あなたの舌を堪能させる南信州は大鹿村の食

初夏の美しい村でわたしたちを待っていたもの 下編

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長野県下伊那郡大鹿村(おおしかむら)。人々が日本列島の原風景と呼べるものと出会うところ。そこは長野県のみならず、日本を代表する風景として、季節ごとに表情を豊にかえる、世界に誇れる村。大自然の真ん中にある大鹿村の初夏の旬の魅力を伝える3回連続の最終回は、山の食材の概念にパラダイムシフトを迫る美味な食についてのお話しです。大鹿村には、心を落ち着かせ癒しを与えてくれる南アルプスの大自然と、豊富に湧き出る水などの豊かな環境で創られるおいしい食材がいくつもありました。

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北川牧場 大鹿村 写真提供大鹿村役場産業課

自然な肉のおいしさを確認する
ひとつめは「ジビエ」。ジビエ(gibier)とは、フランス語で「狩猟によって得た食肉」という意味です。大鹿村近郊には鹿が多く生息し、肉食文化が定着していない時代から狩猟がおこなわれていて、鹿肉を「山の肉」と呼び、村の人たちは尊んできました。

自然で育った野性の鹿には野山を駆け巡った旨みが凝縮されています。栄養面では、鹿肉の鉄分は豚肉の10倍、牛肉の7倍といわれ、さらにカロリーは、ナント4分の1。健康食としても人気で「ヘルシーミート」呼ばれる由縁でもあります。

現在ジビエ料理は、村全体で盛りあげられ、各温泉施設、レストラン、お食事どころなどで様々な工夫を凝らし、鹿肉の持つ独特な旨みを最大限に引き出すように調理されて提供されています。

さらに、村内にある獣肉加工施設では、長野県の「信州ジビエ衛生管理ガイドライン・衛生マニュアル」により厳しい安全品質管理がなされているので「安全」「安心」しかも「新鮮」です。

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ここに写真で紹介したのは前回の山塩でも紹介した鹿塩温泉「湯元 山塩館」さんで振舞われる「鹿肉のロティ」。当然自家製の山塩で味わいます。専務で、調理も担当する平瀬定雄(ひらせさだお)さんは、ヘルシーミートの魅力を、「手間をかける分だけ、美味しくなるお肉です」と話します。

待ちきれず口に運ぶと、創造しているよりも何倍もやわらかいことに驚きます。また、あふれる肉汁にすっかりとりこになってしまいます。「提供しているのは、大鹿村の天然の鹿。匂いや臭みもないので、女性のお客様に好評です」と教えていただきました。

また、お皿に盛りつけられている野菜は、大鹿村や飯田市など下伊那地域の地物で、当然旬によって変わります。「本物の鹿肉の味を、多くの方は味わう機会がありません。大鹿村のジビエを楽しんでほしいですね」と平瀬さんは話してくれました。

ほかにも、鹿肉を使ったハンバーグ、コロッケ、カレーにサラダ、ポトフなどなど、いずれも時間と手間を十二分にかけた一品が楽しめます。第1回目で紹介した「おい菜」さんでは、鹿肉のサラミやソーセージも堪能できます。食べ比べてみるのも、よいかも知れません。

大鹿村のジビエについてもっと知りたい

おいしい野生、大鹿ジビエガイド pdfdoc.jpg

鹿塩温泉 湯元 山塩館
〒399−3501
住所:長野県下伊那郡大鹿村鹿塩631
電話:0265−39−1010
※ご予約&お問合せam7:00〜pm10
山塩館オフィシャルページ

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特別な大豆から生まれる特別な豆腐
大鹿村のおいしいもののふたつめは、豆腐です。大鹿村で作られた大豆「中尾早生」と天然のにがりから作られた美濃屋豆腐店の手作りもめん豆腐。昔から続けられる伝統の手作りをかたくなに守り、一日に約100丁ほどしか作れないこだわりのお豆腐で、とにかくおすすめです。

