新信州暦 夕方の西空に明るく輝く星ひとつ

heat_shinshu.jpg今年は特に厳しい残暑となっており、長野市でも暗くなると虫たちの声も聞こえてきますが、昼間はせみの声がまだ響き渡るように聞こえています。今週一週間は、最高気温が最も暑い時期を上回って軽く30度を越す日々が続き、23日には長野市で、24日には上田で35度上の猛暑日を記録しました。全国的には19日に岐阜県多治見市で38.8度を記録するなど、電気事業連合会の発表では、梅雨明けから猛暑が続いたため、7月の家庭消費電力が過去最高を記録したとか。お盆など夏休みを涼しい長野県内で過ごそうとこられた方もいらっしゃるでしょうが、今年は避暑になったのか疑問に思えます。もちろん街の中でなく、やや標高の高いところであれば、日陰や木陰にいて風が少しでもあるならエアコンがなくても過ごせる程度ではありますが、街の中にいてはそうもいきません。長野県全域では、8月16日以降22日までの間で124人の方が熱中症で救急搬送されたということです。heatwave_j.jpgここ数年毎年少しずつ夏の気温が上がっており、一体地球はどうなっていくのか、心配になります。気象庁は昨日「高温と少雨に関する全般気象情報」を、長野県に向けては「長期間の高温に関する長野県気象情報」を発表し、沖縄・奄美地方を除き、気温が平年を上回り、雨が少ない状態が今後2週間程度続くとして、健康や水、農作物、家畜類等の管理に十分注意するよう呼び掛けました。やれやれ、まだまだ、暑さが続きそうですのでみなさまも、水分補給、風通しを良くしたり、冷房や除湿機、扇風機などを上手に利用し、体調管理をしっかりして熱中症にご注意ください。

nap.jpg22日(日)に、県北部の飯綱町にある霊泉寺湖の「天狗カーニバル」に行ってきました。天狗のバルーンが一際目立っている中で、コンサートやフリーマーケットなどが行われていました。霊仙寺湖は長野市からそう遠くない所にありますが、標高が高いためかなり過ごしやすい場所でした。木陰で時々湖から吹く風は清々しさを覚え、気持ち良さそうに昼寝をしている方もあれば、広場でたこあげをする親子が何組もいました。涼風にあたりながら、山に囲まれた湖を眺めてほっとできるひと時は、なかなかのものです。

baseball_hischool.jpg第92回全国高校野球選手権大会の決勝が行われ、沖縄県の興南高校が優勝し、春夏連覇を達成しました。どの試合も白熱した展開で、お盆休みの暑い中、熱い気持ちで地元の高校を応援された方も多かったことでしょう。低迷する景気や、戦争や殺人事件など暗いニュースの多い中、明るい話題を提供し感動させていただいたひたむきな高校生のみなさんに感謝です。

kakashi.jpg伊那市では、中南米原産の雑穀「アマランサス」が見ごろを迎えているそうです。大人よりも大きい背丈で、オレンジ色の穂が畑を染めているようにも見えます。地元では、穂を花に見立てて「開花宣言」をしたとか。そして穂といえば田んぼですが、収穫が近くなってきたせいか、案山子やすずめおどしなどを設置して、鳥害からお米から守ろうという取組が県内各地で見られるようになりました。最近の案山子はマネキンなどを使っている方もいて、夕方に見ると薄気味悪いものもあります。鳥避けも色々なものが設置されていて、おおきな光る目玉形やキラキラ光るテープ、「ボーン」という爆音で鳥避けをする機械などもありますが、どれも人間と動物の知恵比べです。鳥避けの設備が付いた穂が実っている田んぼを見ると、小さい頃にテープを張るために周辺に打ち込んである竹棒や案山子にとまるトンボを採ったりして遊んだことを思い出します。

