人びとを街に呼び戻す軽トラ市の魅力を探る

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日曜日(7月24日)の朝8時。長野市の篠ノ井駅前通りに異様な光景がありました。通りの両側に縦列駐車する軽トラ、軽トラ、軽トラ・・・。軽トラがつぎからつぎへと集まってきていました。一体なにが始まるんでしょうか? 場所を確保した軽トラの周りでは、せっせとテントを立てたり、荷台を整理したり、看板を出したり・・・。やがて軽トラがお店みたいになり、通りがまるでどこか異国の町に並ぶバザールの様相を帯びはじめました。こんな事ができたのですね。これが今、地方の商店街で話題の「軽トラ市」だったのです。長野でも今年の5月からはじまり、今回で3回目を迎える「ながの軽トラ市」。商店街の活性化に結びつくのか? 軽トラ市を取り巻く人びとの想いは? その熱意を感じに、第3回ながの軽トラ市に行ってきました。

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長野市の南部に位置する篠ノ井。JR篠ノ井駅は、長野・新潟方面へのJR信越本線、松本方面へのJR篠ノ井線、軽井沢方面へのしなの鉄道の3路線が乗り入れる駅です。長野自動車道更埴IC、上信越自動車道長野ICから車で15分と、電車でも車でもアクセスするには便利な場所にあります。その篠ノ井駅の目の前で、朝8時半から軽トラ市は開かれています。

「軽トラ市」とはなにか?
初めてこの名前を聞いたときは、軽トラックを売っている市場かなと思いました。軽トラは日本の田舎の必需品です。しかし違いました。軽トラ市とは、軽トラックの荷台を利用したフリーマーケットのことでした。出店の条件は「原則、2000円の参加費と軽トラックで出店する」ことだけ。

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軽トラに思い思いの商品を積んできて、そのまま荷台を商品棚に使うことが出来るので、出店者も楽ちん。農産物中心の軽トラ市も多いですが、ながの軽トラ市では、農産物や加工品だけでなく、手作り品や工芸品など、だれでもなんでも売ることが出来ました。軽トラの荷台が自分のお店になるのです。

新鮮な農産物が大人気!
販売開始の8時半すこし前。まだ時間はあるのですが、すでに人気の軽トラにはお客さんが群がっていました。人気はやはり農産物。それもそのはず。軽トラ市で売られる農産物は新鮮でお買い得な物が多く、旬の物などは1時間もしないうちに売り切れてしまいます。人気の品物の中でもなるべく良い物を選んで買おうと、開店前からお客さんたちの目利き合戦がはじまります。販売開始時刻の8時半になると同時に購入し、次の軽トラへ移動。お買い得な良い物を買おうという、そのエネルギーには脱帽です。

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当然そんなお客さんへ商品を勧める出品者さんたちも気合い十分です。元気の良いやりとりを見ていると、元気が無いように思えた商店街に活気が戻って来たようでうれしくなります。

アスパラ、ジャガイモ、トマト、なす、杏、桃、花など、地物の新鮮な農産物を並べた軽トラがあるかと思えば、手作りのおやき、卵焼き、パン、クッキー等を売っている店も。味噌の量り売りをする軽トラショップもありました。変わりどころでは、おもちゃや工芸品、スポーツ用品を売る軽トラも。実に多種多様。さながら縁日のように、おいしそうな焼き鳥やヤキソバのにおいを漂わせている屋台風の軽トラもありました。看板娘や看板息子、看板犬までいてみな大活躍。まるでお祭りに近い雰囲気で、子供連れでも楽しめます。この日はとても暑く、かき氷を売る軽トラも繁盛していました。

様々な形がある、地域への想い
いゃー、いろいろなお店があるなぁとぶらぶらしていた時、突然エレキギターの音が聞こえてきました。急いで駆けつけてみると、商店街の真ん中でロックバンドが演奏をはじめているではありませんか。聞けば、地元篠ノ井に縁のあるバンド2組が、軽トラ市を盛りあげるために演奏したいと申し出、このライヴが実現したようです。

