という名前をはじめて使った御用学者ですが、世界的にはかのストーンヘンジを調べて世界に紹介した考古学者として知られています。William_Gowland.jpg日本アルプスという名前は、今では広く使用されていますが、1881年にイギリスの日本学者チェンバレンが編集した『日本に関するハンドブック』の中に、"Japanese Alps"として初めて出てきます。このハンドブックのなかの信州の山岳地帯の記述を担当したのがこのゴーランドで、彼は近代登山を日本に紹介したひとりであり、つまり彼が日本アルプスの命名者というわけです。その後、イギリス人宣教師ウォルター・ウェストンの著書により世界に紹介されて、日本アルプスの名は世界的に有名になります。

sinanominwa.jpg今週末の30日(土)には、上田わっしょいなど県内の各所で花火大会や夏まつりが開催予定です。正午から夜9時まで御代田町(しなの鉄道御代田駅下車)では「信州御代田 龍神まつり」が開かれます。当地に伝わる「甲賀三郎伝説」になぞらえた、日本一大きい龍といわれてる龍神「甲賀三郎」が、龍神太鼓の演奏で勇壮に舞うのです。遙か昔から龍の棲まう信州でありますから、担ぎ手が50名以上も必要だとされるおおきな龍のお姿は、一度は見てみたいものであります。夜8時から松本市波田地区では「水輪花火大会」が開催され、波田地区の小中学校などを会場として和太鼓やフリーマーケットなどが行われます。また信濃町では「第88回野尻湖灯ろう流し花火大会」が開催されます。灯ろうが湖に浮かぶ姿や湖に花が咲くような花火も野尻湖ならではですよ。

latesummer.gifこの30日は旧暦の6月30日です。新月。明けて翌日31日は旧暦の7月1日。31日は1日だけ旧暦と新暦の7月が重なっている日です。太陽が地球を一回りしてきて月が代わると8月1日には、諏訪大社下社秋宮でお船祭り。2月1日に秋宮から春宮にお遷した御霊代を春宮に戻す遷座祭に引続いて下社例大祭が秋宮でおこなわれます。遷座の行列の後に大きな舟に翁媼二体の人形を乗せ数百人の氏子がその舟を曳くことからお舟祭とも呼ばれます。2日後には七十二候の一つ「大雨時々降る」という日を迎え、8日後の8月8日には立秋となります。8月の満月は14日。

summer_im.jpg諏訪湖のほとりで約1ヶ月間続く毎年恒例の「諏訪市サマーナイトファイヤーフェスティバル」が8月1日(月)から9月2日(金)(15日は除く)の間20:30から15分間行われます。諏訪湖の花火大会は混雑することで知られていますが、これはゆったりと諏訪湖の花火を見るチャンスです。



indexarrow.gif 長野県の夏の気象の特徴 長野地方気象台のウェブサイトより

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農畜産物や店舗・施設の状況は変わることもございますので、あらかじめご了承ください。

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