今年もド迫力!特異なお顔で集落を見守る道祖神

芦ノ尻道祖神

完成間近。さて、今年はどんな表情に?

天気に恵まれた1月7日、長野市大岡の芦ノ尻地区で、道祖神祭りが執り行なわれました。長野市大岡(旧大岡村)は、長野市、松本市、上田市を結ぶ三角形のほぼ中央に位置します。海抜450m〜900mと高く、急な傾斜地に点々と集落が形成されてきました。村の西側には犀川が流れ、南東には筑北三山のひとつ聖山(標高1,447m)がそびえます。

立派な道祖神を守る芦ノ尻地区のみなさん

この地域には、昔、周囲の村で病がはやった時、医者が「はやり病が村に入ってこないように」と、村境の芦ノ尻道祖神に祀り、悪霊を追い払ったという言い伝えがあります。今では、縁結びの神様としても祀られ、毎年1月7日に正月の松飾りのしめ縄で、道祖神の文字碑に独特の神様の顔「神面(しんめん)」がつくられます。その特異な表情が注目され、1998年長野冬季オリンピックの開会式にも登場して有名になりました。

芦ノ尻道祖神

旧道に面して、「はやり病が入ってこないように」と道祖神が祀られた

現在のような神面がつくられるようになったのは、明治時代の初期からといわれています。県の無形民俗文化財にも指定され、芦ノ尻地区の33戸によって大岡道祖神保存会が結成され、伝統を受け継いでいます。

芦ノ尻道祖神

昨年の神面

集落を守り、無病息災を願う
伝統の道祖神祭りをこれからも

平成27年1月7日の午後1時30分、道祖神に参拝をして、今年の神面をつくる道祖神祭りが始まりました。地元の小中学生も飾り付けを手伝います。

芦ノ尻道祖神

昨年の神面を取り外す

芦ノ尻道祖神

集められたお正月飾り

まず、昨年の神面を取り外します。取り外された藁は、夜に行われるどんど焼きでお正月飾りと一緒に燃やします。同時に、各家庭から集められたしめ縄を使って、神面となる目や鼻、口などをつくります。取り外す人、神面を作る人、とそれぞれ分担して、作業が進められます。
集まるしめ縄は毎年異なり、つくり手も交代で担当します。そのため、毎年異なる神面ができます。地区内外から集まった方々は「今年はどのような神面ができるのかな?」と楽しみに見守ります。

芦ノ尻道祖神

分担して作業が進められます

芦ノ尻道祖神

神面のひげをつくる

芦ノ尻道祖神

神面の口をつくる

およそ1時間半で、今年の神面ができあがりました。完成後、皆で参拝をしてお神酒をいただきました。神面はどのような表情に見えますか? 今年も、集落を守る凛々しい神面に仕上がりました。北アルプスを眺める道祖神に、今年一年集落の無病息災を祈ります。

芦ノ尻道祖神

完成した、今年の神面

芦ノ尻道祖神

左から、3つの杯、鯛、酒樽がそえられる

芦ノ尻道祖神

3つ重ねられた杯

芦ノ尻道祖神

道祖神から眺める北アルプス

芦ノ尻地区の区長、廣田清さん(75)は、「今年も立派な神面になった」と満足げに語ります。「若い人は街へ家を建てて出ていってしまった。人口も減少する中で、いつまでこのような道祖神祭りが続けられるか心配」とも言います。長野市大岡(旧大岡村)の人口は、平成6(2004)年には1,700人ほどいましたが、平成25(2013)年には1,100人ほどに減少しました。

芦ノ尻道祖神

芦ノ尻地区 区長の廣田清さん

夜6時から、お正月飾りや古い道祖神の藁などが燃やされ、どんど焼きが行われました。残った炭火で餅を焼き、その餅を食べることで無病息災で過ごすことができるといわれています。

参考:芦ノ尻道祖神のホームページ

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ピーチちゃん

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