「ゆっくり楽しく、自分たちの飲みたい酒を造りたい」と佐藤専務(手前)
自らホップ栽培をするブルワリーは全国でもごく少数派。「なぜここまでして…」とブルワリーを取り仕切る佐藤栄吾専務にたずねてみると。「楽しいから」。拍子抜けするほどシンプルです。
このひと言にビールの、そしてこのブルワリーのおいしさの秘密が込められているのかもしれません。
どんなお酒の造り手にも、ある種の情熱を感じます。ただ、ここで感じたのは、ストイックで生真面目なそれとちがって、陽気で、周りの人を明るくさせる開放的な情熱でした。造り手のみなさんが持っている楽しい感じ。これはビールの味に間違いなく影響しているだろうと思わずにはいられません。
実際、この日もブルワリーにはさまざまな人が「勝手に」集まってきて、お手伝いをしていまし。先述の台風の直後は、収穫が完了して収穫すべきホップがないにも関わらず、たくさんの人がお手伝いに馳せ参じたとのこと。みんな、この「楽しさ」につられて来るんですよね、きっと。
摘んだホップは醸造所に運び、手で揉んで細かくします。
ビールの性格の決め手となるホップの香りと苦みの成分は、実の芯に存在する黄色いつぶつぶ「ルプリン」に含まれています。ルプリンの効果をビールに取り込むため、この手揉み作業は欠かせない工程なのです。
ホップの下処理作業と並行して、同じ屋根の下でタンクによる造りも行われているのですが、佐藤専務はじめとするスタッフのみなさんは、ひとたび造りモードになると一転して引き締まった表情に。