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晴天の商店街に響くロック音楽。とても爽快で、元気になれます。年配のお客さんも立ち止まって聴いていました。話を聞いてみると「いつもはこういう音楽は聴かないんだけど、若い人がやってるのを見ると元気が出る気がするね。」との声。軽トラ市で演奏しようと思いついた、地元のバンド"エレクトリックシュークリーム"のメンバーに話を聞きました。

「6月の第1回軽トラ市に来てみて、なんだか音楽が無くて寂しい感じがしたんですよ。地元の商店街が頑張ったイベントが寂しいっていうのも嫌なんで、自分たちの音楽で盛りあげることが出来たらいいなと思って実行委員会にライヴを提案したんです。そうしたら、元気が出て良いんじゃないかって快く承諾してもらえました。まあ、純粋に野外でライヴしてみたいって気持ちももちろんあったんですが(笑)」

みんなが自分の出来ることを生かして地元を元気にしたいという積極的な思いが、今回の出演に結びついたようです。今回出演したのは2バンドだけでしたが、9月の軽トラ市でまた演奏できればと考えているようでした。そのときは地元の高校生バンドなども呼んで、もっと盛りあげたいそうです。

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軽トラ市と商店街
実行委員の一人で、長野軽トラ市オフィシャルブログの記事も書く大澤慎也さんは、長野市で軽トラ市をやろうとはじめに提案した一人。各地の軽トラ市に足を運び、日々研究しています。そんな大澤さんが、ながの軽トラ市が3回目を迎えた今、課題と感じていることをたずねてみました。

「日本一と言われる宮崎県川南町の軽トラ市をはじめ、様々な地域で軽トラ市が地域活性化に貢献していることを知って、長野県でも軽トラ市で商店街を活性化できるんじゃないかと考えたんです」

「軽トラ市で商店街を盛り上げようとしても、お客さんが買うのは出品者さんの商品だけで、実際商店街にはお金は落ちないんですよね。これはどこの軽トラ市でも同じ。だから今後は商店街でも物を買ってもらうように、100円商店街みたいなのを軽トラ市と一緒にやったらどうかと考えているんです」

"100円商店街"とは、商店街を100円ショップに見立てて、各店舗で100円の商品を店先に用意してもらうという、全国各地で導入されている商店街活性化事業のこと。軽トラ市にやってきたお客さんなら、商店街の店舗の中にもお買い得商品があると知れば、軽トラを巡るのと同じように入ってみる可能性があるからです。

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長野県のあちこちで毎週市場を開きたい
「生産者の方には、軽トラ市で地域活性化ができることをもっと知ってもらいたいです。新鮮野菜が長野県の大きな観光資源であるという意識を浸透させたい。直売所は大盛況ですからね。それを街中へ持ってこようっていう単純な発想です。とりあえずは、1万人の集客を目指します。もっと野望を言えば、ながの軽トラ市だけじゃなくて、県内でも市内でももっと軽トラ市が開催されて欲しいですね。毎週どこかで軽トラ市が開かれていて、相互の交流が出来たりすればもっと良くなる気がします。県外の軽トラ市と提携して、商品を交換し合ったり、可能性はたくさんあると思うんです!」

地域の活性化を目指すうえで一番重要なのは「仕組み」ではなく、「人」のようでした。大澤さんをはじめ実行委員会のみなさん、たくさんの出店者さん、お客さん、応援サポートバンドのメンバーなど、みんなの気持ちと元気が合わさって、地域の活性化が動き出しているようです。

次回は8月の28日です
こうした地域活性化への熱い想いに支えられて、ながの軽トラ市はまだまだ進化していくでしょう。長野県に来る楽しみも増えるでしょう。11月まで毎月第4日曜日に、篠ノ井駅前通りを歩行者天国にして開催されるので、バザールの雰囲気を味わうために、新鮮野菜を獲得のために、足を運んでください。次回第4回目は8月28日、日曜日に開催されます。

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もちろん想像力豊かな出店者も募集しています。軽トラの出店料は1台2000円ですが、終了時に商店街で使える2000円分の商品券をもらえます。出店希望の方は、ながの軽トラ市実行委員会までお問い合わせください。


ながの軽トラ市へアクセス:

 ・長野軽トラ市オフィシャルブログ

 ・ながの軽トラ市実行委員会メールアドレス naganokeitora@gmail.com

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