農業現場に新風―活躍する女性営農技術員 Vol.1

 
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トルコギキョウの生産現場に出向き、生産者に管理方法などを助言する三澤さん(左)

個々の農家の技術指導はもとより、その経営から地域全体を見渡した調整役まで、JAの中核を担う営農技術員に女性の姿が見られるようになってきました。JAに営農指導者組織が設立され、今年で70周年。JA長野県営農指導者会議によると本年度、県内14JAなどに所属する営農技術員は662人。このうち女性は1割に届きませんが、新卒者を中心に採用が増えつつあります。2人の若手に志望の動機、日々の仕事の様子をうかがいました。

JA信州諏訪営農部原村営農センター
三澤彩華さん

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地元の諏訪市生まれ、育ちの三澤彩華さんは、県農業大学校(長野市)を経てJA信州諏訪に。営農部に配属され、1年目から同JAが全国一の生産量を誇るアネモネを中心に花きを担当して4年目の営農技術員です。

「中学のとき、将来は『花屋さんになりたい』と言ったところ、塾の先生から新しい品種をつくる育種という仕事があることを教えてもらい、その気になりました」

目標に向かって進学、就職先ともに探り、たどり着いたのが現在の仕事です。「落ちまくって、気落ちしたこともありましたが...」と笑いつつ、原点を思い出してくれました。

全国一のアネモネ産地で花栽培の技術を磨く

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先輩の町田智美さん(右)と昼休みのひととき

アネモネは冬の花で、出荷は早ければ9月からですが、同JAにはトルコギキョウやキク、カーネーションなど夏場の出荷最盛期を迎えている花もたくさんあります。午前中はその集荷作業に立ち会い、傷みや虫の痕跡があれば、すぐに生産者と連絡を取り、場合によっては直接農家を訪ね、対策を取ります。

「登録農薬といって農業で使える薬剤は限られています。農家の手持ちから成分を見て、使える農薬を提案します。『効いた』とお礼を言われると、うれしいですね」

やりがいを感じる瞬間です。しかし、実際の集荷作業は体力勝負。女性には厳しい面があることは事実です。

「トルコギキョウなら一つの段ボール箱に40本。重さで考えたことがないので正確な重量は分かりませんが、ずっしりと重く、1年目は死ぬかと思いました」

当番でセルリー(セロリ)、キャベツ、ブロッコリーなど、花以上に重量がある野菜の集荷にも立ち会う必要があるので、"きつさ"は、なおさらかもしれません。

そんなハンディもありますが、「若い女性だからかな? 農家さんはみな優しいし、職場の同僚も力仕事など気を遣ってくれます」と三澤さん。

4年目、生産現場の課題にも目を向けて

いまだ解決の糸口がつかめていませんが、就任当初からアネモネ(ミストラルプラス)の茎割れや曲がりを抑え、出荷できる割合を高める方法を探っています。

「今年は県の担当者とも相談して別のアプローチを考えています」。さらに「4年目なので」と強調して「常々営農部から促されている新しい品目の導入についても考えていきたいですね」と今後の目標を語ってくれました。

 
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昭和人Ⅱ

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