桃の季節がやってきました!
長野県産の桃は、7月から9月にかけて品種リレーで出荷されます。お近くのスーパーでも長野県産の桃は購入できますが、おいしい桃を求めて長野県内の直売所を訪れる方も多くいらっしゃいます。
今回は直売所の出荷に力を入れている桃の生産者を取材しました。
直売所は出荷者にも面白い
長野県南部に位置する飯田市座光寺の果樹農家、福田 博之(ふくた・ひろゆき)さんの圃場を訪れました。
福田さんはお父さんのご逝去に伴い、農地を相続して果樹農家となり、今年で就農8年目。現在はお母さんとふたりでりんご・なし・もも・市田柿を合計およそ84aの農地で栽培しています。そして、JAみなみ信州の直売所などへ果物とシードルを出荷しています。
福田さんが所属するJAみなみ信州青年部 果樹班の有志が企画し、それぞれの農園で栽培されたりんごを使ったシードル「THE COZY(ザ・コージー)」。「COZY」は英語で「居心地が良い」という意味で、飯田市内の地名「座光寺」ともかけている。「飯田人形劇フェスタ」をモチーフにしたラベルが目を引く
「直売所への出荷は、自分で栽培したものを市場価格ではなく、自分で評価して値段をつけられたり、荷姿などちょっとした工夫でお客さんにうける商品づくりができるので面白味を感じています」(福田さん、以下同)
福田さんのアイデアは直売所のスタッフやほかの生産者にも採用されているそうです。そのアイデアを見せていただきましょう。
取材した7月5日は小雨が降るなか早生品種の桃「日川白鳳」を収穫
収穫した桃。結露防止やカビ防止のため水滴を乾かしてから梱包する
買いやすく売りやすい荷姿に整える
お客さんが買いやすいように小分けにして梱包し、値札を貼ります。その際、値札をあえて一部分だけ貼るのが福田さんのこだわりです。
「直売所で値段を変える際には、新しい値札に貼り換えなければなりません。値札がはがしやすいように、シール全部を貼らずに一部分だけ貼るようにしています」
お客さんはお土産やお裾分けする際に値札を取りやすく、お店の方は桃の丸みの影響を受けずにバーコードを読み取れるので、評判がいいそうです。
ラベルの左端だけが袋についています
傷があったり規格外の商品は「わけあり」表示をして安く売っています。
お客さんも表示があれば「わけあり」だから安いんだな、と購入するときに気づくことができますね。
棚出しでお客さんとコミュニケーション
直売所の棚出しは、出荷者自らが行います。
棚出しする福田さん。直売会員はオレンジキャップをかぶっている
桃を並べていると、お客さんが早速「おいしいの、どれ?」と福田さんに話しかけてきました。福田さんは「上の方が赤黒くて、白い点々がある桃がおいしいですよ」とお客さんに伝えつつ、希望にあった桃を選んで渡します。
上の部分が赤黒く、果点(白い点々)がある桃
「お客さんと直接コミュニケーションが取れるのも直売所ならではですね。桃を選んでもらいたいお客さんの列ができるときもあります」
生産者の顔が見えるのは直売所ならではですね。
直売所へ足を運んでください!
「私が出荷する直売所『もなりん』は、以前は桃の時期は渋滞が起きるほどお客さんで賑わっていました。コロナ禍で直売所を訪れるお客さんが減り、直売所での桃の受け入れも減りました。コロナが落ち着いてたくさんのお客さんに桃を買いに直売所に足を運んでいただけたらと思います」
福田さんの桃(中央)がびっしりと並ぶ売り場。品切れにならないよう1日に複数回、棚出しをする
この夏はおいしい桃を求めて、ぜひ長野県の直売所にお越しください。
直売所もなりん
住所:長野県下伊那郡松川町大島2181-1(中央自動車道松川インターより車で約3分)
TEL:0265-34-1256
営業時間:9:00~18:00(7月~12月)、9:00~17:00(4月下旬~6月、1月)
もなりんでは規格外品が人気。取材時は 桃「日川白鳳」「たまき」の規格外品が並んでいた
JAみなみ信州では主力の桃である「あかつき」「白鳳」の出荷が7月18日から始まります。2022年度の直売所での販売期間は7月19日から8月7日(予定)。7月30・31日に販売ピークをむかえる予定です。