田舎道にひっそり佇む分水工
最も知られているのは高森町下市田の10号分水です。同町の「桜堂の桜」を目印に訪ねると、近くを流れる水路の脇にすぐに見つかります。外周の直径は3.2m。枠に開けられた四角い穴で3方向に分けられています。見まがうことのない円筒分水工です。
10号分水
次は直径1mほどで、より小さい16号分水です。飯田市上郷飯沼地籍にあります。段丘崖に沿って走るJR飯田線の脇に出ています。2方向に分け、大部分は隣(写真奥)の新戸川に流しています。
16号分水
この水路で面白いのが、本線から1方向に単純に分水する施設にも円筒分水工のような構造を持っている施設があることです。
水路を管理している長野県竜西土地改良区(飯田市座光寺)で聞いた、ふたつの分水施設をご紹介します。
ひとつは10号分水の上流側、高森町山吹の2号分水です。土地改良区で教えてもらった地図を頼りに153号を北上すると、道路に沿った沢の対岸に分水槽が見えました。湧き出る部分が台形で、そこに半円形の水槽が付いています。単に沢に水を落としているだけのようです。水槽に水を供給している一貫水路は地下にあるのでしょう、近くに水路は見えません。
2号分水
もう一つは2号以上に円形から離れています。ほかならぬ同土地改良区事務所前の記念碑(竜西農業水利事業完成記念)脇で見ることができる12号分水です。
竜西土地改良区事務所前の竜西農業水利事業完成記念碑脇にあるひしゃげた形の12号分水