そのカフェは、県東部の東信地区と県南部の諏訪地区を結ぶ大門街道沿いにあります。パン屋さんが営むイートインカフェで、パン屋さんの名前は「むく堂」、カフェの名前は「Mukudo Cafe(むくどう・かふぇ)」といいます。
小さなわが子のために、と作りはじめた天然酵母パン。それを販売しようと、店主さんが小さなパン屋さんを始めたのが2010年。その後2015年10月に今の場所に引越し、リノベートしてMukudo Cafeを開いたのです。 「もともとカフェをやりたかったので。今では、その子も高校生ですよ」と店主さんは笑います。
リノベートした古民家の玄関を入ると、和紙を貼った壁が目に入ります。入って左がパンの販売スペース、右側がカフェスペースになっていて、カフェには靴を脱いで上がります。壁に貼られた和紙は、長和町特産の立岩和紙。実は店主さんのご主人が、立岩和紙の紙漉き職人なのだそうです。光の反射で柔らかな風合いが生まれ、湿度を一定に保つ機能もあるそうです。
パンの販売スペースには、開店と同時に次々と焼かれたパンが並び、天然酵母ならでの素朴さと小麦の味わいが楽しめるパンを求めて、お客さんが訪れます。むく堂のパンは、信州産の小麦を中心に使用し、自家製有機レーズン酵母とホシノ天然酵母の2種類の酵母で作っています。
カフェでは、買い求めたパンのイートインスペースとしての利用はもちろん、お好みの具材を入れたサンドイッチも注文できます。具材の種類は、定番のベーコン、トマト、レタスのほか、その日のボードから選ぶことができます。パンもバケットタイプ、イングリッシュマフィンタイプから選びます。カンパーニュ付のスープは月替りで、写真はオニオングラタンスープ。バケットとチーズを入れて焼きあげた体の芯から温まるスープです。
スイーツは、豆乳と甘麹のシフォンケーキ。甘さ控えめ、添えられたサワークリームもさわやかで、サッパリといただけます。
Mukudo Cafeの珈琲は、小海町の「珈琲焙煎工房2+1(にぷらすいち)」のオリジナルブレンド。コクとキレのある珈琲で、パンによく合います。そのほかのドリンクメニューは、紅茶や長和町産の100%りんごジュースなどがあります。
店内では、近くの蓼科高原にアトリエがある作家さんの陶器や、リネン生地のエプロンといった雑貨も販売しています。カフェの片隅に設置されている神棚には、ご飯ではなくパンがお供えしてあり、さすがパン屋さんだと納得。 「こんな場所だから、来ていただくには不便ですが・・・」と店主さんは笑います。 田舎のパン屋さんで、のんびりとカフェタイムはいかがでしょうか。
■公共交通機関でのアクセス 新幹線・しなの鉄道「上田駅」から、JRバス姫木平中央行き「新屋」バス停下車。徒歩0分。
こちらは 2018.01.09 の記事です。農畜産物や店舗・施設の状況は変わることもございますので、あらかじめご了承ください。
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