朝晩はまだ少し冷え込むものの、真夏日も迎えるようになった信州です。日に日に夏の日差しを感じるこの季節の農作業は、顔や腕の日焼けが気になります(日焼け対策をお忘れなく☆)。と同時に、畑にいると、風や光、大地の力が充填されるのか、なんだかワクワク・イキイキしてくるのを実感せずにはいられません。
長野市内の編集部員Y宅の畑では、さやえんどうやラディッシュたちが収穫を迎え、毎日の食卓を彩っております。しばらくすると、「食べ飽きるほどとれる!」と嬉しい悲鳴をあげることになるのですが・・・。今回は、そんな春野菜を追っかけるように夏野菜(キュウリ・トマト・ナス・シシトウなど)の植え付けを終えた畑暦をお届けします。
先月23日にウドの丸ごと料理をご紹介しましたが、あれからひと月・・・。現在のウドはというと、わっさ〜と葉を広げ、こんな感じに育っております。
ウド(左)とミョウガタケ
新芽の天ぷら、まだまだイケます♪ その右脇にひょこひょこ、まるで筍のように見えるのは、「茗荷茸(ミョウガタケ)」です。
ショウガの仲間のミョウガは、土の中で地下茎を伸ばして増えます。写真の地表に伸びている葉が付いた部分は、茎ではなく偽茎と言われるもの。自家用なので、もみ殻で光の調整をせず、青々とスクスクと勝手に育っています。
本来のミョウガタケ栽培は本当に手間暇かかるもので、室に植え替え日を遮り、年に1〜2回は日に当て、ほんのり赤みがかった白い茎に育てます(赤い芽のようなつぼみで、薬味としてもお馴染みの、いわゆる「ミョウガ(花ミョウガ)」は、この後、土から顔を出します)。
このミョウガダケ、我が家の定番は小口切りにしておかか醤油で和えるというもの。シャキシャキの歯応えと力強い香りで、冷奴やそうめんの薬味にも合いますが、ほかほかご飯にのせてかきこむ美味しさといったらたまりません! 今しか食べられない、また売り物にしない(ならない)・・・生産者だけが味わう味なのです。
ミョウガタケのおかか醤油和え
県中部のJAあづみでは、管内の小学2年生が、生活科の授業で育てる野菜の苗を、子供たち自身で買って育てるという取り組みを行っています。栽培や生育観察などを通じて、身近な自然や暮らしを学ぶことができる生活科。苗の購入から始めることで責任感が生まれるそうです。地域営農センター内でミニトマトやキュウリ、ナスなどの中から、育てたい野菜を一つ選び育てます。日々の成長や収穫を楽しみに大切に栽培してくださいね♪
信州各地では、地域の特色を活かしたいろいろな農業体験や郷土料理づくり体験、援農ボランティアなどが行われています。信州の爽やかな風・光・土、そしてあったかい人々の中で、エネルギーに満ち溢れること間違いなしっ! ほんの一例ですが、体験施設をご紹介します。初夏の味、さくらんぼ狩りに、地元食材バイキング付きのお得な日帰りプランもありますよ。初夏のひととき、一味違う休日はいかがですか?
◇援農ボランティア募集!
初夏の北信州・中野市(豊田地区)にてリンゴの摘果など
◇駒ヶ根観光協会主催
「さくらんぼ狩りと地元食材の食べ放題ツアー」参加者募集!
◇立科町交流促進センター「耕福館(こうふくかん)」
おすすめ体験メニュー
「新発売」「期間限定」という言葉や、ユニークなネーミングを見つけて、ついつい手が出てしまうなぁ〜んてことありませんか?
県南部のJAみなみ信州は、まっすぐなキュウリを育てるために摘み取られる曲がったキュウリ(摘果キュウリ)に、「曲がりなりにもキュウリです」という個性的な名前を付けて、産地のこだわり・自信と共に販売します。昨年は「面白がってくれる」関西・中京地域を主に、3万袋(150トン)販売。多少の傷やこすれのあるナスを「ごめんナスって」とこちらも商品化。ついつい、ニヤリと笑ってしまいます。「見た目より味でしょう」という方、この夏、見かけたらどうぞその味をお確かめください。ちなみに次はトウモロコシあたりをねらっているそうですよ。
[巻頭のカバー写真]
春の味覚、ウドが大きく育っています。初物はひと月前でしたが、今でもやわらかい新芽が登場しています。