春直前の寒さが一段と厳しさを増してくるこの季節、長野県大町市のJA大北社(やしろ)支所(大町市大字社1757)に隣接する直売所では、この寒さを生かした伝統食品である「凍り餅(もち)」作りがはじまっています。県内有数の餅米産地である大町市では、この社(やしろ)直売所のほか、同市常盤地区の「かたくり」直売所(大町市大字常盤字須沼)などでも、「凍り餅」が作られています。なに? 「凍り餅」をご存じない? ではこの特別な餅について、お教えしましょう。
「凍り餅」は、臼でついてのした餅を長方形に切り、和紙で包んで14個を一連にして、2晩ほど水に浸します。 その後、軒下に吊るして約2カ月間寒風にさらしたあと、乾燥させて仕上げたものであります。 食べ方は、水に浸し戻して食べたり、揚げたりして食べるほか、非常食や、もち米本来の自然な甘さから、離乳食としても昔から親しまれています。
社(やしろ)直売所では、1月中旬から2月上旬までに、直売所の生産者など22人が共同で約1000連の「凍り餅」を作ります。臼でドスン、ドスンと威勢の良い音をたてている隣では、別の生産者が黙々ともちを包む姿が見られました。製造個数が限定されているために、同直売所では「寒中期間だけにしか生産できないので、数が少なく、毎年凍り餅目当てに、大勢の方が買い求めてくる。早めに買ってもらうことを勧めている」と話しています。同直売所の、今年度の営業は3月1日からで、一連1200円で販売されるとか。
毎年好評につき全国に発送も可能に!
また大町市常盤地区の農産物生産者が運営する「かたくり」直売所は、注文に応じて凍り餅を全国へ配送し好評です。凍り餅は「がんばる母ちゃんの杵(きね)つき」と名付けられて売られています。常連の顧客や県内外の観光客から「できれば、配送での販売もしてほしい」との要望が多ため、直売所やJA大北ときわ支所が注文を取りまとめ、全国発送をはじめました。「毎日凍り餅の注文の電話がひっきりなしに掛かってくる。電話による予約注文は早めにお願いします」と、直売所の平林利美子部会長は話していました。同直売所では2種類の凍り餅(白、よもぎ入り)を今年は一連1000円で販売することになっているのですが、2月下旬までに予約されると特別予約販売価格としてなんと一連900円の割引き価格となります。ただし地方発送の場合は、送料が別途かかります。凍り餅のご予約はただいまJA大北「かたくり」直売所とJA大北ときわ支所の2カ所で受け付けています。
限定生産「凍り餅」のご予約はお電話で
JA大北「かたくり」直売所 0261-22-8839
JA大北 ときわ支所 0261-22-0209