そのカフェは、中央アルプスと南アルプスに囲まれた松川町にあります。りんご畑の真ん中にある、そのお店の名前は「くだものカフェほうほう」。どこか落ち着ける雰囲気のお店からは、南アルプスを見ることができます。
Iターンりんご農家の新しいカタチ
オープンしたのは2018年2月。店主さんご夫婦はもともと県外出身でした。ご主人はりんご農家で修行を積んだのち、新規就農で「甘実処おおば農園」を、奥様は松川町の地域おこし協力隊で活動したのち、こちらのカフェを始めました。
店名の「ほうほう」には、この地方の方言で「ほうかな、ほうかな(そうなのか)」とおじいちゃんおばあちゃんが打つ相槌と、アルプスに囲まれている立地から「峰(ほう)」、くだものがたくさん実る豊作から「豊(ほう)」などの意味が掛け合わされています。
古民家をカフェの店舗として使用しています。玄関で靴を脱ぎ、扉を開けるとカフェスペースになっている広々とした居間が現れます。ふすまを張り替えただけで、元の持ち主が残したまま使っているという居間にはジョニ・ミッチェルが流れ、まるで我が家にいる気分で、初めてとは思えないほどくつろぐことができます。店主さん曰く、「昼寝をしていく方もいるし、編み物していく方もいる。ゆっくりできるカフェにしたかったので(そういう使い方をしていただけるのは)うれしいし、くつろいでいってほしい」といいます。
めずらしい果物料理が食べられる!
農園の営業活動も兼ねているというカフェでは、農園で採れたりんごを使ったワンプレートランチとデザート、ドリンクをいただけます。
本日のメニューは、
「せいろで蒸かしたきのこおこわのランチ」
- ・きのこたっぷりのおこわ
- ・わが家のシナノスイートと生ハムのサラダ~自家製りんごジュースのドレッシング~
- ・いろどり野菜にデミグラソースのさんさんグリル
- ・小松菜とカニカマの信田まき
- ・干ししいたけと大根のスープ
食材のお米や野菜はもちろん松川町内で採れたもの、ソーセージも松川町産です。「松川町で採れた農産物を松川町で食べたい」という観光のお客さんの声にも応えています。お料理のこだわりを尋ねると「この時期に採れた季節のもの、自分で収穫したもの、町内産のものを使っています。くだものカフェってなかなかなくて、デザートだけではなくて料理にもくだものを使っているところです」と教えてくれました。
訪れた10月はシナノスイートがメインでしたが、11月~12月はサンふじ。その他の季節では、サクランボやブルーベリー、桃など旬のくだもの料理を楽しむことができます。いつ、何度訪れても楽しいカフェです。
旬のフルーツたっぷりの創作スイーツ
季節のくだものと焼きたてパイ
自家製アイスにくだものソース
写真のデザートは、季節のくだものと焼きたてパイ、自家製アイスにくだものソース。アイスは地元産の牛乳を使って手作りしています。「くだものがおいしい時期は甘さ控えめにして、素材の味を楽しんでもらえるようにしています」と、主役であるくだものに配慮したデザートです。この日は、パイには自家製のシナノスイートが、アイスには町内産の食用ほおずきのソースが使われていました。
いろいろくだものマチェドニアソーダ
ホットアップルジュース
ドリンクは、「いろいろくだものマチェドニアソーダ」と「ホットアップルジュース」。こちらにも自家製りんごと食用ほおずきが使われています。
ご希望の方にはレシピも教えてくれるので、気に入ったメニューがあったら、ぜひ店主さんに声をかけてみてください。おうちで再現できるのも魅力です。
ワンプレートランチ、デザート、ドリンク共に営業は完全予約制です。1週間前までにご予約をお願いします。
甘実処おおば農園では、りんご狩り体験も受け付けています。体験は予約が必要ですので、電話にてご予約ください。
- 長野県下伊那郡松川町元大島4748
- TEL 0265-48-5967
- 営業時間 金・土・日曜の11:00~18:00
- 定休日 月~木曜
- ※1週間前までにご予約ください
■公共交通機関でのアクセス
JR飯田線「伊那大島駅」からタクシーで10分
まつかわフルーツバス「伊那大島駅前」から「米山宅北」下車、徒歩5分
まつかわフルーツバス「伊那大島駅前」から「堤原」下車、徒歩15分