先週に続き、心も体もぽっかぽかになる「野沢温泉外湯めぐり」をお届けします。
野沢温泉には、温泉以外にも冬ならではの楽しみがあるのをご存知でしょうか。合わせてご紹介します。
早朝の野沢温泉も素敵でしたよ〜♪
【外湯めぐり3】
64度を体感!「河原湯」
翌朝、一番に訪れたのは、大湯にほど近い小ぶりな湯屋造りの「河原湯」。こちらの浴室内には、石造りの洗い場に5〜6人が浸かることのできるコンクリート打ちっ放しの湯船があります。
貸し切り一番風呂♪ だったかも
湯は独自源泉の河原湯で、すこ〜し黄色がかったお湯と、これまた熱さ(64度)が特徴的。しばし温泉を水で割り、かけ湯でしのぎます。朝のためか、女湯は貸し切り状態。換気も効いていて寒いしお湯にも入れず困っていると、隣りの男湯から「中央から水が出るので、湯もみ板で上下左右よく湯もみしてから入るといいよ」とレクチャーが・・・。教えてくださった方、本当にありがとうございました!
「河原湯」
源泉:河原湯
泉質:単純硫黄泉(低張性アルカリ性高温泉)
河原湯の湯もみ板。結構重いんです・・・
「温泉洗い大根」に憧れる
さすがの温泉効果☆ 浴衣姿で朝の澄んだ空気の中をしばし散歩しましたが、ぽかぽかのまま。気持ちの良い日差しを浴びながら、坂道をぷらぷら下っていると大根を抱えた女性が・・・。
町の一角にある、大根や衣類を洗う「洗濯場」
そこには「洗濯場」の看板です。中はお風呂の浴室と言ってもよいほどの大きな湯だまりがあり、その中でたくさんの大根を洗っていました。温泉が本当に生活の一部なんですね。温泉水で洗った大根・・・。なんだか贅沢、というか、ウラヤマシイ!
「洗濯場」で大根を洗い終えて
【外湯めぐり4】
熊伝説を残す美肌の湯「熊の手洗湯」
その時、ぬる湯のオススメとして「熊の手洗湯(てあらゆ)」を教えてもらったので、早速向かいました。野沢温泉発祥の地とも言われ、奈良時代、元正天皇の御代に、射止めし巨熊の後を追うと、熊が掌を湧出口に浸し傷を癒している姿があったことから「熊の手洗湯」と呼ばれるそうです。
ぬる目でゆったりのんびり・・・。熊気分でどっしり浸かってしまいました(笑)。ここは、泉温43.3度。野沢温泉の他の外湯と違い、もともと「ぬるいこと」が特徴です。
「熊の手洗湯」
源泉:熊の手洗湯
泉質:単純硫黄泉(低張性アルカリ性高温泉)
野沢温泉を愛する「湯仲間」に感謝して
いかにも簡素・質素で、脱衣所と浴室一体型の野沢温泉ですが、その素朴さ故に、熱〜いお湯や独特の入浴方法について、そこで出会った人と語り合え、旅のテンションも否応なしに盛り上がります♪
さらに、町の洗濯場や「麻釜」など、温泉がいかに地元の人の生活に密着しているかを見るにつけ、この外湯(共同浴場)を昔から大切に大切に守ってきた地元の管理組合「湯仲間」の皆さんに感謝の気持ちもひとしおです。そのうえ、13か所もの外湯すべてが観光客にも無料で開放されているのですから、なおさらです。
看板にも歴史を感じます(麻釜)
「湯まもり仏」に御礼を
外湯の入口には、神様が祀られているのをご存知でしょうか。「大湯」には病苦を癒す薬師三尊(薬師如来と日光・月光菩薩)、他の12か所には薬師を守る十二神将が祀られています。
河原湯の十二神将「真達羅大将」
それぞれ賽銭箱が備えられており、そのお賽銭が外湯の管理・運営に使われるのです。無料とはいえ、利用させていただいた感謝の気持ちをお賽銭に込めたいものですね。みんなでマナーを守って気持ち良く利用し、身も心も美しくなりたいものです。
【外湯めぐり 番外編】
露天風呂が嬉しい「麻釜温泉公園 ふるさとの湯」
野沢温泉外湯の力を肌で感じ、お肌も心も潤った編集部員。最後にもう一つ欲張って、オープン2年目を迎えた日帰り入浴施設「麻釜温泉公園 ふるさとの湯」へ。
新しい施設ながらも外湯めぐりの伝統に即した木造湯屋建築で、温泉街のあたたかい雰囲気に溶け込んでいます。清潔で広々とした浴室は、あつ湯・ぬる湯・露天がそろい、洗い場にはシャワーやシャンプー・リンスなども完備されています。外湯にはない露天風呂に早速入ってみました。無色透明、硫黄臭もそれほど強くなく、さらりとした癖のない温泉。ところが、なんとこの露天風呂、雪の日や気温によっては白濁・エメラルドグリーンになるんだとか! 真っ白な世界に幻想的ですね♪ もちろんこちらも源泉かけ流しで、皮膚病、筋肉痛、神経痛などに効果があるといわれています。
「麻釜温泉公園 ふるさとの湯」
住所:長野県下高井郡野沢温泉村豊郷8734
電話:0269-85-3700
営業:10:00〜20:00(入館は19:30まで)
定休:木曜(祝祭日の場合は翌日休館)
料金:大人500円、小人300円
*仮眠休憩室・駐車場はありません。お近くの村営駐車場をご利用ください。
交流と温泉でぽかぽか美人に(!?)
外湯はまだまだありますが、今回は「大湯」中心にめぐりました。温泉とそれ以上に、地域の宝である外湯を大切に守り、観光客を気さくに迎えてくれた地元の皆さんのおかげで、つるつるぽっかぽか。身も心も芯からあったまる旅となりました。
おやつに、おみやげに。
変わらぬ味の「温泉まんぢう」
創業100年、野沢温泉に伝わる本物の味といえば・・・? 大正時代から変わらぬ味を提供しているフキヤ商店の「温泉まんぢう」がオススメ。自家製こしあんをじっくりふかしてあります。湯気までも「おごっつぉ!」(方言でご馳走の意味)
栗型の焼き印が目印の「栗入りまんぢう」は、コロコロとした栗の食感も美味☆ お土産にも喜ばれますよ。
野沢温泉の冬は、 温かく! 熱く!
さて、これからの野沢温泉といえば・・・? そう、初心者から本格派まで楽しめる本物のスキー場でしょう。豊富な雪量とパウダースノーの雪質が特に人気です。12月上旬には滑走可能かも?(あくまで、編集部の希望です)どうぞお楽しみに♪ アフタースキーは温泉で決まりです。
また、日本三大火祭りの一つと言われる勇壮な「道祖神祭り(火まつり)」(毎年1月15日開催)も必見です。社殿に火をつける側とそれを防ぐ側がぶつかる場面が祭りのクライマックス。その攻防戦の熱気は、まさに圧巻ですよ。見渡す限り白銀の世界に包まれる野沢温泉の冬はやっぱり寒い! けれど、どこもかしこも「熱い」に違いありません! この冬、野沢温泉の「熱さ」を体感してはいかがでしょうか?
「道祖神祭り(火まつり)」
◇あわせて読みたい
・ぶらり旅♪野沢温泉外湯めぐり【1】
・野沢菜と温泉が素敵においしく出会う現場へ
◇関連リンク
・野沢温泉観光協会
冬の自然体験プログラムの紹介もあります。