そのカフェは、リンゴの産地で有名な長野県北部の上水内郡飯綱町にあります。名前は「Cafe 傳之丞(かふぇ でんのじょう)」。代々続くリンゴ農家の屋号から名付けました。
築70年の古民家がおしゃれなカフェに
店主さんはリンゴ農家に生まれ、県外でパテシエやパン職人の勉強をした後、実家に戻りカフェを始めることに。実家は山下フルーツ農園で、使われていなかった母屋の一部を利用して、1年前(2017年4月22日)に、Cafe 傳之丞をオープンしたのです。
駐車場に入ると、農園の一角にヤギの小屋があり「めーこ」と名前があります。子ヤギも一緒に迎えてくれます。庭には、古い井戸や水車もあって農家の暮らしの空間がそのまま生かされています。
土間を上手に使った玄関を入ると、右手にショーケースのある受付があります。おいしそうなケーキやキッシュが並び、焼き上がったベーグルも次々と置かれていきます。テイクアウトだけでも利用することができますが、カフェを利用する場合は、ここでオーダーをしてから、靴を脱いで店内に入ります。
玄関の左手には、農園で委託加工したジュースやジャムなどの加工品も展示され販売しています。土間にある薪ストーブは、寒い時期に活躍するのでしょう。
カフェスペースになっている座敷に入ると、中央に印象的な赤いソファー席があり、そのまわりに大小のテーブル席が配置されています。仕切りの戸の障子の部分はカラフルな壁紙が貼られ、古い民家にモダンなデザインが上手く取り入れられています。所々にラジオなどのアンティークが置かれ、窓から見える果樹園の緑がさわやかです。
果樹園の風を感じながら、野菜や果物をたっぷり食べよう
カフェのメニューは、入り口で選ぶキッシュやケーキのプレート。
キッシュプレートには、たっぷりの野菜が、ケーキプレートには果物やアイスクリームがついてきます。キッシュもパイケーキも素材の味が生かされていて、とてもおいしいです。キッシュでランチ、デザートにケーキという欲張りな組み合わせも良いかもしれません。
ドリンク類は、珈琲はもちろん、農園でとれたリンゴのジュース、紅茶などがあります。山下フルーツ農園ではリンゴ以外に洋ナシ、桃、プルーンなども栽培していて、「カフェのメニューは結構、自給率高いです」と店主さんは笑います。
「こんな田舎なので、それほどお客さんが来ないかなと思ったのですが、アットホームな雰囲気とか四季折々の果樹園の様子を気に入っていただき、思ったよりお客さんが来てくださいます」と店主さんは話します。そこで暮らしている者が当たり前と思っていたことなど、自然や暮らしの素晴らしさをお客さんから教えてもらうことも多いのだとか。
Cafe 傳之丞を訪ね、農園の暮らしを感じる空間で、のんびりとカフェタイムを味わってはいかがでしょうか。
- 長野県上水内郡飯綱町倉井4276
- TEL 080-2002-9667
- 営業時間 平日 11:00〜17:00
- 土日祝 10:00〜18:00
- 定休日 水・木曜日
■公共交通機関でのアクセス
「長野駅」からしなの鉄道北しなの線「牟礼駅」下車。タクシーで約10分。