apple1.gifJAあづみでは早生りんご「シナノレッド」の出荷が最盛期を迎えています。8月上、中旬に成熟する早生種のリンゴです。甘みと酸味のバランスがよく爽やかな味のリンゴで、県内の比較的温暖な土地から関西や九州地方を中心に出荷されています。JAみなみ信州でもナシの「幸水」や早生種りんごの「サンつがる」の出荷が20日からはじまりました。春先の凍霜害や日照不足などで出荷が若干遅れ気味ですが、糖度が例年に増して高くおいしくなつているそうです。まだまだ暑さは退きそうもありませんが、くだものの秋がすでに訪れ、果物狩りもはじまっています。grapes.jpg伊那市のみはらしファームでは来週9月上旬にはノースレッドやナイアガラ、ピオーネなどが、またJA松本ハイランドファーマーズガーデンやまべでは、8月中はデラウェア、9月からは巨峰やナイヤガラ等の摘みとりが楽しめます。収穫しながら食べると味も格別ですよ。最近は、農産物にも色々な品種が出てきていて、馴染みのない品種を耳にすることが多くなりました。ぶどうでは、種がなく皮ごと食べられる「ナガノパープル」がありますし、「巨峰」でも種無し巨峰が出ていますが、「種がある巨峰の方が、本当の味がする」と言う農家の方もいらっしゃいます。りんごでは、長野県オリジナル品種のりんご3兄弟「秋映」「シナノスィート」「シナノゴールド」や小玉でそのまま食べやすい「シナノピッコロ」等がそろそろ直売所に並びます。食べやすい品種が消費者の方にうけているようですが、ぶどう、りんごと一様に総称されていますが、それぞれの品種にはそれぞれの特徴がありますので、是非長野県の秋をあれもこれも食べ比べしてみてください。

hanabi_final.jpg先週もお伝えしましたが、諏訪湖のサマーナイトファイアーフェスは9月3日まで続けられ、9月4日の第28回全国新作花火競技大会で、これでもかの約1万7000発が夜空を焦がして幕となります。諏訪湖の夏の花火の終わりは、そのまま信州に秋の訪れを告げるイベントになっていますが、それから2ヵ月後の11月には、すっかり秋も押し詰まって寒くなっているはずの長野市の広い河原で長野市えびす構煙火大会も開催されます。共に新作花火が打ち上げられますので一見の価値ありです。ぜひ、花火フリークのみなさんは平和のために火薬を用いるこれらのイベントにお出かけください。

top_0825_top_small.jpg*巻頭のカバー写真を入れ替えました。信州のおいしい水と空気をたくさん吸収して大きく成長している稲です。でも稲ばかりでなく、この水と空気を取り込んで成長している野菜や果物も、信州育ちのものはみな美味しいのです。今年は晴天と高い気温の影響で、例年より速いスピードで生長している稲。このまま天災など無くたくさん収穫されますように。


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eveningsky.jpg今朝早く、というより昨夜遅くが満月でした。月が地球から見てかなり遠くにあるので、明るい満月ではありますが、さほど大きくは見えませんでしたが。今月の初めには午前4時台だった日の出時間も、10日の日に午前5時になり、ここ数日は5時10分を過ぎるまでになりました。同時に日の沈む時間も午後7時近かったものがこのところずっと早まり、午後6時半には暗くなりかけています。1日の日のある時間も、1週間もしないうちに13時間を切るでしょう。毎日夕方の西の空の低いところを見ると、金星が明るく輝いています。これからしばらく金星は明るさを増していき、来月の半ばに最も明るくなります。金星は、地球の内側にあって太陽を巡っているために、真夜中の空には見ることができません。太陽が沈んだら西の空を見あげて金星があることを確認する日が秋の間続きます。