大豆は昔から醤油、味噌、豆腐などに使われ生活に欠かせない作物でした。大鹿村でも同じです。より優良品種をと努力が重ねられて、大豆を掛け合わせるなど改良を行いこの土地にしかない「中尾早生」という大豆が誕生しました。

toufu_house.jpg畑の傾斜がきついため、農家の手がかかる分、しっかりと根を張って育ちます。しかも山の太陽をいっぱいにあびるため、一粒一粒にツヤが出るのです。豊かな大地の栄養分を吸収した大豆は、皮が薄く、香りが良くて、コクと甘みが多いのが特徴です。

豆腐にもそうした大豆の特性が生かされ、口に入れてみるとやさしい甘さと深いコクを感じます。その味は、平成16年の長野県と長野県豆腐商工業協同組合主催の品評会で、理事長賞に選ばれ認められたほど。「先代からの味を守り続けています。食べ方は、シンプルにやっこや湯豆腐でお召し上がり下さい」と美濃屋豆腐店の店主に教えてもらいました。

美濃屋豆腐店
〒399−3501
住所:長野県下伊那郡大鹿村鹿塩364−1
電話:0265−39−1028
FAX:0265−39−1028
営業時間:午前9時〜午後3時
定休日:木曜日
※大鹿豆腐などの通信販売もあります
美濃屋豆腐店ウェブサイト

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摘みたてのブルーベリーのおいしさに開眼
最後に紹介するのは、間もなく旬を迎える「ブルーベリー」。甘くて、ちょっぴりすっぱい高原の味です。大鹿村では、ブルーベリーの導入が県内でも早く、多くの農家が栽培しています。

blueberry_field.jpg早速、標高1000メートルにある羽打農園(はぶちのうえん)をのぞいてみると、そこでは準備に余念がありません。園には、約400本のブルーベリーの木が並んでいました。天の上にあるようなブルーベリー園は、標高が高いため夏でも涼しく、この冷涼な気候のおかげで栽培しやすい環境にあります。

ただ、ブルーベリーは急な寒さや乾燥にも弱いため、地面にわらを敷き詰めるなど、しっかりした対応もしています。ブルーベリーには「アントシアニン色素」と呼ばれる色素が含まれていて、眼によい効果や活性酸素を抑えることで、ガンや呼吸器系の疾患、老化防止になるといわれています。

羽打農園さんでは、7月10日あたりからブルーベリー狩りを予定しています。リピーターの方が多く、朝一番に訪れて、朝食代わりに楽しむ方もいるとか。また、ブルーベリーは熟すと、日持ちしないため、園主奥様によるブルーベリージャムを自宅の施設で作ります。このジャムは、絶品で果肉を残しつつかなり甘さ控えめ。ブルーベリーの本来の味がしっかりしていて、パンやヨーグルトに良くあいます。長野県のおいしい食べ方編集部では、絶賛のジャムです。

羽打農園
〒399−3501
住所:長野県下伊那郡大鹿村鹿塩226−ロ
電話・Fax:0265−39−2459
※ブルーベリー狩り、ジャムともにお問い合わせの上ご確認下さい

この夏はぜひ大鹿村にお出かけを
「初夏の美しい村でわたしたちを待っていたもの」として3回連続で特集した南信州大鹿村。そこには、大自然の中で、花を愛でる人、塩に情熱を捧ぐ人、然猟をする人、野菜を作る人、料理をする人、大鹿村を愛する人など、あたたかい人の触れ合いとたくさんの笑顔がありました。自然の恵みと人が、やさしく調和する村に、この夏、足を運んでみてください。


大鹿村の観光情報なら

ビガーハウス
〒399−3501
住所:長野県下伊那郡大鹿村大河原389
電話:0265−39−2929
営業:通年、9:00〜17:00、休業日(毎週水曜日)
*大鹿村のことを知りたい、大鹿村の今の情報を教えてほしい、そんな時、観光協会が運営する「ビガーハウス」がおすすめ。村内の宿や食、旬の農産物、お土産などの情報からアクセス方法まで、なんでもを教えてくれます。


参考サイト

・大鹿村公式ウェブサイト(http://www.vill.ooshika.nagano.jp/)
・大鹿村観光協会(http://www.ooshika.com/)


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