stargaze.jpg今月は夜空の星を観るのには絶好のシーズン。今の季節、夜明けの天頂近くに、目がよければプレアデス星団が見えるはずです。双眼鏡をつかえばもっと良く見えます。プレアデス星団は日本名を「すばる」という星の集まりですが、古来から地球各地の人たちにとって農作業と密接な関係のある星と考えられてきました。プレアデスが空から姿を消す春から夏にかけてが農作業の季節で、秋になってプレアデスが見えはじめるとそれは一年の実りを象徴すると考えられていたからです。夜明け前の天頂でプレアデスは秋の実りを祝福しています。

mato.jpg26日から諏訪大社(上社・下社)で御射山祭(みさやまさい)。諏訪大社上社の重要な狩猟神事の初日です。今では3日間ですが、昔は5日間続いたと記録にあります。江戸時代まではそれは「御射山御狩神事(みさやまみかりしんじ)」と言われていました。上社の御射山(みさやま)社は八ケ岳の山麓にあります。諏訪大社の分社であり富士見町と原村にまたがる林の中にある御射山社の穂屋(ほや)に諏訪大社の神さまが一晩篭ることから「穂屋祭」ともよばれていました。鎌倉時代、源氏の幕府は費用を信濃の豪族に交代負担させて全国の武将をこの神事に参列させ、八島高原や霧ケ峯一帯で武芸を競わせたりしたそうです。南北朝時代の説話を集めた「神道集」第4巻所収の『信濃鎮守諏訪大明神秋山祭事』では「平安時代初期、坂上田村麻呂が蝦夷征討のため信濃まで来た際、諏訪明神が一人の騎馬武者に化身して軍を先導し、蝦夷(えみし)の首領悪事の高丸を射落としたので田村将軍がとどめを刺すことが出来た。将軍がこの神恩に報いるため悪事の高丸を討ち取った日を狩猟神事の日と定め、御射山祭の始めとなった。この縁日(旧暦7月27日)になると討ち取られた高丸の怨霊が嵐を起こすといわれる」という伝説を伝えています。秋の台風は、滅ぼされた蝦夷の怨念だと考えられていたようです。御射山社祭の神事が終わる日没のころには、太陽と月と星(金星)を同時に拝むことができるとされ、これは「穂屋野の三光(ほやののさんこう)」といわれていて、諏訪七不思議のひとつになっています。この御射山祭ですが、今は、信州に夏の終わりを告げる祭礼とされ、サカナを川に流して厄を落とし、農作物の豊穣祈願と二才児の厄除健勝祈願が行なわれます。

cosmostop.jpg今週末28日、29日の両日、伊那郡阿智村の治部坂高原スキー場レストハウス横で恒例となったコスモス祭りが開催。トウモロコシ、御幣餅、産直野菜、木工芸品、和洋菓子、無農薬りんごジュースなどを販売するテント村がオープンしています。高原を吹き渡る爽やかな風、コスモスの花の海。「100万本のコスモスガーデン」は、標高1200mにあります。ペアシートの観覧リフト(700m)で快適な空中散歩が楽しめます。コスモスの開花はやや遅れ気味で、現在は咲きはじめたところで、9月の中頃に見ごろを迎えるようです。ユリの花はほぼ満開。

typhoon.jpg30日は、2010年がはじまってから242日目になります。今年の残りは123日。あと1週間で8月も終わります。そして9月1日、立春から数えて210日目です。この日は八朔(旧暦8月1日)や二百二十日とともに、農家の三大厄日のひとつとされ、台風が来て荒れ模様になるとされますが、実際のところは二百十日に台風が来ることはほとんどなかったとか。当ブログマガジンの次号の発行日が二百十日にあたりますが、今年は夏の勢力が強いために台風そのものの日本列島に近づく数が例年にくらべてとても少ないようです。それでもなにが起こるかわからないのが天気の移りかわり。注意にこしたことはありませんね。

indexarrow.gif 長野県の夏の特徴 長野地方気象台のウェブサイトより
indexarrow.gif 長野県の秋の特徴 長野地方気象台のウェブサイトより

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